草の向こう側 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 毎日田老の国道を通りますが、復興を感じられる変化は皆無で、ただただ草が伸びるばかりです

 私の身長は180㎝を超えていますが、草刈りをしていない場所は私より背の高い草がたくさん生えています

 昔の田老を知らない方が見たら、ずっと前からこんな風景だったと思うのでしょう


 でも、先日「おっ」という風景に出会えました


防浪堤は壊れても ~たろうの海~
 南から田老に入ると、三陸鉄道の田老駅前ぐらいで、緑の中に茶色の土と、それを取り巻く重機がたくさん見えます

 高台移転する場所への道路工事です

 しばらく田老を離れていた方が来たら私と同じように「おっ」と声が出ると思います

 「やれやれ、ようやく始まった」

 「まだ、これぐらい」

 「けっこう進んでるな」

 色々と感想はあるかと思いますが、目に見えて何かが動いているということは、とにかく嬉しいです

 ほんの2週間前まではこんな感じでしたからね


防浪堤は壊れても ~たろうの海~

 お盆に帰省される方は、もっと進んだ風景を見られると思います


 昨日は選挙でしたが、グリーンピアの仮設住宅に住んでいる方の多くは(住所変更していない方)田老の公民館が投票所だったようです

 車がある方は何て事ないのですが、車のない高齢者はバスで投票に行かなければならず、大変だったようです。なにしろバスは1時間に1本ぐらいしかありませんからね。投票を終わった後、お店もなければ、休む知人の家もない状況下で1時間待たなければならないのですからね

 少ない年金の中では往復千円近くするバス代だってけっこうなものです

 高齢者にやさしくないですよね