鳥獣戯画の国 たのしい日本美術
金子 信久
2021/06/07
★ひとことまとめ★
色々な鳥獣戯画が見られます
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
国宝、鳥獣人物戯画のレジェンドとしての輝き。
私たちの心を遊ばせてきた、「楽しまれてきた歴史」。
この絵巻が生まれるべくして生まれた日本という国を眺めてみよう。
残された様々な模写だけでなく、伊藤若冲、歌川国芳、河鍋暁齋、曽我蕭白、森狙仙……動物が好きすぎる絵師たちのユニークな作品に受け継がれた、--鳥獣戯画--の遺伝子。それは昔話や伝説の中でも確認できます。
「伝説的なおかしな動物の絵」が、どのように日本人の心をとらえ、動物絵画のスタイルとして定着してきたか。府中市美術館でのユニークな企画で注目を集める著者による、新しい動物絵画史。
かわいくて、愉快で、どこかおかしい--そんな愛おしい作品を多数掲載。
第一章 --鳥獣戯画--の楽しさ
第二章 --鳥獣戯画--の子どもたち
第三章 動物ものがたり
第四章 不思議と夢想 -ウサギとキツネ-
第五章 動物たちの心
【感想】
鳥獣戯画と聞いて、どんな絵を思い浮かべますか?
私は、兎と蛙がお相撲しているあの有名な絵を思い浮かべます
以下、本を読んで得た知識です
そもそも鳥獣戯画の国宝としての本名は、「鳥獣人物戯画」と言います。
全部で4巻からなる絵巻なんですが、実は全く別々の絵巻が集められ、整理されて、いつの間にか4巻の絵巻になったようです!
それぞれ、甲・乙・丙・丁と呼ばれ、私が思い浮かべるあの兎と蛙のお相撲シーンは甲巻に収録されているとのこと。
巻によって絵柄や登場人物(動物)が異なります
甲巻:有名、人のようにふるまうおかしな動物たちが登場
乙巻:普通の動物
丙巻:前半が遊びに興じる人の姿、後半は甲巻と同じような人のような動物たち
丁巻:人が繰り広げるおかしな場面
作者は鳥羽僧正(とばそうじょう)との言い伝えがあるようですが、証拠はなく、巻によって、また部分によって描き手も時代も違うそう。
私たちが耳にしている鳥獣戯画というネーミングは近代につけられたもので、古い時代では「シャレ絵」、「獣物絵」などと呼ばれていたようです
こちらの本には80作品点以上の鳥獣戯画が掲載されているのですが、その中でも私のお気に入りを載せます
これはあの有名な兎と蛙の絵ですが、左側のひっくり返っちゃってる蛙がなんとも言えません
大丈夫か!?と覗き込む兎さん。果たして蛙は無事だったんでしょうか…?
金魚がめちゃくちゃ可愛い~!!!
まだ蛙になっていないオタマジャクシもいます。
どんちゃん騒ぎという言葉がぴったり
ちなみにこちらのサイトより無料スマホ壁紙ダウンロードができます
こちらも金魚づくしですが、「にわか雨」ならぬ「にわかアメンボ」にあたふたする金魚たちが描かれています
子ども金魚も可愛い~
右下の、傘(蓮の葉?)がないから自分の尾びれで雨除けする金魚も面白いです
色鮮やかで素敵です。
上が「吐く男と犬」なのですが、気分が悪く吐きそうな男に対して、桶を持ってきてと指示する父(?)犬、子犬なのかよちよち桶を持ってくる犬、どしたどした?と様子を見る母(?)犬
のほほんとする絵です。
引っ張る鼠たちと、凛々しい猫の顔が何とも言えませんw
これは子どもが見たら泣くんじゃないんですかねw
おじいさん確実に目が逝ってしまっている。。。。
雀の手が人間の手というところもシュールです
丙巻に描かれている香箱座り猫ちゃんがめっちゃ可愛かったのですが、ネット調べても画像がなかった…
可愛いんですよとにかく…はるか昔の時代から猫は可愛いということがよくわかる絵でした
鳥獣戯画=兎と蛙の絵、ではないということが分かりました!
昔の時代の人たちのユーモアは素晴らしいですね。何年何百年経っても、可愛い、面白い、と思わせるんだからすごいです
楽しい、面白い、って感じるものはどんな時代でも共通しているんだな~と感じました
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すでに3枚違う柄を買ってしまったので、買おうかどうか悩んでます…(3枚セットなので…)