51冊目:ひとんち 澤村伊智短編集 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

ひとんち 澤村伊智短編集

澤村伊智

2019/08/13

 

★ひとことまとめ★

少しだけヒヤっとしたい人におすすめ。

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【内容紹介】

世界は本当の姿を隠したままで、決して正体を明かさない。闇はどこまでも絢爛で、現実は色褪せて退屈だ──。恐怖と異形、人間心理の暗部にこだわりぬいて紡いだ全八編。日常が少しずれてできた隙間から、圧倒的な混沌が迎えに来ます。

 

 

【感想】

最近友達と読んだ本について話すことがあったんですが…、自分の精神衛生上やめたほうがいいなぁと思いましたハートブレイク

 

前にもちらっと書きましたが、結局好きな本とかその本を読んだ感想ってその人次第で…それを「いや、これはこうでしょ」みたいに自分との受け止め方の違いを指摘されると、なんだか嫌な気分になるというか…

本当はリアルな友達とは本の話はしたくなかったんですよね。話の流れでそうなってしまったけれど…。

 

オススメの本とかもそれぞれ好みも違うわけだし、この本がいいよ!って例えば勧めたとして、「あ〜、それ中学生の時読んだわ笑」みたいに返されたり、自分が難しいなぁと感じた本を「あれって本読んだことない人向けってくらい優しいよね〜」とか言われたら超不快だし…。

わたしはホラーとかミステリー大好きだけど、「人が死ねばいいんでしょ?」って言われるのも嫌だし…。いや、人は死ぬけどさ…。

 

ブログは正直自分の、ありのままの感想が書ける場所だと思ってるのね。だからこそ「つまらない!」って感想のときもあるし、大好きな本は激推しするし。

自分の好きな本を私が「つまらない」って言ってて不快になったらそっ閉じしてほしいし、心の中で「コイツはアホだ」とでも思っててくれていいんだけど、現実世界だとそうもいかないじゃん。

不快感は顔に出るし、トゲのある攻撃的な言葉にもなるし。

自分も不快になりたくないし、不快にさせたくないから「わかる〜超その本良かったよねぇ爆笑」みたいな上っ面な同意しか出来ないし…。

特に読書好き同士はだめね。お互いの本選びの軸?みたいなのがあるから、それを否定されると本当に不快になる。

 

と、長くなりましたが、私のブログで自分の好きな本が低評価でも気にしないでください!

私とあなたの感じ方が違うだけだから。そっ閉じでもいいし、あなたのブログで「あの本の良さがわからないアホ」みたいに書いてくれても構わないですキョロキョロ

私の感想であり、あなたの本選びの軸を否定しているわけではない…。

自分が結構不快になったので、改めてね…アナウンスをね…。

 

 

 

前置き長くなりました!

久々の澤村さんラブ

短編集です!

 

・ひとんち

学生時代のアルバイト仲間・恵ちゃんと再会し、同じくアルバイト仲間だった香織と連絡を取り、彼女の家にお邪魔することになった歩美。

恵ちゃんの家では麦茶に砂糖を入れていたと言う話から、それぞれの育った家庭環境によって物の呼び方に違いがでたり、風習に違いがあるという話で盛り上がる3人。

しかし恵ちゃんの過去の話、堕胎した話から雲行きが変わる…

 

これほんとヒエッて感じなんだけど、検査の結果子供を堕ろしたってことは恐らくなんらかの障がいを持っていたのかな…?

その堕胎した子供のことを、「ワンちゃん」と呼ぶ香織…かつて香織の家では5匹の「ワンちゃん」がいたという…。

そして今は結婚し、立派な家で夫婦と一人息子と2匹の「ワンちゃん」を飼っている香織…

香織の言う「ワンちゃん」とは…そして今まで2階から聞こえていた物音は犬ではなく…。

ほんとヒエッだけど、最後のページね。歩美、お前もか…。

元彼の名前は稔、そして歩美が飼っている猫はミイくん…、、

幽霊の出てこない怖さはトリハダに近いものがあります滝汗

ちなみにこれが一番わかりやすい怖さというか、気持ち悪さで好き。

 

・夢の行き先

晃はある晩薙刀を持った老婆に追いかけ回される夢を見る。老婆が薙刀を振り上げるところで目が覚めるが、それが三日連続で続いた。三日目以降は夢を見ることがなくなったが、次はクラスメイトの匡がシチュエーションは違うが同じ老婆に追われる夢を見るようになる。

どうやら夢は三日ごとにクラスの席順を進んでいくらしい。また、廊下側からは老婆ではなく青い犬に追いかけられる夢が進んでいるらしい。老婆の夢と青い犬の夢が衝突するとどうなってしまうのか…

 

これは猿夢みたいだな~って思った!三日連続で同じ夢見るって怖いよねえーん

途中まではハラハラ感があったんだけど、オチがう~ん。。びっくりする感じでもなく、というか予想していたよりもだいぶ軽かったというか。あ、そんなもん?みたいな。

 

 

・闇の花園

これはあらすじも書く必要ないと思うけれど…悪魔復活のお話。

もともとの担任が体調不良になったことで、四年二組のクラスを担当することになった吉富大介。クラスには飯降沙汰菜(いぶりさたな)という、身につけるものがほとんど黒でクラスメイトともほとんど接触しない生徒がいた。

沙汰菜がまわりと馴染めないのは母親・飯降瑠綺亜(いぶりるきあ)によるものと考え、なんとか沙汰菜が普通になれるように奔走する大介だが…。

 

もうさ、名前がそもそもね!

