流浪の月
凪良ゆう
2022/02/21
★ひとことまとめ★
2人の関係を、人はなんと呼ぶのだろう?
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
2020年本屋大賞受賞
第41回(2020年)吉川英治文学新人賞候補作
せっかくの善意をわたしは捨てていく。そんなものでは、わたしはかけらも救われない。愛ではない。けれどそばにいたい。
新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
【あらすじ & 感想】
2月、本読んでなさすぎるな…
最近のことをちょろっと書きますと…
家にいる時間は、基本ゼルダのBotWをやっていました…
始めてからかれこれ2年以上…
ようやくプレイ時間260時間以上で100%クリアできました
コログの実900個、マップ埋め本当に難しかった…
コログの実は最後の1~2個は本当に苦行だった…攻略地図を見ながら一つずつチェックしていきました…
マップ埋めで最後まで残っちゃってたのは「ラウル集落跡」でした。あとは橋をいくつか見落としてましたね…ハイラル城の「王の書斎」も見落としてました。
これで心置きなく次回作に挑めます。。。
あと、呪術廻戦0を見に行きました
4DXで見たのですが、バトルマンガとの相性はいいんだか悪いんだか
雨のシーンから始まるのですが、結構な量の水飛沫、バトル中は終始席がガッタガタ
何回か椅子からずり落ちそうになりました
里香ちゃんの声が花澤さんで、撫子だ…!ってなってました。
乙骨先輩はシンジとしか思えなかった…
私はエヴァ見に来たのかな?って終始思ってました笑
エンディングの、King Gnu「逆夢」がとっても好きです~
そして…
会社から言われてインストールしていたCOCOA。
インストールして500日以上経って、初めて陽性者との接触通知が来ました
恐らく丸の内線に乗っていた時かな?と思い、PCRを念のため受けたり…
いつどこでコロナに感染してももう仕方ない雰囲気ではありますが、後遺症が残ったら…咳でまたあばら骨折れたら…(気管&あばら骨弱すぎて過去2回以上折ってます)等考えると、なんとなく移動を控えてテレワークすることが多くなったり…、、、
そのため、通勤時間・移動時間=読書時間が減り、全然本読んでない結果に
さすがに2月1冊も読んでないのは良くないな~と思っていたところ、ちょうど読みたかった本が手元に来たのでちゃんと時間をとって読みました
結構前に読みたいな~と思い、図書館で予約していた順番がようやく回ってきました
どんな作品なのか知らないまま、本屋大賞受賞作品ということだけで予約していたので、読むまでどんな内容の作品なのか知りませんでした
こちらの作品を読み初めての第一印象は、「似たような事件、昔あったよね?」です。
調べただけでもいくつか同じような事件がありましたが、特に似てるな~と思ったのは女児を成人男性が誘拐した事件。
インターネット上では、容疑者の男性は被害者の女児と事前に連絡を取っていて、同意の上での同居生活だったのでは?と書かれていました。
女児とは別の少女も男性の家にいて、そちらも保護されたようですが男性を庇う発言をしていたようです。
(あまりに詳細に書いたりURLを貼ったりすることは、この作品に出ている主人公たちのことが頭をよぎり、良くないかと思いました)
冒頭は、ファミレスにいる、とある男女と少女の会話から始まります。
近くの席に座る男子高校生たちが、携帯電話で幼女誘拐事件の容疑者逮捕時の動画を流し始める。店内に響き渡る被害少女の泣き声。
「ロリコンなんて病気だよな。全員死刑にしてやりゃあいいのに」(P10)
という、何やら不穏な始まり方…
話のあらすじですが…
浮世離れした母親と、真面目な父親を両親に持つ小学生の更紗。
母親は料理上手だが気が向いた時にしか料理をしないので、たまにアイスクリームが夕飯になる。
子どもには過激とされる映画も家族で見る。更紗の前でも両親は気にせずキスをする。
お酒好きな両親の影響を受け、お酒を作ったり綺麗な酒の空き瓶を眺めたりすることが好きな更紗。
周囲からどう言われようと同級生から仲間はずれにされようと、更紗は両親と過ごす時間こそが無上の幸せだった。
しかし、幸せは長くは続かなかった。
父が病で亡くなり、母は夫の死が耐えきれず恋人をとっかえひっかえ作り、とうとう更紗を置いて恋人と逃げてしまった。
1人ぼっちになった更紗は伯母宅に引き取られることとなる。伯母宅に引き取られ更紗が気づいたことは、更紗の家の常識は伯母宅では非常識だということだった。更紗は伯母宅で平穏に暮らしていくため、自分を押し殺し常識のある子どものフリをしはじめる。
しかし、伯母の一人息子の孝弘に日々肉体的・精神的に虐げられ、更紗の我慢は限界を迎えようとしていた。
いつものように友達と公園で遊び、天気が悪くなってきたので友達と別れたあとも、更紗は家に帰れずにいた。
雨が降り始めても帰れずにいる更紗の前に、傘をさした男が立っていた。
彼は日ごろから公園で遊ぶ子供を眺めていることから、更紗たちの間ではロリコンと呼ばれていた。いつもは遠くから見ていたので気が付かなかったが、その男は父に少し似ていた。
男の「うちにくる?」の問いに対し、「いく」と答え、更紗は男の家について行ったのだった。
