15冊目:捨てる | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

捨てる

アミの会(仮)

 大崎梢・柴田よしき・福田和代

近藤史恵・永嶋恵美・松村比呂美

篠田真由美・新津きよみ・光原百合

2019/03/29

 

 

★ひとことまとめ★

いらないもの捨てようという気持ちになりました

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

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【感想】

またまたまたアミの会(仮)!

Amazonの内容紹介がここまで短いのは初めてw

もっと書くことあるだろうにww

 

・箱の中身は(大崎梢)

フォトスタジオで働く主人公が、仕事の用事の途中で通った公園で出会った小学生の女の子とのやりとり。

お母さんに捨ててこいと言われたことで、箱の中の"何か"を捨てに来た女の子。箱の中身を見せてくれない女の子、箱の中身が何なのか気になり女の子に質問をしていく。

うーん、日常のほんわかした風景、やり取りって感じなんだけれど、いまいち盛り上がりに欠けるかなあ。

子供とのおしゃべりってこんな感じだよな~って思いながら読んだけれど、私には子供がいないんだあキョロキョロ

 

 

・蜜腺(松村比呂美)

義母が先物取引で借金を作ったせいで、その借金を補填するために自殺してしまった夫を持つ梓。

実の息子が亡くなったにもかかわらず、未だ先物取引から目を覚まさない義母。挙句の果てに、夫が自殺したのは梓のせいだと言う。

そんな義母でも様子を見なくてはならないため、日々食事や栄養ドリンクを持参する梓。

息子は大学に上がり家を出て、職場ではお局から嫌がらせ…。

ここだけだとすごくいい嫁だし、可哀想な嫁なんだけど、途中で出てくる夫の趣味がのちのち関係してくるんだけど、うげえって感じ…。

うげえって感じなんだけれど、悪意に満ちてる感じではなくて、切なさと言うか、はあ、ってため息つきたくなる感じ。

松村さんいいな~。読みやすいし、ちょっとだけダークな感じが好き。

 

 

・捨ててもらっていいですか?(福田和代)

う~ん。祖父の遺品整理中に戦時中の拳銃が出てきて、ワタワタするお話なんだけど、なんだかなあ、、。

弟のサバゲー仲間が拳銃を見てくれることになり、見てもらうんだけどそのままそいつが拳銃持ってっちゃうんだけど、うーん。

軽いノリで「通報するよっ」って感じのやり取りするし、相手は「こっちで処分してあげますよ」とか言うし、なんか非常識同士の会話が続いて、読んでいて「なーにやってんだ」っていう感情にしかならなかった…。

途中途中に彼氏から連絡がきて、プロポーズの前触れみたいなのも織り交ぜてくるんだけど、家族とのつながり?遺品整理、自分が死ぬときに残ったものを捨ててくれる人がいる大切さ?に主人公が気づき、幸福感キラキラみたいな終わり方だけど、うーん、、

そこまで伝わってくるものはなかったかなあ…。

 

 

・forget me not(篠田真由美)

物、子供のころのお絵かきとか作品、思い出の品みたいなものに全く必要性、重要性感じない人っているよね。

ミニマリストって感じかな。

母親の残した謎の壺、「忘れな壺」。それを処分するか否か迷い、骨董品店に持っていきそこの女主とのやり取りの話。「忘れな壺」とはなんなのかとか、処分するしないの話なんだけど、うーん。ただ趣味とかを楽しみ生きてきた女性が、そんな「忘れな壺」作るか…?

結局主人公目線の解釈で終わって、中に何が入ってるのかとかはわからない終わり方。

すっきり、きっぱりな終わり方が好きな自分としては、ちょっと消化不良な感じ…。

 

 

・四つの掌編(光原百合)

掌編(しょうへん)ってどういう意味か知らなかったんだけど、短編よりももっと短い、ショートショートみたいな意味とのこと。

「戻る人形」は普通にホラー、よくある人形を捨てたのにまた同じ場所に戻ってくるというお話。

ああ、和解できたのかな…って思ったら最後の終わり方…。

この短い中でよくこのゾワっと感、いや~な感じができるなあと尊敬。

 

「ツバメたち」は、オスカー・ワイルドの「幸福な王子」の王子の像と一羽のツバメとのやり取りをもとにしたお話だけど、解釈・見方が違うだけでいい話だな~感動ってお話が一気にため息の出るような、残念感というか、ひねくれ感というか、そういう方向に転じてしまうんだなと。

「バー・スイートメモリーへようこそ」はバーの男女がマスターと会話をしているんだけど、男の話と女の話がほぼ同じで、同時にマスターに話してるの?時間軸がわからないなあと思っていたけれど、タイトルの通りだよね。全部思い出が回顧されてただけという。

「夢捨て場」これは世にも奇妙な物語でありそうな感じだな~。なんとなく進んでいった路地にあった、まるで墓地のようなゴミ捨て場。そこにはいろんな人がいろいろなものを捨てに来るけど、それはただのゴミではなく、あきらめた夢というもの…。哀愁感の漂うお話だった。

