56冊目:アイズ | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

アイズ

鈴木光司

2019/09/01

 

★ひとことまとめ★

ほんのり怖いお話が読みたい人におすすめ。

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【内容紹介】

誰かが私の「過去」を覗いている! いや違う、「過去」が私を覗いているのか。ホラー小説の旗手が「本当にあった怖い話」を取材して描いた超恐怖小説!

 

 

【感想】

来週から旅行に行くため、準備とかもろもろでなかなか本が読めていませんキョロキョロアセアセ

飛行機の中では、お客様に頂いた角田光代さんの「坂の途中の家」を読もうと思っています本

帰国したら書きます~キラキラ

 

 

これは内容紹介的に実話なの?かな? でも実話にしては盛りすぎだよな~って思うキョロキョロ

怖いお話だけど、怖すぎない。澤村さんのぼぎわんみたいにとんでもない化け物がやってくる…ような話ではなくて、日常に転がる怪異とか恐怖みたいない感じガーン

前にも書いたと思うけれど、鈴木さんのお話は化け物より人間が怖いなーって感じ。

あとがきにも書いてあるんですけど、”日常の何気ない空間に潜んでいる、恐怖を掻き立てる現象”を書くのがうまい。もしかして、自分の身にも降りかかるかも…と想像して読んでしまう感じ。

 

 

・鍵穴

松浦は高校時代の同級生、大石に招かれ彼の自宅の高層マンションを訪れる。

脱サラしオープンさせたラーメン屋が繁盛し、いまでは都心の一等地に高級フレンチレストランを3つも所有するほど昇り詰めた大石。

松浦は大石とワインを飲みつつ、かつて、今の大石のような生活を望んでいた、今は亡き旧友・鳥居について思い出す…。

 

旧友の遺体の第一発見者になるだけでショックなのに、さらに怪奇現象にも見舞われるとか怖すぎ…そして鳥居の死に方もなんとも言えない…

 

そんでもって、かつて旧友が亡くなった場所をすっかり忘れて、その場所に住んじゃうのも怖いわ…。

 

 

・クライ・アイズ

ラブドールをレンタルしてホテルでお楽しみだった昭典、向かいのマンションからホテルの窓を見て自分の女が拉致られていると勘違いしたマリファナ中毒の隆三。

隆三によって持ち帰られたラブドール、そのラブドールを隆三の浮気相手と勘違いする安芸子。

 

勘違い(というかマリファナを長年吸っていることによる、幻覚とか?)によって人が死んでく話…。昭典とばっちりだな。そりゃこんな勘違いして殺し合う人間を見たら、ドールも嘲笑うかもしれない…。

 

 

・夜光虫

恋人がクルーを務めるヨットに、娘の真由とともに乗船した貴子。三崎に着きマグロ料理を堪能し再度ヨットが出航してから一時間近く、貴子は真由の姿を見ていなかった。

貴子や乗組員は必死に真由を探すが発見できない、そんなときに、海上に夜光虫に縁取られた子供の水死体を発見する…。

 

これはね~自分の子供がどこにいるか、誰がヨットに乗せたか覚えてないってのはまずいよね…。というか、母親である貴子が人任せなのはいかん…。

海でクラゲ(ミズクラゲじゃなくて、刺すやつね)に遭遇するだけでも結構パニックに陥るんだけど、水死体に遭遇したら自分もパニックで死にかねない…。まず遭遇することを想像すらしたことがないけれど…

 

 

・しるし

マンションで両親・祖母・弟と暮らす由佳里。夜中トイレに立った際、玄関のドアの前に人の気配を感じ、レンズを覗き込むと人の横顔が映っていた。父親とともにドアを開け確かめると、表札の余白に赤いマーカーで”F”と書かれていた…。

 

読み始めたときはどんなオチなのかわからなかったけれど、わりとほんわか?した終わり方だった。

 

