37冊目:怖ガラセ屋サン | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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怖ガラセ屋サン

澤村伊智

2022/08/01

 

 

 

 

★ひとことまとめ★

分かったからこそ湧き上がる恐怖

 

 

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在――。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナメた者たちを闇に引きずりこむ!

怪談は作りものだと笑う人、不安や恐怖に付け込む人、いじめを隠す子供、自分には恐ろしいことは起こらないと思い込んでいる人……。
こんなヤツらに、一瞬の恐怖なんて生ぬるい!
気づいたときは、あとの祭り。
“怖がらなかったこと"を、後悔させてあげる――。
一話ごとに「まさか! 」の戦慄が走る、連作短編集。

 

 

【感想】

今年本読まなすぎ問題オエー

最近は彼の影響でモンハンを始めまして、ほとんどの暇な時間をモンハンに費やしています汗うさぎ

サンブレイクも買いましたよだれ

オンラインでみんなで協力してやる系のゲームってずっとやったことが無くて、DBD(デッドバイデイライト)もキラー側しかやっていなかったので、協力する楽しさを知らなかったのですが…

最近はサバイバーやったり、モンハン始めたりしてみんなで協力する楽しさを知りました~うさぎクッキー花

 

 

今回は久しぶりの澤村さんラブ

 

時代も場所も超え噂される、「怖がらせ屋さんの木下久美子さん」。

誰かを怖がらせてほしい、恐怖させてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。

依頼主から頼まれる「復讐」「懲戒」「悪ふざけ」の願い。対象をあの手この手で怖がらせ、願いを叶えてくれる不思議な存在。

作品には怖がらせ屋さんに恐怖させられる人々の話が7話収録されています。

最後の7話目を読むと、依頼主もそれなりの代償がありそうな感じがします…。

 

怖がらせ屋さんの怖さは単純な怪異的な怖さではなく、淡々と冷静に語り分かったことで湧き起こる恐怖を与えるところです。

知らなければいままで通りでいられた、けれど知ってしまったら知らなかった時には戻れない、この先何かよくないことが起こる気しかしなくなる。

 

7話のなかで一番怖いなと感じたのは1話目の「人間が一番怖い人も」ですね…

 

 

・人間が一番怖い人も

信頼していた人物の経歴などが全くの出鱈目で、実は全然違う人物だったら。

浦部夫妻は怪談好きの司馬戸とその婚約者・郁を家に招き、怪談話をすることとなる。

妻の美里は怪談話など怖くはなく、本当に怖いのは人間だと突っぱねる。

そんな美里に郁はある話をし始める…

 

「怪談なんて馬鹿らしい、一番怖いのは人間だ。そう公言する人も大抵は油断している。自分とその周りには決定的に怖いことは起こらないと信じ込んでいる。つまりピュアなんですよ。だからこの程度のことで泡を食う」(P33)

 

全てを疑ってかかっていたら毎日不安で生きて行けなくなると思いますが、確かに人間が怖いよね~と言いつつ、自分の周りではそんなことは起きない・そんな人はいないだろうと思っている。

信頼している後輩から紹介された人物であれば、その人物も信頼して良い人間だと思い込んでしまう。

果たして本当に信頼できる人間なのか?

そもそも、なぜ後輩のことを信頼しているのか?その信頼が実は計画的に作られたものだったら…?

疑えば疑うほど怖くなってきます。

 

 

・救済と恐怖と

語り手であるあいりんは、母をインチキなスピリチュアルサロンから救いたがっていた。

学がなく貧しい母は救いを求め、「マナ・リガヤ」そして自称ヒーラーの「櫛灘セイラ」にのめり込んでいった。

安価なブレスレットから始まり、セイラのオーラが注入された水などを買い漁り、とうとうヤミ金にも手を出してしまう。

さらには借金返済のために娘のあいりんにまで買春を迫る。

あいりんは家を飛び出し行き着いた先の公園で、気に入らない相手を殺してくれる「うえすぎえいこさん」の都市伝説を試す。

そんなあいりんに声をかけてきた女性は…

 

騙し騙され…カモが教祖となり、教祖がカモとなる…。

なにはともあれあいりんちゃんが救われたのはよかったですが、あいりんちゃんも今後失脚させられないように気をつけてほしいですね…。

 

 

・子供の世界で

光太郎はかつて仲良しだった矗をいじめていた。自分がターゲットにされるのを恐れ、浩介、俊に言われるがままいじめに加担していた。

そんなある日、クラス担任の工藤にいじめていることが発覚してしまう。しかし、工藤は勘違いしているのか、光太郎含む3人を矗の親友であり支えだと言い、これからも矗と仲良くしてくれと告げる。

その後、矗は車に轢かれて亡くなった。

矗の家に弔問に訪れた際、矗の父親は不審な女性から熨斗のかけられた箱を受け取る。

その中には牛乳キャップと便箋が同封されていた。

「牛乳キャップを集めて欲しい。集めれば集めるほど、恨みを晴らしやすくなるから」。

いつからか事故現場には牛乳キャップが備えられるようになり、牛乳キャップをお供えすると何かを訴えるような男の子の声が聞こえるという噂が流れ始める…。

 

 

・怪談ライブにて

舞台はあるライブハウスでの怪談ライブ。4人の怪談師が各々の怪談を話し始める。

4人の怪談話が終了したのち、怪談師たちは客に怪談話を募っていた。

客席にいた女性が指名され、黒ずくめの彼女は怖がらせ屋の「木下久美子さん」について語り始める。

 