男の名前は文と言い、文は更紗が夕飯にアイスクリームを食べたいと言っても怒らなかった。更紗は自分の意思で文の家に居続けた。
文はロリコンのようだが、タイプでないのか何もしてこなかった。文との生活の中で、更紗は我慢から解放され自由を取り戻し始めていた。
更紗が誘拐されたことがニュースで取りざたされるも、更紗は伯母宅に帰ることはなかった。
そんなある日、更紗の希望で動物園にパンダを見に行った2人。混雑の中で大声で文の名を呼んだことで、周りの人々に誘拐された女児であることを気づかれてしまい、警察によりその場で2人は引き離され、文は逮捕されてしまう-…。
文と引き離されたことで伯母宅に戻された更紗は、夜中部屋に侵入してきた孝弘を酒瓶で殴り、児童養護施設送りとなる。
ここまでが更紗の子供時代の話です。
以降は、大人になった更紗の話へ続きます。
更紗は、ことある事に誘拐事件の被害女児として扱われた。事件の本質を知らない者たちから、「傷物にされたかわいそうな女の子」というレッテルを貼られた。
文はそんな人間ではなかったといくら訴えたところで、余計に哀れまれて終わりだった。
更紗はそのような声に反応をせず、哀れみも善意も受け流して生きていくようになった。
事件から15年が経ち、24歳になった更紗。恋人の亮とは同棲をしており、結婚話も出ているが答えられずにいた。亮は、夕飯にアイスクリームは食べない人だった。
更紗はインターネットで自身の事件の動画や掲示板を見て、画面越しに当時の文に会うことを日課としていた。
そんなある日、更紗はバイト先の仲間と共に夜だけオープンするカフェ「calico」を訪れる。
そこで出会った「calico」のマスターは、忘れもしない、文だった-…
再会したことで、2人の身の回りの環境は大きく変わり始める……。
誘拐犯と、被害者の再会。この字面だけ見たら、誰も祝福しないですよね
けれど、彼らにしかわからない絆がある。
2人の関係は万人から祝福されるものではないし、いつでも好奇の目で見られてしまうことは不憫に思いました。
けれど、世界中の誰からも理解されなくても、たった一人さえ自分のことをわかってくれれば、それでいいのかもしれないな~と思いました
初めはただ単純なロリコンの話だと思っていましたが、読んでいくことでそうではないということが分かります。
私がこの作品を読んで主に感じたのは2点。
まず1点目は、事件の被害者に対する周囲の目について。
どんな事件でも、当事者たちの声(真実)ではなく、インターネット上での書き込みのほうが真実かのように広がっていきますよね。
更紗がどんなに否定しようと、彼女に貼られたレッテルが剥がれることはありませんでした。
もし自分の身近に更紗と同じような境遇の人がいたら、自分は相手をどう扱うのだろうか?と考えました
自分も作品に出てくる周囲の人間と同じように、「被害にあった可哀そうな人なんだ」「事件については触れないであげよう」というような、哀れみフィルターをかけて相手を見てしまうのではないかなと感じました
更紗のような、加害者をかばう発言を聞いたとしたら、「まだ洗脳状態なのかもしれない…」「よっぽど辛い体験だったんだろうな…」と思ってしまうかも。。。
本人の発言よりも、インターネット上で知った情報や、テレビで放送されていた情報のほうが真実だと思ってしまうかもしれない。。。
あとは、例えば事件によっては「被害者も悪い」みたいに書かれていることがありますよね。被害にあっただけでも辛いのに、そのような意見はさらに被害者を苦しめ追い詰めることになりますよね。
安易にそういったことを書くことは良くないなと改めて感じました。
2点目は、ロリコンって治るんだろうか?ということ。
この作品の場合はロリコンというわけではありませんでしたが、ロリコンについて色々と考えるきっかけとなりました。
ロリコン=ロリータ・コンプレックスは和製英語で、幼女・少女に対する恋愛感情のことを言うのはみなさん知っていると思います。
もちろん幼女・少女に対する性行為等は犯罪なので(同意があったとしても13歳未満の場合は強制性交等罪扱い)、いかなる場合でもあってはならないことなんですが…、ロリコンって治すことができるのでしょうか?
疑問に思ってちょっと調べたのですが、精神医学的にはロリコンではなく、ペドフェリア(小児性愛)と言うんですね。(ゆうクリニックHPより)
例えば、複数人と恋愛関係を築くポリアモリーや、恋愛感情を抱かないアセクシュアル等、人それぞれ価値観・考え方がありますよね。
それらとペドフェリアを一緒にするのはどうかと思いますが、例えばポリアモリーは治そうと思って治るものなんでしょうか?
別に犯罪じゃないので治す必要もないと思いますが、そういう考え方でありその人の価値観・無理に治すものではないと言うのであれば…、それならペドフェリアは治すことができるのでしょうか?
結局のところ、ペドフェリアは治ることはなくて、「犯罪だからやってはだめだ」ってことで法律が抑止力になって我慢しているだけなんでしょうか…?
根本から治すことってできないのかな~と考えてしまいました。
もし本人も治したいのに治らないってのはキツイですよね。(そのような人がいるのかはわかりませんが…)
う~ん、何かもっと書きたいことがあったのですが、上手くまとまらないので終わります(時間置いて書き直すかも)
更紗と文がのびのびと暮らすことが出来ていてよかった、と心から思いました