ヒトガタさま
椙本 孝思
2020/12/10
★ひとことまとめ★
魔術の代償は体重増加…
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
1秒で1グラム、2秒で2グラム、3秒で3グラム、4秒で4グラム、5秒で5グラム、6秒で6グラム、7秒で7グラム、8秒で8グラム、9秒で9グラム……。
ヒトガタさまを使うと体重が増える。使わなければいい、それはわかってる。だが、女子高生の恋心は時に制御不能に陥る。気づけばほら、1キロ、2キロ……。戦慄のノンストップホラー。
ヒトガタさまを使うと体重が増える。使わなければいい、それはわかってる。だが、女子高生の恋心は時に制御不能に陥る。気づけばほら、1キロ、2キロ……。戦慄のノンストップホラー。
【感想】
仕事とは関係のない、ホラーを読みたくなり読みました

本屋さんで目立つところに置かれていたのと、人を呪わば穴二つといいますが、呪い(魔術)の代償が体重増加というのは斬新だと思って手に取りました

あらすじです

主人公は、手芸部に所属し、友人も少なくパッとしない高校2年生 鈴森麗子。1年の時に同じクラスだった友人・美希は美しくて明るく、友人も多く、麗子はそんな彼女を羨んでいた。
そんなある日、麗子は同じ学年でサッカー部の佐竹真太郎から、”ボロボロになってしまった身代わり申を直して欲しい”と頼まれる。手芸部に所属している麗子は、彼女の村に伝わる”身代わり申(さる)”というお守りを作り文化祭で販売しており、真太郎はその身代わり申を購入したのだという。
身代わり申のおかげで部活での調子が良くなり、どうしても直して欲しいと話す真太郎に、麗子は直すことは難しいが代わりに自分が使っていた身代わり申をあげると告げ、自身が身に付けていたピンク色の身代わり申を真太郎に手渡した。
自分が作った身代わり申をあそこまで気に入ってくれたことが嬉しく、真太郎に恋し始める麗子。
だが、パッとしない自分が真太郎と近づくことは難しく、立ち寄った本屋で悩んでいたところを、衿沢怜巳に声をかけれられる。
怜巳は、まるで麗子の心を見透かしているような発言をし、今の麗子の悩みが解決できる方法を教えると行って、麗子を喫茶店へ誘う。
怜巳はそこで黒い袋から粘土で作られたような、人型をした人形、”ヒトガタさま”を麗子に見せる。
まず、ヒトガタさまの胸の中央にある切れ込みに、思いを通わせたい相手の一部(髪など)を入れる。そしてその相手のことを強く念じ、名前を呼ぶと、ヒトガタさまに相手の顔が写り、その相手自身になるのだという。
こちらがヒトガタさまに話しかければ、相手の耳元で声がする。ヒトガタさまを触れば、相手も触られている感触が伝わる。
ヒトガタさまを使用すれば、離れていても真太郎と意思疎通が取れるし、彼との恋が成就するかもしれないと告げる怜巳。
ただ一点、ヒトガタさまを使用する代償として「ヒトガタさまを使用している間、使用者は1秒につき1g体重が増えていく」と忠告される。
怜巳は、決して他言しないことを条件に出し、麗子はヒトガタさまを購入する。
家に着き、さっそく真太郎から回収した身代わり申を使用し、ヒトガタさまを試してみる麗子。怜巳の言う通り、強く願うと真太郎と通じ合うことができた。不思議がる真太郎に、自分は身代わり申だと告げ、いろいろな話を聞いていく麗子。
真太郎は麗子のことを気になっているが、麗子の友人である美希と交際しており、美希とは別れられない旨を告げる真太郎。さらに、身代わり申がボロボロになってしまったのも美希が癇癪を起こしたせいであり、真太郎は日頃から美希から暴力を受けていることも判明する。
真太郎との交信を終え、美希のことを考えていると、今度はヒトガタさまに美希が映し出される。誰もいない部屋で話かけられ気味悪がる美希に、真太郎のことを問いただす麗子。美希は悪びれた様子もなく、麗子のことは友達とは言うものの「あんなの」呼ばわりし、耳元から聞こえる謎の声もすぐに麗子だと気づかれてしまう。
取り乱した麗子は、これ以上美希に話をさせないために、とっさにヒトガタさまの口を塞ぎ、力をこめてしまう。
翌日麗子は学校にいくと、教師から美希が亡くなったことを伝えられる。
自分が力を込めてしまったため美希が死んでしまった…自分の罪が露呈しないか焦っている麗子に、厚生労働局・魔道具取締官通称”マトリ”の加藤が声を掛ける。彼は魔道具を取り締まっているらしく、今回の美希の事件も魔道具が関わっていると睨んでいる。
加藤にヒトガタさまのことがバレないよう、必死に取り繕う麗子。
美希が亡くなったことで真太郎と結ばれるかと思った麗子だったが、真太郎は美希が亡くなったことに責任を感じ行方不明になってしまう…。
麗子は真太郎を探すために、再度ヒトガタさまを使用する。そして、その代償にどんどん体重が増えていく……
麗子は真太郎を救えるのか?また、麗子の恋は叶うのか?
ヒトガタさまとは?そして、衿沢怜巳とは…?
というような内容です。
1秒1g…1分60g…ここまでなら少ないと感じますが、1時間話すと3600g=3.6kgと考えるとゾッとします。3.6kg痩せるのは結構しんどいですよね…
。。。

しかも、体重が増えるだけではなく、寿命まで縮まるという最悪なセットです。人と意思疎通をとるだけの使い方の代償としてはちょっときつい代償です。まあ、美希を殺したように、ヒトガタさまを利用して相手を好きなようにするという使い方だと、妥当かもしれないですが…(妥当な代償とは…
?)

体重が増えるという代償が斬新でした!終わり方が後味悪い感じなのもホラーの定番でよかったです


