私の命はあなたの命より軽い
近藤史恵
2022/01/12
★ひとことまとめ★
命に差はあるのでしょうか?
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。
実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。
実家で何があった? 明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。 『サクリファイス』の著者が「命の重さ」を描く渾身ミステリー!
【あらすじ & 感想】
とうとうコロナが身近に迫ってきた感じがあります
今週はテレワークしていたので濃厚接触者どころか会ってもいないんですが、会社で陽性者が出たので不安でPCR予約しました。。。
保健所からの電話も全然来ないようで、結局は会社が独自に判断してどこまでの人に何の(抗原・PCR)検査受けてもらうか指示しないといけないみたいですね。。。
会社もゴタゴタしていました
今回は久しぶりに近藤さんです。
過去読んだ近藤さんの本のブログたちはこちら
今回の作品のジャンルはミステリー
主人公の遼子は妊娠中で臨月目前。
にも拘わらず、夫の克哉は来月からドバイへ半年間の単身赴任を命じられ、1人で出産と育児をしなくてはいけないことに…。
夫の勧めもあり、遼子は大阪の実家に帰り出産をすることに決める。
両親、年の離れた妹・美和とも仲は良いが、昨年実家家族が新しい一軒家へ引っ越しをしてからは足が遠のいていた。新築の家に合わせて家具も一新されてしまった今の家では、昔のようにくつろぐことができなかったからだ。
しかし今はそんなことも言っていられない。遼子は実家の母に出産のために帰省する旨を電話で伝えるも、母の反応は予想外のものだった。
快く受け入れてもらえると思っていたはずか、母は戸惑い、即答はできないと言う。
二日後、母から了承の連絡があるも、その際の応対にも遼子は違和感を感じる。
父が病気なのか?それともまさか美和が?それとも家に借金が…?
母はそんな遼子の質問を笑い飛ばすも、違和感はぬぐい切れない。
帰省してから、遼子は家族の違和感を目の当たりにすることになる。家族が誰も目を合わそうとしないのだ。会話だけは絶えず続いているのに、誰も会話を楽しんでいない。何かを隠ぺいするかのようにしゃべり続けているのだった。
実家を出て上京し3年。家族は変わらないと思っていたが、3年経つと人は変わってしまうのだろうか。
それとも、出産間近で自分がナーバスになっているだけだろうか?
自分の気のせいかと考えていた遼子だったが、昔の美和からは考えられないような拒絶的な反応をされたことで違和感が確信に変わった。
自分が東京にいる間に、美和と両親との間に”何か”が発生した。そして家族の間に溝が生じてしまったのだと考えた遼子は、”何か”を調べ始める。
父が家を売りたい理由、美和がこんな家売れないと断言する理由については、まさかそんなことが…って内容でしたが、全体的には有りそうで無い話だなと思いました。
お父さんも怒り心頭だったのはわかりますが、人としてアカンことしてますよね…。。。
内定先にまでしつこく電話かけるなんてね…
ラストはいや~な終わり方でしたね。。。バナー広告で出てくる漫画とかでありそうな終わり方
家族関係が良くなるように身重な体であんなに尽力したにもかかわらず、妹に旦那を取られているかもしれないというのはキツイですね。
結局、元カレのことも本当に好きだった、愛してたとか言いつつ、ただ分別がついていなかっただけなのでは…?
自分のために尽力してくれた姉の大切なものを奪えるくらいなんだから、元々分別のつかない軽い女性だったんじゃないかなと思ってしまいましたね。
美人な妹。平凡な姉。せっかく努力して東京で手に入れた幸せも、妹にかっさらわれてしまうなんて耐えられないな、私なら
というか、あんな大事件があったのに娘によく言わなかったね!?と思いました。東京にいるんだし言わなくて良いという感覚が凄い…。
実家に帰ってきたら、近所の人からの話などで耳に入りそうですよね。そんな形で聞くよりも、家族から直接言ってほしいと思いますけどね…。
読みやすくて良いですが、後味は悪めです