食堂メッシタ
山口 恵以子
2021/10/11
★ひとことまとめ★
読み終わった後イタリアンに駆け込みたくなる
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
目黒にある小さなイタリアン「食堂メッシタ」。満希が、ひとりで切り盛りする超人気店。
ライターの笙子は、母親を震災で亡くして意気消沈していた折に、偶然「食堂メッシタ」の心と体に染みいる
美味しい料理に出会い、元気を取り戻した。それ以来の常連客だ。
そんな、満希が、お店を閉めるという――イタリア料理を愛する人々の幸福な時間と
人生を描いた書き下ろし長篇小説
【感想】
先日初めて友人と釣りに行き、たくさん魚を釣って帰ってきました
↑おしゃれは家に置いてきました
実は今まで、まるまる一匹の魚を買ったことがなく、捌いた経験がありませんでした
なので今回初めて三枚おろしに挑戦しましたが、意外とうまくできました~
こちらの作品は、とにかく!とにかくよかったです!!!
何が良いって、作品に登場する美味しそうな料理の数々
この作品を読んで初めて知った料理もたくさんあって、知らない料理名が出てくるたびにググりました
想像が膨らんで膨らんで…食べてみたい!メッシタみたいなお店に行ってみたい!!と頭がいっぱいになり、読んでからすぐに家の近くのイタリアンに行きました
ストーリーの舞台は、純粋で忠実なイタリア料理を提供する、食堂「メッシタ」。
気軽に立ち寄れるトラットリアがモットーで、極上の食材を使用しているにも関わらず、価格は庶民的。
開店してから約半年で、月初めには月末までの予約が埋まってしまうほどの人気店に。
そんなメッシタを1人で切り盛りする蘇芳(すおう)満希の、メッシタを開店するまでの紆余曲折が描かれているお話です。
巻末に書かれているのですが、この作品にはモデルとなった料理人の方がいて、「鈴木美樹」さんだそうです
こちらのインタビューを読むだけで、とてもストイックな方だな~と感じます。
山口さんの文章もとても読みやすく、スッと心に入って来るんですよね。
あ~わかるわかる、こういう気持ちになるときあるわ~、って共感できるような表現が多いんです。
だから、登場人物たちに感情移入して、物語に没頭してしまいました
私が一番驚いたのは、正確には「イタリア料理」という料理は ない ということ。
イタリアは北から南まで国土が細長く、沿岸部・内陸部・島嶼部もあり、それぞれ気候風土も違う。
いくつもの王国や公国にわかれていた時期には、フランスやオーストリアの支配下に置かれていたこともあった。
そのため、地方ごとに郷土料理があり、食材も調味料もかなり違う。
今はわかりやすく、〇〇(地方)料理・△△(地方)料理という地方ごとの料理をひっくるめて「イタリア料理」と呼んでいるだけ。
わかりやすくサイゼリアのメニューで言うと、パルマ風とかミラノ風とか。ただ、こちらのサイトを見てみると、サイゼリアのメニューは完全なるイメージで付けた名前のようですww
お話の中でも、確かにな~と共感した部分は、
念願の会社に入社するも、上司と不倫し妊娠、堕胎した挙句退社…。
そんな自分に母はきっと自分に失望していただろうと、母が亡くなってから後悔し続けていた笙子が、満希の料理を食べ続け次第に気持ちが前向きに変わって来る部分です。
忙しい病院勤務の合間を縫って、あんなにおいしい料理をつくってくれた母が、娘に失望していたはずがない。幻滅し、挫折感を味わっていたはずがない。(中略)
だって、誕生日にはビーフシチューを作ってくれた。雛祭にはちらし寿司とハマグリの潮汁を作ってくれた。(中略)
だから…。母は私を愛してくれた。失敗しても、落ちこぼれても、恥さらしでも、それでも私を愛してくれたのだ。(P35)
私だったら、失望し幻滅している相手に対して、忙しい合間を縫って手の込んだ美味しい料理は作らない気がします。。。(もし自分に娘がいたら、また違うのかな??)
確かに笙子の行動には幻滅もしたかもしれないけれど、それでも愛していたからこそ思いの籠った料理を作ってくれていたんだと思います
私はあんまり外食やお店探しにこだわりがなくて、美味しいお店に1人でフラッと行くということがありません
ちょっと入りづらそうだけどとっても美味しそうなお店と、チェーン店があったら、チェーン店にサッと入っちゃうくらい。1人で入りづらいかも…ってところはヒヨってしまい入れません。。。
知り合いと何度か行けば、その後は1人でも行けるようになるんですけどね。。。
最近好きなお店はビストロ Torayaです
自家製パンと自家製ジンジャーエールが好きです
自家製パンは本当になんと言っていいのかわからないくらい大好きです
今回メッシタを読んで、世の中にはいろんな素敵なお店があるんだなあ~と感じました
そして、シェフの料理に対する思いも知ることができました。
お店もずっとあるわけではないし、いつか行こうと思っていても、どんな人気店でも急に閉店してしまうこともある…
特にコロナ禍はそういうお店もたくさんあったと思います。。。
行ってみたいと思うお店があるうちに、食べに行こうと思いました