16冊目:殺める女神の島
秋吉理香子
2025/12/01
★ひとことまとめ★
ミスコン×無人島×殺人事件
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
全員、悪女。この中で最も嘘つきな殺人犯は誰?
リゾートアイランドに集められた、外見と内面の美を競い合うコンテストの最終候補者。メンバーは女子高生モデル、経営者、小説家、医師、シェフ、インフルエンサー、大学院生の七人。これから二週間、互いを知りながら、高め合いながら、助け合いながら、最終選考の準備を行う。その日々を見守ってグランプリを決めるはずだった主催者が、二日目の朝、瀕死で見つかった。次々と殺人が起きるなか、巧妙に隠された参加者たちの「嘘」も明らかになっていく――。この中で、一番嘘つきの殺人鬼は誰? 最高に後味の悪いイヤミス長編!
【感想】
この作品はイヤミスの中でも、そこまで重くなくドロドロ具合もちょうどいい感じで読みやすいので好きです![]()
秋吉さんの作品って読みやすいんですよね~。
ミスコン”ミューズ・オブ・ジャパン”の最終選考の舞台はリゾートアイランド。
7名のファイナリスト…美の女神たちは2週間この島で最終選考のための準備を行うはずだった…。
主催者のミスター・クリスが何者かによって襲われたことをきっかけに、次々と女神たちが殺されていく。
主催者とファイナリスト以外は誰もいない、いわば無人島で繰り広げられる殺人事件。
一体、だれが何のために…?
かなり現実離れした話ではありますが、よくまとまっていました![]()
女同士の嘘の暴き合いの部分は程よいドロドロ具合で、これこれこういうのが読みたかった
となりました。(個人的感想です。)
救命艇パートと島パートが交互に書かれ、「誰かが助かった」という情報は冒頭で知ることができます。
では一体誰が助かったのか?というのを島パートを読みながら予想していくことになります。
姉の命を救うためなら手段を選ばないというのがなかなかの狂い具合です…。
殺されたメンバー全員不憫ですが、美咲の立場が一番嫌だなあ…。自分がこれから殺されることを犯人から嬉々として聞かされるわけでしょう![]()
しかも勝手に犯人にでっち上げられて、稀代の悪女として語り継がれていくなんて…。
美咲の両親のこと考えると辛すぎる。。。ドナー受精卵を受けてまで欲しかった子供だったはずなのに。
ファイナリストみんなが全員同じ親(ドナー受精卵)から生まれた姉妹っていうのは無理があるでしょう…と思いつつも、そういう人たちも世界にはいるんだろう…。
本作のようにあの手この手(違法)を使えば、集めることだってできるのかもしれない。
この作品を読んだあとに見た「欧州でまれな変異遺伝子持つ精子ドナーから197人の子ども、一部はすでに死亡(Yahooニュース)」というニュース、こういうことも起こりうるんだなあ…と考えさせられました。
精子提供した本人も提供時にこの変異には気づいていなかったわけだし、提供した本人も提供を受けた人も生まれた子供もみんな辛いよなぁ…。
遺伝子的に問題がないか等を調べないと、こういうことが起こってしまうんだな~…と勉強になりました。
Amazonの内容紹介に書いてある「全員悪女」、ってほどみんな悪女ではありませんでしたけどね。
一部は確かに悪女だけど、他はまあそういう世界で生きていればそのくらい当たり前かもね、ってくらいの悪さ具合です。
みんな殺されるほどの悪女ではなかった…![]()
結局金持ちが(常識も法律も飛び越え)金で物言わせる話だったなあ…。
