恐怖小説キリカ
澤村伊智
2018/12/26
★ひとことまとめ★
どこまで本当なのかフィクションなのか…
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
本当にごめんなさい。日本ホラー小説大賞は、ついうっかり「本物」を世に
出してしまいました。
澤村さん、〇〇を本当に〇〇のは止めましょうよ。――貴志祐介
『ぼぎわんが、来る』、『ずうのめ人形』でエンタメ小説界を震撼させた
澤村伊智が、スティーヴン・キングの傑作『ミザリー』に挑む!
人間が一番怖い――。
あなたの日常を侵食する究極のサイコ・サスペンス!
ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣には支えてくれる最愛の妻・キリカ。
順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、嫌がらせを
はじめる。ストーカー行為、誹謗中傷の手紙、最悪の贈り物。
やがて不幸(ミザリー)は、僕とキリカのとある「秘密」を暴き出すが――
【感想】
このお話は、作中にも出てくるように、まるで本当のことかの
ような書き方、フェイクドキュメンタリーの形で進んでいくので
読み始めはこの作品はフィクションなのか?本当なのか?
と翻弄された。
もちろん、フィクションであってほしいし、そうだろうけれど
自分の小説に対するマイナスなレビューをした者を酷い殺し方
で殺していく部分では、思わず自分はマイナスなレビューを
していなかっただろうか?と思ってしまった…。
というか、作家さんって自分の小説のレビューとか読むのだろうか?
こき下ろすような悪評の場合は、やっぱり憎く思うのかな?
それとも気にしないのかな?人それぞれか。
気にしてたら自分らしい作品が書けなくなっていくしなあ…
いま書いてて思い出したけれど、フェイクドキュメンタリーって
いう点では真梨幸子さんの「私が失敗した理由は」も似たような感じだったよね。
皆殺しみたいなところも…。
一番怖いのは人間、というフレーズ通り、ぼぎわんを読んだ友人の副島も怖いんだけれど、そんなのは序の口で、それからが怖いと言うより、スプラッタ的な…。
終わり方はホラー特有の、バッドエンド、なのかな?
本当の澤村さんはどんなかたなんだろうと思ったな。
これが本当にフェイクドキュメンタリーでありますように…。
読んでて鬱々とするし、ホラー&スプラッタ小説という感じなので苦手な人は読まないほうが良いかも。