次々と明らかになる怪談師たちの悪行。そして明らかになる語り手の正体。

怪談話すと思ったら自分達の隠していた悪行が暴露されるって相当驚きますよね。自業自得ですが…。

 

 

・恐怖とは

恐怖とは。嫌な予感。得体の知れない怖さ。分かったことで湧き上がる恐怖。

愛妻家でイケメンの有名俳優の不倫現場をとらえるため張り込むパパラッチの菊池と、情報屋の恵子が車内で繰り広げるやりとりのお話です。

 

初対面同士の自己紹介って、確かに嘘ついていてもわからないですよね。

例えばそれっぽいスーツを着ていて、それっぽい名刺で自己紹介されたりしたら信じてしまいそう。

 

 

・見知らぬ人の

くも膜下出血で病院に運ばれた主人公。後遺症が残り、今も入院しリハビリを続けている。

四人部屋の病室、自分の向かいには徳永さんという老人が寝ている。彼には毎日夕方五時過ぎに見舞いに来る女性がいる。

ある日その彼女からマドレーヌを受け取った主人公。翌日妻にそのことを話すと、彼女にお礼をしなくてはと言い出す。

彼女と徳永さんの関係もわからないと言う主人公に対し、それなら本人から直接聞くと言い、妻は徳永さんに確認しに行く。

戻ってきた妻から聞いたのは、「毎日くる女の人は、知らない人」「全然知らない人が、毎日お見舞いに来る」というものだった。

毎日欠かさず来て、訳のわからない話をして帰る。胃癌で調子の悪い徳永さんに対し、マドレーヌを差し入れる。

彼女は一体何者なのか…

 

家族と信じていた人が、実は全然知らない人だったら…。

認知症もそうですが、脳の病気って怖いですよね。自分が何者かわからなくなるのってとても怖いなと思います。

完全にわからなくなっちゃえばまだ良いけれど、普通に戻る時もあるようなムラがある感じが一番嫌だなあ…。

思い出せなくなっていく自分と向き合うのはとても怖い…。

 

 

・怖ガラセ屋サンと

 怖さ、恐怖を感じたことがないわたし。

今は亡き祖父も怖いものなどはないと言っていた。祖父への思慕は強く、怖がらない気質に拍車をかけていた。

恐怖なんて下らない。怖い話なんてもっと下らない。

しかし、最近になってわたしは「怖ガラセ屋サン」なるものを調べるのに没頭している。

わたしは怖がりたいのかもしれない。

怖ガラセ屋サンについての記述は片っ端から調べ、聞き取りもしてみたが有力な情報は得られず、行き詰まってしまった。

失望するわたしに、怖ガラセ屋サンに会ったと証言する人物のインタビュー音声なるものが届く。

古びたカセットテープを再生すると、そこには女性と老人のやりとりが記録されていた…


祖父の友人は怖ガラセ屋サンに依頼をしたんでしょうね。

わたしは自分で怖ガラセ屋サンを呼んじゃったのかな??

各話の登場人物たちの後日談も書かれていて、まあみんな幸せにはなってないですよね。

 

 

 

ヒトコワじゃないですが、いま思えば本当に自分は無防備で危なかったな~と思いますが、良い感じの男性とドライブ行ったときに「あ、私死ぬかも」と恐怖を感じたことがあります魂が抜ける

まあまあ仲良くなってからのドライブだったので完全に油断していました~。

 

その日は夜景を見にどこか忘れましたが夜景が有名なちょっと小高い公園?に向かってたんですよね。

だから、ちょっと山っぽい道のりなのも街灯が少ないのも、向かってる所がそういうところだからそうだよね~となんも考えずにいました。

そうしていたら、いよいよ灯りも人気もない道の途中で、

「人を刺すなら正面からと背面からどっちがいい?」と聞かれました。

何言ってんだこの人と思いながら、「え…背面かな…(正面だと抵抗されたら勝てなさそう)」と答えたら、

「俺は正面だな~、怖がってる最期の顔が見たいじゃん^^」と言われ。

冷や汗かきながら何なんだろうこの人と適当に相槌うっていましたが、「てことで埋めるためのスコップも後ろに積んでるから^^」って言われたところで本当に死を感じましたね。

 

上記言われてからの時間はとても長く感じたし怖かった…。

ちょっと仲良くなったからってなんでこの人が信頼できる人だと思ったんだろう?

こういう時どうやって逃げたらいい?けどこんな灯りもない山道で逃げられる?

気づかれないように友達や親に連絡する?いや、いまさら連絡しても無理だ…

って頭の中でぐるぐる考えてましたね。

 

結局冗談だよ~と言われ(これが冗談と言える感性もヤバイんだよなあ…)、普通に夜景見える公園着いたのですが、こちとら夜景どころではないw

密室が危ない、ドライブも危ないとはよく聞くけれど、まさか自分にはそんなことは起こらないだろうと高を括っていたなと反省しました。自分の想像力、危機管理能力のなさを実感しました。

あれは冗談で済んだからいいけれど、もし本当だったらいま生きていないだろうなと思いました真顔

 

 

ワッと脅かされて怖いのほうが全然いいな…その瞬間怖いだけなので。

分かってしまったから湧き上がる恐怖にジワジワと追い込まれていくのは怖すぎます雷