14冊目:惑-まどう- | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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惑-まどう-

アミの会(仮) 大崎梢・加納朋子

今野敏・永嶋恵美・法月綸太郎

松尾由美・光原百合・矢崎存美

2019/03/17

 

 

★ひとことまとめ★

作品によってムラがあるかもしれない。

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

淡い恋心、男か女か、宇宙人が来襲!?火事と焼死体への既視感、そして、人生をあの時からやり直すべきか…。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。

 

【感想】

またアミの会(仮)!

前回読んだ、迷-まよう-については

万人受けする感じという印象を受けたんだけれど、

惑-まどう-は作品によってムラがあるというか…

 

そもそも惑うって意味ってなんだ?と思って調べたら…

「惑う」

行く先が見定められず、または、どうしていいか分からずに、

心が混乱する。(Google先生曰く)

 

ちなみに

「迷う」

1.見当を誤り、または見込みが立たず、安定を欠く。

2.心が定まらずゆれ動く状態にある。決断がにぶる。惑う。

3.事が入り乱れ、落ち着きどころを失う。

・進むべき道がわからず、まごつく。

「道に―」「ふと、気が―」。

行き先も不確かなままに歩く。

 「家から―・い出る」

・死者の霊が妄執(もうしゅう)に妨げられて成仏できずにいる。浮かばれない。「亡霊が―・って出る」

・誘惑に負けて心がおぼれる。「女に―」

 

迷うのほうがいろいろな表現があるみたい…。

 

 

・かもしれない(大崎梢)

同僚がミスをして異動(左遷)になったことに対して、子供に読み聞かせている絵本の主人公のように

「もしかしたら」「待てよ」と改めて思い直して真実に近づいていくお話。

自分の考えって経験によって「きっとこうだろう」って思いがちになってくるけれど、

柔軟に発想を膨らませていくことって大事だよね~って思った。

ストーリーはすらすら読めたけれど、社内にウイルスをばらまく人間がいるなら、まず報告するべきだと思うけれど…

ウイルス持ってるだけで犯罪ですよ…

 

 

・砂糖壺は空っぽ(加納朋子)

トランスジェンダーの主人公のお話。

自分の性に対しての惑いっていうのはよかったし、本人の苦悩もすごく伝わってきて大変だなあと感じたけれど、急なお涙頂戴みたいな展開に…うーん。

 

 

・惑星Xからの侵略(松尾由美)

惑わされるという内容でもあり、惑星の惑でもあったわけだけれど、お話の内容としてはう~ん。

読みやすい。けれどそれだけかなあ…

非現実的すぎてなんとも言えないお話だった。

 

 

・迷探偵誕生(法月綸太郎)

このアンソロジーの中で一番読みづらいかもしれない。

シュレディンガーの猫の話が出てきて、読んでいてシュタゲを思い出した…

悪魔と契約してどんな事件でも絶対に失敗しない名探偵になったはいいけれど、

解けない謎が無くなったことで今度は絶対に正解できない迷探偵になるお願いをする話だけれど、いまのルートを選ばなかった自分(失敗ルートの自分)が犠牲になったことってそんなに怒ることかな?だし、お話が難しくてついて行くことが難しかった…

 

 

・ヘンゼルと魔女、赤い椀、喫茶マヨイガ(光原百合)

マヨイガかぶりが来たなと!

光原さんのお話はおとぎ話って感じで読んでいてほっとする気持ちになる。ハッピーエンドだし。

ヘンゼルとグレーテルも、こういう解釈もできるかもしれないしね。

 

 

・最後の望み(矢崎存美)

病院で、あとは死を迎えるだけというところで死神が現れ、最後に一つだけ願い事が叶えられると言われた悦司。

難病にかかり、家族とのつながりも希薄なまま自殺で亡くなった娘を自殺から救うか、はたまた娘との思い出を作るか、

娘が生まれる前の自分に物申しに行くか…悩みに悩んで結論を出す悦司。

 

これは短いけれど、一つのしっかりしたお話を読んだっていう読後感だったな。

結局運命自体は変えられなかったけれど、その他のことは努力で変えられたわけだから、きっと悦司の選んだ選択は間違ってなかったんだろうな。

 

 

・太陽と月が星になる(永嶋恵美)

こちらも惑星の惑。

鬱エンド…。。。最後の2ページですごく憂鬱になった…。

姉のかけた呪いは本物だったのかもしれない。

自分の身も滅ぼして、家族皆をだめにするくらい強力な…

物語として読んでる分には良いんだけれど、事実は小説より奇なりというように、現実にも似た家族や、事例があったら悲しいな…と思いながら読んでました

 

 

・内助(今野敏)

このアンソロジーの中で一番自分としてはうーん、だった作品。

刑事の妻がニュースを見てて急にデジャヴを感じて、

犯人探しをしてく話なんだけれど、違和感だらけなんだよなあ。

 

まず、結婚して何十年も経つのに、夫のことを名字で呼ぶのに

違和感。

まだ「夫は」とかのほうがいい。

あと、子供の会話も違和感。

自分の家族構成と近いから、自分だったらと考えて読んでいたんだけれど、

母親に対して「あら、」とか、「とことん付き合えるわよ」「役に立ったようだな」とか言わないんだよなあ~。

家族全員他人行儀すぎるんだよなあ…

話の内容というよりも、家族の違和感みたいな所に意識が行ってしまって。

 

まあストーリー的にも、急に犯人探しに火がついたのも謎だし…。

警察モノがあまり好きじゃないかもしれない

 

 

 

いろんな作家さんの作品が読めるというところはアミの会(仮)の良いところだけれど、その分合う・合わないがはっきり出てくる印象。

でも面白いことに、私が合わないと思った作家さんの作品が、別の人の感想では「とても良い」だったりするから、自分はその作家さんのどこが苦手なのかを分析する指標にもなる…ような。

 

アンソロジーだと手軽に読めるので通勤なんかの短い時間で一作品読めちゃうんで好きですニコ