御社のチャラ男
絲山秋子
2021/09/08
★ひとことまとめ★
チャラ男というよりモラハラ&犯罪者では…
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
チャラ男って本当にどこにでもいるんです。一定の確率で必ず。
すべての働くひとに贈る、新世紀最高“会社員”小説
社内でひそかにチャラ男と呼ばれる三芳部長。彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくる、この世界と私たちの「現実(いま)」。
チャラ男は、なぜ、――あまねく存在するのか? ――憎らしく、愛おしいのか?
【感想】
やってしまいました。。。。ショックです。。。。
一つ前のブログ(61冊目 ザ・ベストミステリーズ2018)ですが、間違えて今回のブログを上書き保存してしまいました
。。。
先日も複製を押したつもりが、元のブログを編集してしまったことがあったのですが、タイトルと画像の編集だけで本文の編集をしていなかったのでなんとか元に戻せたのですが…。。。
今回は複製したつもりで全て編集してから上書きをしてしまった。。。
本当にショック


宮部みゆきさんの「虹」というお話がとてもよかったので、皆さんに是非オススメしたかったのに


複製と上書き…気をつけます
。。。。
さて、気を取り直して…
王様のブランチで紹介されていたので、気になって読んでみました
なんだか思っていた話とは違うというか、作者の方の「チャラ男」という言葉の認識と、私の認識が違っているなぁと感じました。
というか、世間一般の「チャラ男」という言葉の認識ってどんなものなのでしょうか?
■チャラ男(チャラお)とは、「チャラチャラした」と形容されるような、言動が軽薄な若い男性のキャラクターを指す日本語の若者言葉の表現である。(Wikipediaより)
■俗に「ちゃらちゃらした男」を略した表現。安易で浮ついた態度の軟派な奴などを指す語。(Webio辞書より)
う~ん…
こちらの作品はジョルジュ食品で働く社員の人たちが、それぞれの視点で共通の敵である三芳部長・通称「チャラ男」について語っていく話です。
社員の人のなかには三芳部長本人の語りもあるので、周りからのイメージだけではなく、本当の彼自身についても知ることができます。
ですが…
この三芳部長、
↑に書いたようなチャラ男という言葉の意味とはかけ離れているんですよね~。
チャラチャラしているからチャラ男なんですが、三芳部長はチャラチャラというか、ただのろくでなしというか、モラハラおじさんというか…。
■仕事が出来ないのに出来ているように見せる(が、誰の目も騙せない)
■部下に理不尽な仕事を強要
■ブレインストーミングのような、自由に意見を言う場で、部下の意見に対し嫌味
■社員へのいじめ
■不倫
■不正横領
最後なんて、ただの犯罪者ですしね。ろくでなしの犯罪者おじさんなのに、「チャラ男」で片づける他社員についてもちょっと…。感情移入できませんね…。
こんな全員が全員を信用できず、人を見下す人たちのいる会社では働きたくないな~と思いました。
新卒の時に働いたベンチャーのギスギスさを思い出した。。。
結構飛ばし飛ばし読んでしまった。。。
共感できなかった部分。
・チャラ男の中身はばか女である。おおらかというか若いというか、無鉄砲というか、ばかなことを平気で言ってしまうところが本質だと思う。
ビジネスやフォーマルな場で実家での習慣とか、体のこととか、そういう極めてプライベートな話をしてしまうとか。そういう類のことなのだ。(P170)
・会議というフォーマルな場でモテアピールを。(P171)
→無鉄砲でばかなことを平気で言う部分は三芳部長にも当てはまりますが、それ以上ですし…。
ちなみに私の中のチャラ男のイメージは”三浦翔平”さんです。
キーワードとしては、”浮ついている””要領が良い””モテる”などです。
陽キャって感じなんですよね~。
女関係ちょっとアレでも、男友達はいて、意外と人情もあるというか。
だから、男友達も少ないって言うのとか共感できなくて。
だから、三芳部長の場合はチャラ男ではなく「ダメ男」「モラハラ」「子どもおじさん」って感じ。。
・なんでも楽々とこなしてしまうひと、勘でものを言うようなタイプ、サボっていても帳尻だけ合わせる輩。いい加減にやってうまくできてしまうひとも、物事をほったらかして平気なひとも。つまりチャラ男である。(P209)
→全然「つまり」じゃないんだよなあ…。
三芳部長はなんでも楽々とこなしてないし、いい加減にやってもうまくできてないし…。
コネ入社みたいなもんの三芳部長は社長のことを評価しております。
社長について、とてもいいアンテナを持っていて物の良し悪しがわかり、だめだと思ったら最小限の傷で済ませることもできる、と言っておりますが、顧客の個人情報を売却している社長ですよ…。。。
それに、自分の娘2人に対しても
「二人ともまともに親の跡を継げないなら、存在しなくていい人間だったのではないかとすら思う。」(P145)
とも言っちゃうような人ですしね~
実の娘に存在しなくていいとか、なかなかの非情さ。
ろくでもない社長がやってる会社だから、ろくでもない男(三芳)が寄生し、希望を持てない社員たちが集まるんだろうなあ…。
まあでも、こういう会社って多いんでしょうね。チャラ男という表現は違うと思いますが、ろくでもない社員ってどの会社でもいますよねー。
そういう、世の中にありそうなろくでなしの集う会社の話と思えば読めますが、ちょっとこの作品に対して期待をしすぎたかな~って感想です

消してしまったブログの「
ザ・ベストミステリーズ2018」のほうが個人的には好きなので、ぜひ読んでほしいです
