恐ろしい値段 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 三陸産の塩蔵わかめの値段が高騰しています

 

 田老以外のほとんどの漁協さんは、漁業者一人一人がわかめをボイルして塩蔵加工したものを入札会に出して、業者が落札していくシステムなのですが、その落札価格がとんでもないことになってるらしいです

 

 先ほど他の漁協の方に電話したら

 「あまりの値段に嬉しいを通り越して青ざめました」

 って言ってました

 

 青ざめる訳は、わかめの末端価格が変わらないから

 皆さんがスーパーで塩蔵わかめを買うとき、年によって値段は変わりませんよね

 野菜とか、生鮮の魚介類は毎日値段が変わるのに

 

 かつて無いような高値で塩蔵わかめを仕入れても、店頭販売価格は変えられないとなると、中間の業者が損をすることになります

 損したままだと会社がつぶれてしまいますから、どこかで帳尻を合わせなくてはなりません

 

 値段が高騰した後は価格を極端に安くして調整することが多いように感じます

 

 高騰した後は暴落ってパターンを過去に何度も経験しているのです

 

 なので、来年以降を心配して青ざめるわけです

 

 

 田老町漁協が自営でワカメ加工場を運営している理由の一つは、この高騰・暴落パターンを回避するためです

 

 そりゃ値段が高いのはありがたいですが、そのあおりで翌年収入が激減してしまったら漁業者はたまったもんじゃありません

 

 去年は500万円の水揚げがあったのに、今年は200万円とかじゃたまりませんものね

 光熱費とか、燃料代とか、収入に関係なく払わなくてはなりませんし、税金とか国民健康保険料は前年の所得で計算されるので、高騰した翌年暴落されると、収入が少ない中、たくさん払わなくてはなりません

 

 収入が多いとき、貯金しとけばいいって思うかも知れませんが、どうですか?自分に置き換えて考えてみて、貯金します?

 

 もちろん、収入安定の対策として漁業共済という、とてもありがたーい制度があり、そのおかげでそうとう助かってはいるんですけど、収入が確定してから申請して、その後も様々な手続きがあるので、共済金が振り込まれるまでに3~4ヶ月かかってしまいます

 

 給料制の人に置き換えてみると

 「給料3ヶ月後にまとめて払うから待ってて」

 みたいなことでしょ

 「オイオイ!その間どうすんのよ」ってなりますよね

 

 今年は給料30万。その代わり来年は15万

 よりは

 今年も来年も給料22.5万の方が良くないですか?

 

 そこで、できるだけ安定した価格で買い取りができるように、田老町漁協の組合員が生産したわかめは全部田老町漁協が買い取ることにしています

 

 今のところ、市況に全く左右されず、毎年同じ価格で買うってとこまではいってませんケド

 

 「真崎わかめは周りに左右されず、独自で価格を構成していく」ってのが目標です

 


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