夜起きて玄関ドアの前に人の気配感じるって、めちゃめちゃ怖いよね。

私の部屋が玄関のすぐ横なんだけれど、人が来ると音とかでわかるのね。

だいぶ昔のある日、夜中家族が寝たころ、ガチャガチャって音が聞こえて。ずっとガチャガチャしてるから、なんなんだ?って覗き込んだら、男の人が鍵穴に鍵差し込んでガチャガチャしてるの。

しばらくしてもガチャガチャしてるから、とうとう我慢できなくて開けて、「あなたの家じゃないですよ!」って言っちゃったのよ。(今考えると、チェーンもせず開けたから恐ろしいよね。私も寝ぼけてた。)

そしたら、どうやら酔っていたサラリーマンらしくて、「ごめんなさい!」って帰ってったの。

そんなことあるんだ~なんて思って寝たんだけど。

その数日後。また夜中に鍵ガチャガチャされて。さすがに怖くて開けなかったよね。。。

その後はガチャガチャないけれど、あれは怖かった。。。

 

 

・檜

これは…ずっと生きてると思ってたのに、実は自分は過去の事故で死んでいたというオチ…。40年近く、亡くなったことに気づかず生き続ける…というより彷徨い続けるのは悲しいなあ…。

 

 

・杭打ち

因果応報なお話…。

ゴルフコースで男性の自殺遺体を発見する野末。その遺体には陸上用のやり投げ用の槍が刺さっていた。

しかし、どうやらその槍は野末にしか見えていないようだった。

槍の真相を調べるうちに、野末は死んだ男性の妻と出会う。

 

自殺男性は、かつて自分が高額英語教材を売った女性の父親だった。自分が売った高額教材のせいで、彼女は借金を負い、亡くなる。そして、肩代わりした借金が原因で父親も自殺する。

残された奥さんは可哀想だ…。。

ロンギヌスよろしく、最後は許すまじとばかりに野末めがけて一直線に槍が飛んでくるところは、自分だったらと考えると本当に怖いけれどスカっとしたなあ。

そりゃ、得意のやり投げで葬りたくもなるわな…。

 

 

・タクシー

乗ったタクシーの運転手さんが、亡くなった旦那さんとやり取りができる霊界タクシー的な人だったってことかな?

彼との思い出の品が戻ってきてよかったね…。

 

彼が運転中に電話かけて、その電話のせいで事故って死ぬってきつい…。しかも最後の瞬間も電話で聞いちゃうとか…。

不倫は全く良いとは思えないけれど、きちんと離婚して結婚することが出来たのに、そのすぐあとに相手が亡くなるって、残された側は厳しい…。

 

 

・櫓

これ最初歴史系の話かと思って読み飛ばそうか悩んだ…。

 

1564年、戦場で生きたくても生きられなかった吉松。1947年、不遇な境遇のため、自殺を選んだ妙子。

そして2000年。新築の町営アパートで一本の鏑矢が発見されてから、奇妙な出来事が起こり始める。

 

時を超えて、当時同じ土地にいた人々の念が伝わってきたってことなのかな~。事故物件って言うけれど、どの土地だって戦の時代まで遡れば誰かしらが亡くなっているんだろうしね。

戦の時代は生きたくても生きられなかったんだもんな~…

 

 

・見えない糸

これがいわゆるあとがきなんだけれど、このお話のなかで、玄関のチャイムを鳴らされるが誰もおらず、さらにエレベーターが勝手に1階から4階まで止まらずに往復していたってのがとても怖い…

夜中のチャイムほど怖いものない…

このあとがきにかかれている経験談をもとにデフォルメして作られたお話が、「仄暗い水の底から」って書いてありましたキョロキョロ

 

 

夏ももう終わりなので、ホラーは一旦辞めにしようと思います照れ(とか言って澤村さんとか読みたくなっちゃうんだけど…。)

伊坂幸太郎さんの本も頂いたので、頂いた本を読んでいこうかなと!本