星新一みたいなショートショートも好きだけど、光原さんのショートショートも好き。短いから読みやすいのに、ストーリーもしっかりしていてよいグラサンハート

 

 

・お守り(新津きよみ)

不思議な力を持つ祖母から、効果が永遠に続くと言われた手作りのお守りをもらった純子。はじめは効果は信じていなかったが、信じて身につけ続けたことで、そのお守りのおかげなのかだいたいのことは望み通りに進んでいく。

いろいろあって、お守りの中身がすり替えられたのかもしれないということが起こるんだけど、私お守りの中身が変えられてもそのまま身につけ続けそうw

というか、人のお守りの中身を開けて見るやつっているか?いくら飲みの席でも。しかも、すり替えられた中身が「覚せい剤」って考えにつながるのがすごいw

結局、お守りの中身はなんだったんだろうか。

中身は捨てるにしろ、おばあちゃんの形見と考えたら、私だったら外見までは捨てずに持っておくなあ。

結局お守りも宗教とかも同じだけど、あまりに信じすぎると自分の努力のおかげなのか、お守りとか宗教とかのおかげなのかわからなくなってくるよね。

良いときはお守りのおかげ、悪いときは自分のせいとか、お守りの効果がないのかもとか。あんまり信仰のしすぎって良くないと思っちゃうな~。

 

 

・ババ抜き(永嶋恵美)

これは短編でありつつも女同士のドロドロがすごいです。

はじめは会社のお局3人の旅行で、ただトランプゲームしてるだけかと思ったけど、負けた人が罰ゲームとして秘密を暴露っていう所から話の流れが変わっていく…。。

ドロドロどころかもう殺される寸前…。

そして主人公用意周到すぎる…。アサシンかなにかだったんですか…?

このお話のなかでなるほどなあと思ったのは

「名前を出して悪口を言ってしまったら、その場はすっきりするかもしれないけれども、相手への嫌悪感が余計に強くなる。(中略)だから、決してその名前を口にしない。言葉にしなければ、ないのと同じ。目の前にあっても、視界の外に追い払ってしまえる。」(P211)

「言葉にさえしなければ。賛同するでもなく、反論するでもなく、ただその場に居続ける。そうすれば、悪口の”におい”も残らない。悪口を言った側、言われた側、どちらも敵に回さずにすむ。」(P215)

なるほどなあとも思うし、どっちも敵に回してないようでどちらからも敵と思われる可能性もあるんじゃ…?卑怯なコウモリみたいに思われる可能性あるよね。傍観者が一番タチ悪いよね~いじめにしろなんでも。

 

 

・幸せのお手本(近藤史恵)

祖母を幸せの手本、結婚の手本にして、祖母のいうことに従って自分の感じた違和感とかを無視して生活していく樹里。

祖母を目標にして、同じようになるという志だけで生きている感じ。

自己中というか自分勝手というか、相手の気持ちを深く考えない性格なのか?そのせいで友達からも疎遠にされてしまう。

こういう人って言われないとわからないのかね?

樹里に関しては言われてもわかってないけれど。自分の脳みそで考えることを放棄してるから、こんな結末になったのでは?と少し自業自得感がある。ゲームのBADENDって感じ。

結局、なんでこんなことになっちゃったんだろう、みたいに思う人ほど自分に原因があったりするんだよね。

それは人に思うだけじゃなくて、過去を顧みて自分に対しても感じることだけれど。

なんで幸せになれないんだ?ややこしくなったんだ?って樹里は考えてるけど、自分の人生なのに自分で考えることを放棄して、人の人生のコピーみたいな生き方してるからそうなことになったんだろうとしか思えぬ…。だいたい祖母を目標にしたって、時代も結婚相手も違うんだから、同じように生きられるわけがないんだよね。安直な考えすぎます真顔

 

 

・花子さんと、捨てられた白い花の冒険(柴田よしき)

なんか話の始まりではこの話の終わり方が予想できなかったわ。

よく言えば予想外なんだけど、そんなことあります…???って非現実的だったかな。自分の家庭の話、離婚しそうな友人の話、近所の異常な夫婦の話が織り交ざり、夫婦について、愛について主人公は考える。

「なぜ、愛はうつろってしまうのだろう。心はかわってゆくのだろう。」(P304)

最初っからDVしてる人もいるけれど、多くはしばらく年月が経ってからDVになるよね。

どうして人の気持ちは変わっちゃうんだろうねえ。好きで一緒にいたいと思った気持ちが変わってっちゃうんだろう。

いつまでも好きでいたい、いつまでも仲良しでいたいのにね。

ずっとお互いそう思い会えるひとに出会いたいものですショボーン

 

 

アミの会(仮)をだいたい読んできたので、読みたいと思う作者さん、私は読みづらいなって思う作者さんがわかってきたハート

いいなあと思う作者さん探しにはアンソロジーがおすすめですね!