ときめく花図鑑
文:中村 文 写真:水野 克比古
監修:多田 多恵子
2021/04/11
★ひとことまとめ★
道端のお花が何てお花なのか知りたくなります
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
大人気、ときめく図鑑Book for Discoveryシリーズに「お花」が登場! 春夏秋冬の移り変わりとともに、色とりどりの美しさを見せる日本の花を紹介する図鑑です。
文は、ときめくシリーズの「小鳥」を執筆された中村文さん。
詩的かつユーモラスな筆致で、花の生態はもちろん、歴史や神話、伝承についても綴られます。
図鑑の写真はすべて、京都を代表する写真家・水野克比古さんの作品です。
京都の美しい風景とともに写し込まれた花々は、凛とした佇まいで私たちに語りかけてきます。
身近な花と人とが紡ぎ続けてきたストーリーをぜひお楽しみください。
【目次】
Story1 花の記憶
花に恋して1万年/人と花とおもかげと/花の平安ファッション/古都、京都
Story2 花の物語
ようこそ花々の園へ/つなぐもの/図鑑(春夏秋冬)/京都花マップ/
コラム 「いいな」をつくる
Story3 花の生態学
海から陸へ/すれ違いの恋人たち/花の駆け引き/カラフルが世界を救う/
コラム 花粉のミニマルデザイン
Story4 華麗なるバラの世界
梅の恋うた/さくら対談(第16代佐野藤右衞門さんと)/バラのお話
(Greek, Rome, Secret, Josephine)/コラム 続・バラのお話 モダンローズ
Story5 そして人は花を
茶花の伝言/ベニシアさんの庭/花と香りのアラビアンナイト/夢を見る花たちへ
※本書で登場する花
【春】
ウメ、サンシュユ、コブシ、モクレン、サクラ、ミツガシワ、モモ、ボケ、ヤマブキ、コデマリ、ネコヤナギ、レンギョウ、ツツジ、ボタン、シャクヤク、フジ、キリ、バラ、ミヤマヨメナ、ケマンソウ
【夏】
テッセン、マルバウツギ、アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ、シャガ、ユキノシタ、ホタルブクロ、アジサイ、アサガオ、ノウゼンカズラ、サルスベリ、ナツツバキ、ネムノキ、ゼニアオイ、スイレン、ハス、フヨウ、ツユクサ
【秋】
テッポウユリ、キキョウ、ヤブラン、ハギ、クズ、ナデシコ、フジバカマ、ススキ、ケイトウ、ヒガンバナ、キクイモ、コスモス、シュウメイギク、シュウカイドウ、シオン、ホトトギス、コムラサキ、チャノキ
【冬】
ヒヨドリジョウゴ、センリョウ、ツワブキ、サザンカ、ツバキ、ナンテン、スイセン、ロウバイ
【感想】
薔薇が良かったので、ときめく図鑑シリーズ色々と読みました
いっぱいシリーズあるのですが、中でも書きたいことがたくさんあるものは1冊1ブログで書こうと思います
他は複数冊まとめて書きます
最近はGoogeLenseのアプリを使って、お散歩中道端のお花を撮影して何というお花なのか調べたりしています
好きなお花とか、なるほどと思った内容を書いていきます
・基本の花の作り(P15)
【サクラ】
めしべ:受粉する部分
おしべ:花粉ができる部分
花びら(花弁):花を飾って目立たせる
がく:花や花びらを支えたり、守ったりする
子房:受粉すると実になる
【コスモス】
2種類の花がたくさん集まって、ひとつの花のように見える
筒状花:花びらが筒状になった花
舌状花:花びらが舌のような形になった花
【アヤメ】
がくやめしべが花びらそっくりになっている。
花びら(内花被片)
めしべ(内花被片)
がく(外花被片)
【シュウカイドウ】
雄花と雌花がある
【ネコヤナギ】
雄花と雌花がある。どちらにも花びらはない。
・梅 ウメ(P18)
弥生時代には、すでに薬用や食用として利用されていたよう…!
色別で花言葉が分かれ、紅梅は「優美」だそうです。
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・辛夷 コブシ(P20)
花を開く前のつぼみと果実が子供のにぎりこぶしに見えることから、この名前が付いたそうです
壇ノ浦の戦いで、平家の残党の人たちが、咲いていたコブシの花と源氏の白旗を間違えて、「もはやこれまで…」と自決してしまったというエピソードもあるようです
↑URL
・木蓮 モクレン(P21)
木に蓮の花が咲いたように見えるため木蓮という名前がついたそうです。
木蓮の祖先が現れたのは約1億年前!!!