沙汰菜=サタナ=サタン=悪魔

これはわかるよね。

たぶん次のは私の予想だけど

飯降=いぶり=イブリース=サタン=悪魔

そんで、

瑠綺亜=ラテン語で女性名、光に由来

 

途中途中に悪魔の一言みたいなのが入るけれど、途中まで瑠綺亜が悪魔と見せかけて実は沙汰菜でした~ってのを期待しているのかなあ?最初から沙汰菜が悪魔だろってわかったんだけれど…。

このお話は一番なんとも思わなかったかもしれない。なくてもよかったかもしれないくらい。

 

 

・ありふれた映像

これもサクッとあらすじ。

真理はパート帰りに寄ったスーパーで、子供たちが食い入るように見ていた販促ビデオを一緒に見てみると、何やら灰色の死体のようなものが写っていた…

販促ビデオの担当をしている夫・俊之に報告したところ、どうやら俊之がチェックした際には写っていなかったとのこと。

その販促ビデオを撮影した監督について調べてみると、過去に撮影した映画が飛び降り自殺を実際に撮影したのではないかと噂されているらしい。

そんなとき、真理はパート先の販促ビデオに出演することになる…。

 

よくわからんけど、その監督が撮影したビデオには不穏なものが映り込むというね。世の中には販促ビデオやCMなんて山程流れていて、普段は気にもしないけれど、一度意識してしまうと気になってしまうというね。まあそんな怖いCMも世の中にはあるのかもねえ…

 

 

宮本くんの手

これもサクッと。

手がいつもガサガサボロボロ血だらけの宮本くん。

偶然なのか、彼の手が荒れたタイミングで大きな地震が起きる。昔にも同じような事があり、宮本くんは地震が起きたのは自分のせいだと感じるようになり始める。

 

まあなんというか、最終的に宮本くんは思い悩み自分の手を電車にぶつけてふっとばしちゃうんですね…。

 

 

シュマシラ

かつて好きで集めていた食玩フィギュア・シュマシラの元になったUMAや妖怪を調べ始める私と柳。

シュマシラのことを色々な人に聞いて回っていると、職場の総務部長・川勝から、UMA愛好家であることをカミングアウトされる。

しばらくして、彼からシュマシラについて情報があったという連絡があり、シュマシラが猿の妖怪だったということがわかる。

その翌月、川勝が行方不明になったという連絡が入り、柳とともに彼の行方不明になった日の足取りを追うことに…。

 

これはフィギュアとかはわりとどうでもいいかなと思ったけれど、UMA、妖怪のお話は比嘉姉妹シリーズみたいでよかったなあ~。

それに個人的に「おっ!?」って思ったのは、迷い込んだ先にあった「伊勢國 ふきめ」「武蔵國 ししりは」って部分!これってふきめ=ぼぎわん=ぶぎめ、ししりは=ししりば??って思ってちょっとワクワクしたキョロキョロ

檻が開いてシュマシラが出てくるのも怖いけれど、ぼぎわんとかししりば出てきても怖いわ。。

 

 

・死神

植松恭平は友人の日岡から、ハムスターとカブトムシと鉢植えと金魚を預かって欲しいと頼まれる。しかし、預かった日から植松のまわりで奇妙なことが起こり始める。

意識が急に飛んだり、ハムスターやカムトムシが死に、目の前で植物が枯れた。日岡の元交際相手から原因は水槽の中身ではないかと言われる。果たして中身は本当に金魚なのか…?

 

これも不気味な話…。水槽の中身は死神ってことだよねえ。結局日岡も植松も死んでしまうしねえ……。

 

 

・じぶんち

サクッと。

スキー合宿の後、自分の家に帰ってきたはずが、家にはいるはずの家族がおらず、ひとつだった物がふたつに増えているなど謎の現象に見舞われる卓也。

一人で家族の帰りを待っている最中、友人の豪から「転送が中途半端」「新しいシステムがこの星の気圧と相性が悪い」「ダブっている状態なものがあるんじゃないか」という謎の電話がかかってくる。

そんなとき、家族が帰ってくるが、そのなかには自分がもうひとりいた…。

 

いわゆる宇宙系というか、どこかの星から転送されてきた卓也たち家族と、転送がうまくいかなくて中途半端に残ってしまった卓也ってことなのかな?

なんか、クローンとかのお話でもあるけれど、自分がオリジナルだと思っていたのに自分が実はクローンだったみたいなのって悲しいよね…。クレヨンしんちゃんのロボとーちゃんのときもそれで悲しくなった気がする…。

 

じぶんちだと思っていた場所は本当にじぶんちなのか…。

自分が自分だと思っていたのに(語彙力)、もうひとりの自分が出てきた上に、自分は消去されるとかつらすぎるよね…。

このお話の場合は卓也家族優しいから良かったけれどお願いラブラブ

 

 

個人的には澤村さんは短編よりも普通に一つの長い作品のほうが好きかなあ~キョロキョロ

次は仄暗い水の底から借りてきたので、それを読もうかな本