私が小学生の頃までは田老でもけっこうスズキが獲れていました
波が磯にぶつかってできる泡(サラシ)の中にしかいませんでしたので、網では獲ることができなくて、一本釣りで獲られていました
今ならでかくて良く飛ぶルアー(疑似餌)がいくらでもありますが、当時(の宮古で買えるもの)はラパラという小さくて軽いものがあるぐらいでしたので、円錐形の鉛の下に鳥の羽を巻き付けた手作りのバケかドジョウに針をつけてサラシの中を引いてくるという方法でした。ロッドもリールもなく、手で直接テグスをたぐり寄せて
小学生の私らにはバケは作れませんでしたし、ラパラは高くてとっても買えませんでしたので、田んぼの中の水路でドジョウを獲って、三王岩のあたりでスズキ狙い
でも、たいていの場合、エサのドジョウを獲っているうちにドジョウ獲りに夢中になって夕暮れとか(笑)
ラパラは買えなくても、ダイワ(という日本の釣り具メーカー)が作っているものならなんとか買えたんですが、スズキの引きに耐えるようなテグスをつけると10mも飛ばないので、小舟(サッパ)でサラシの中を引いたり
そのうち、年々釣り具も進化して、スズキも狙えるロッドやルアーもたくさん出回るようになりましたけど、田老の海からはスズキは姿を消してしまいました
田老魚市場でもスズキを見るなんて数年に一回というようなもので、マグロを見るよりもずっと確率が低かったです
ところが、今年はけっこうな確率でスズキ(といっても小さいセイゴサイズですけど)が入るようになってきました
今朝は3本、昨日は8本、おとといが2本
もしかして、スズキ復活の兆しかも
今は性能の良い釣り具が安くて大量にありますけど、スーパーで買い物をするように「何割引」という値札がついた商品を何にも会話せずに買ってきますからおもしろくありません
また、そのせいか、子供らも釣り具をぞんざいに扱うような気がしてなりません Easy come, easy go ですかね
私らが子供の頃は、お菓子を買うのを我慢して小遣いをためて、何度も釣具店に通って、ようやく買うので、宝物みたいなものでした
中学生の頃は開髙健さんの小説に登場する、スエーデンのABUという会社のアンバサダーというリールに憧れていました。無骨なのにスタイリッシュというか、ほとんどプラスチックの部品を使っていないので、まさに「メカ」って感じ
宮古には当然売ってるはずもなく、仮に売っていたとしても、到底学生が買えるような値段じゃなくて、就職したらアンバサダーを買うというのが密かな目標でした
買ったときは嬉しすぎて使えずに何年も飾っていたものです
今だとABUのリールも釣り具の量販店ならビックリするような安い値段で売ってますし、ネットなら更に安くて、しかも次の日には届いてしまいます
現代の子供が羨ましいような、可哀想なような
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