先日のウニ口開け
私の行った漁場は透明度が悪く、その上「水あぶら」
河口の近くとか、淡水が入り込む漁場だと、淡水と海水の屈折率が違うため、水に油を流し込んだような状態になります
これを田老では「水あぶら」と呼びます
「水あぶら」がかかると水中がぼんやりとモヤがかかったようになって物の形が解らなくなります
その上、距離感がつかめなくなるので、ウニを採ってるつもりが、実際にはウニの大分上の方でタモを上下させてたり
透明度が悪い方がまだマシ
ただ「水あぶら」は漁場全域に広がってるわけではなくて、いい場所もあったり、風向きや潮の干満でサッと無くなったり、逆に急に酷くなったりもするので、粘るか、移動するかの決断で結果が大きく違ってきます
周辺にいた船は、見切りをつけて続々と他の漁場へ移動
(うーん、どうしよ)
粘ることに
沖・陸・浅場・深場・その中間と小移動を繰り返すうち、なんとか海底が見える位置を発見!
ウニもけっこう見えてます
(キターッッ!粘り勝ちだね)
これまでの分を挽回しようと、懸命に採ってると
「かーでろ」
んっ??
声のする方を見れば名手Nさんがニコニコと近寄ってくるじゃありませんか・・・・
「かでろ」とは「仲間に入れて」というような意味です
友達とかくれんぼして遊んでるとき、別の友達がやってきて「オラもかでろ」とか
漁場は誰のものでもないので、普通は無言で近寄ってきて採りますが、Nさんは大分年下の私にもちゃんと礼儀正しく声を掛けてくれたという訳です
さすがに名手の採るピッチは早く・・・・
結局カゴの両脇に隙間が残るままタイムアップ