英名はマグノリア、香水でもありますよね!良い香りです~
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・桜 サクラ(P22)
サクラもバラ目バラ科なんですね!バラ目バラ科のお花多い…
私は、香りだと沈丁花、香りと見た目の両方だと薔薇が好きなのですが、春の訪れを感じたり、花が散る時のなんとも言えない寂しさなど、お花を見たときの感情の動きを考えると、桜が1番感情を揺り動かすお花かもしれません
色々と考えさせられるというか、出会いと別れの季節のお花なので、桜を見るたびに過去通り過ぎていった春を思い出します。
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・山吹 ヤマブキ(P28)
こちらもバラ目バラ科
日本と中国にしか自生しないようで、英名はジャパニーズローズだそうです。
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清少納言は一重咲きより八重咲きを好んだ…とのことですが、そもそも一重咲き八重咲きってなんぞ…?だったので調べたのですが、
一重咲きは花びらが重ならない咲き方。
八重咲きは変わり者として出現し、花弁が重なって咲くような咲き方だそうです。
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上が一重、下が八重咲き。八重咲きだと違うお花に見えちゃいますね
八重桜も、”八重桜”という品種があるわけではなく、八重咲きする桜の種類の総称だそうです。
・小手鞠 コデマリ(P29)
その名の通り手鞠みたいでかわいらしいお花ですよね
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ちなみにコデマリも八重咲きがあります
ウェディングドレスみたいにフリフリしてますね~
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・石楠花 シャクナゲ(P33)
ツツジ目ツツジ科ツツジ属なだけあって、ツツジそっくりですね!
石楠花という由来は、「石南花」を呉音読みした「シャクナンゲ」から来ているそうです。
「石南」と書くのは、石の間に生え、南向きの土地を好むからだそうです。
ちなみに花言葉は「警戒」「危険」。
高山植物のため取りに行くのが危険、また毒を持っているので危険、というところからきているそうです
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・牡丹、芍薬 ボタン、シャクヤク(P34-35)
そっくりですよね~
ボタンは結実がむずかしいため、親戚筋のシャクヤクの根などに接ぎ木してきたそうです。
ボタンは低木で、シャクヤクは草で、ボタンは花びらがパラパラと落ちて散り、シャクヤクはお花ごとポトッと落ちるそうです。
冬になると、ボタンのほうは葉が落ちて枝だけになり、シャクヤクは茎が枯れ根だけになります。
どちらもユキノシタ目ボタン科ボタン属なのに、草と木の違いがあるって不思議ですね
↑URL 左:ボタン 右:シャクヤク
・華鬘草 ケマンソウ(P39)
仏堂に飾る華鬘に似ることから名前が付けられたそうです。
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↑URL 華鬘
釣り上げられた鯛にも見えるのでタイツリソウとも呼ばれ、心臓にも見えるので英名は”Bleeding Heart”(血の滴る心臓)とされています。
確かにお魚(鯛と言うよりは私は金魚に見える)、ハート型に見えますね!
・紫陽花 アジサイ(P48)
土のphによって色が変わるというのは有名なお話ですよね
アジサイの名前の由来は「あづ(集)」「さあい(真藍)」、「集まる藍色」だそうです。
梅雨って憂鬱ですけれど、アジサイを見るとなんだか落ち着いた気持ちになれます
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・睡蓮 スイレン(P57)
水面に浮かんで咲いているのがスイレンで、立ち上がって咲くのがハスだそうです。
スイレンと聞いて思い出すのは、やはりクロード・モネですね
ドイツの伝説では、スイレンは水辺に住む妖精の化身だそうで、属名の”Nymphaea”は水の妖精ニンフの名から来ているそうです。
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ちなみに、”Nympaea”ニンフィアってどこかで聞いたことがあるな?と思ったんですが、
フェアリータイプのニンフィアの名前も、恐らくこのニンフから来ているとのことです
フェアリー=妖精タイプですしね!
・蓮 ハス(P58)
弥生時代に日本にもたらされたそうで、原産地はインドだそうです。
真ん中にある穴のあいたハチの巣のようなものは、果托とよばれる果実を育む部分なのですが、"蓮コラ"とよばれるように、よ~くみると結構気持ち悪くて苦手です
仏陀が生まれた時にいっせいに咲きそろったと言われており、仏像の台座にもなっています。
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・秋桜 コスモス(P79)
花びらに見えるのは実は舌状花という一つの花というのには驚きました!
お花(舌状花)がお花(筒状花)をぐるっと一周囲んでいるとは
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・椿 ツバキ(P86)
ツバキも素敵なお花ですよね~
華美、派手というよりは落ち着きのある大人なイメージ。
散る時もハラハラと散るのではなく、お花丸ごとポトッと落ちます。
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約27億年前に海の中で藻類が生まれて、やがて約4億数千万年前コケとシダが地上近くに進出し、およそ3億5千万年前にマツやスギ、イチョウなどが現れて、1億4千万年前に葉の一部が変わってようやく花びらが生まれた‥‥
そう考えると地球の歴史からするとお花ができたのは最近なんですね
マツなどの植物ができてから花びらが生まれるまで、2億1千万年程あるということを考えると、生物が進化を遂げるにはかなり長い年月がかかるんだということがわかりますよね
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こちらは私が好きな沈丁花です。
香りがとてもよく、春の沈丁花、夏の梔子(クチナシ)、そして秋の金木犀を合わせて三大香木と称されるようです
何とも言えない、切ない香りがするんですよね~。沈丁花の香水が欲しいんですが、なかなか沈丁花のリアルな香りの香水ってないんですよね~
武蔵野ワークス の香水が結構リアルなお花の香りで好きなんですが、沈丁花はやっぱりちょっと違う…
この前バラの本を読んでから武蔵野ワークスでオールドローズの香りを買いましたが、これはリアルなバラの香りで嬉しかったです
何億万年もかけて色々な進化があった結果、私たちはいまこんなにたくさんのお花を見ることができているので、植物たちの進化には大感謝ですね~
もうすぐバラも見ごろになるので、バラ園に行ってみようかな~と思います