ししりばの家
澤村伊智
2019/01/01
★ひとことまとめ★
人も霊も爆弾さえも処理してくれるホームセキュリティ…
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
いま最も注目を集めるエンタメ界の鬼才・澤村伊智が放つノンストップホラー
夫の転勤先の東京で幼馴染の平岩と再会した果歩。しかし招かれた平岩家は、不気味な砂が散る家だった。怪異の存在を訴える果歩に異常はないと断言する平岩。はたして本当に、この家に「怪異」は存在するのか――
【感想】
あけましておめでとうございます。
昨年は最終的に読んだ冊数は「101冊」で終わりました。
昨年末は、今月末にある資格試験の勉強をしていたので恐怖小説キリカ以降全く本を読みませんでした。
一昨年は100冊読むことを目標に読んでいたのに100冊に届かなかったんですが、
今年はあまり冊数を気にせず読んでいて到達したので、本を継続して読むということが習慣づいてきたのかなと
思ってます◎
本年も読みたい本を読んで感想ガシガシ書いていくのでよろしくおねがいします。
さて本題。
比嘉姉妹シリーズ。ずうのめ人形読みたかったんですがししりばの家が先に手に入ったので。
ストーリーは、幽霊(ししりば)がいると言われる家にまつわるお話。
ししりばは家、そして家主を守る最強ホームセキュリティ。
幽霊も、人も、爆弾さえも防いでしまう。
2つの軸があって、1つは旦那の転勤で東京に来た笹倉果歩と、偶然東京で再会した果歩の小中の幼馴染の平岩敏明との話。
まあざっくり言うとこの敏明が、ししりばがいると言われる家に住んでます。
果歩の軸では、
果歩は自分の日常に対する不満から、幼馴染である敏明と、その妻・梓と、敏明の祖母・淑恵が3人で暮らす家に遊びに行く。
そこで目撃した、床に積もっている砂。
聞こえてくる女の泣き声。
実は敏明は不倫をしていて、不倫相手からは生霊を飛ばすという旨が書かれた血文字の手紙が届いていた。
敏明に不倫を認めさせ、不倫相手と関係を終わらせてくるよう迫る梓。
敏明が不倫相手と会っている頃、果歩・梓・淑恵は不倫相手の生霊に襲われるが、ギリギリのところで生霊が消える。
不倫相手は自殺未遂の末植物状態になっており、生霊が消えた同時刻、敏明の目の前で息を引き取った。
生霊が消えたにもかかわらず、未だ平岩家には砂が降り積もっている。
不安に思った果歩は二人に尋ねるも、二人は砂があることを当たり前と思っているようだ…。
ししりばは幽霊もやっつけるはずですが、最初の方普通に生霊の霊障起きてましたよね。
最終的には退治されたけど。
これもししりばの誤作動なのかな?全然防げていないですよね。
少し気になったのは、生霊について聞いたときのお坊さんの表現の仕方ついて。
お坊さんが呪いがかかっていた代物をみて、「OSがアンインストール」
「バッテリー切れ」
「物理破損」
とか言う表現をするのか?と思いました
自分はわかりましたが、人によってはわかりづらいですよね。
急にお坊さん現代感出してきた。
あの家はおかしいから行くなと何度も夫・勇大に言われているのに、それでも連絡をとり続け家に行く果歩。
家で一人でいるのが嫌、趣味とかもない、でも外に出てやることもない、断り文句のために働きたい、だから平岩家に行っちゃう、という自分が全くないのかと言いたくなります。。
つべこべ言わずに連絡を絶てば良いだろうと思ってしまいます。
この時点でししりばの影響を受けていたのかもしれないけれど、ししりばも家を守りたいなら果歩が来ないようにすればいいのに…
そして結果ししりばによってコントロールされている平岩夫妻に勇大まで殺されてしまう…。
勇大死に損すぎる。。。
初めこそ仕事ばかりで果歩に歩み寄らない夫だったけれど、果歩の体調が悪いときは仕事休んだり早く帰ってきて看病もしてくれたのに。。
平岩家についても調べて散々忠告してくれていたのに。。
てかあと老婆はなんで死んだの…。ただ本当に心臓発作的な?
ししりばに関係があるんだかないんだかわからない部分が多い。
もう1つの軸は、小学生の時にししりば屋敷に行って以来ししりばに壊され続けている五十嵐哲也と、当時哲也と一緒に屋敷に行き、影響を受けた比嘉琴子の話。
小学生時代の話はあの比嘉琴子ということをすっかり忘れてしまったほど、琴子の印象が全く違う。
怖がりで、常にビクビクして人の目を気にしている臆病な子。
ししりば宅に行って寝込んで治ってから、見え方考え方がすっかり変わり、今のような冷静沈着な琴子になった。
琴子は逆にししりばに影響されてよかったのかも。
哲也はあの家に行ってししりばに壊されかけてから、頭の中に砂があるような感覚がずっと続き、話そうとすると口の中に砂の味がするという。
これ絶対なりたくないです…狂うよね。
狂い続けて十数年経ったある日、琴子が訪ねてきて、「頭の砂を取り払う」と言われる。
そして、琴子と一緒に平岩邸に行ってししりばと対決する…。
ししりば、元は師後庭(ししりば)さんの家にいた何か。家主、主に子供を守るため、戦争の際の爆弾でさえ消滅させてしまう。
しかし、爆弾を消滅させたことで長い眠りに着き、現代に目覚めた。
昔は住人にとってとてもいい霊だったのかもしれないけれど、爆弾の影響なのか、誤作動してしまったししりばは本当に厄介です…。
住人も守れない、外敵は退ければいいのに殺す、住人が減ったらよそ者(老婆)でもいいから補充して家族ごっこさせるし…。
迷惑だ…。
哲也が犬飼っていなかったら完全に負けてましたね。
ところどころ「ししりばの誤作動」まかせな部分もあったかなと思いましたが、最後の果歩の部分で嫌〜な気持ちにさせてくれました。(褒めてる)
琴子、もう果歩は手遅れだ…。
ハードカバーの表紙の内側、1枚めくってタイトルのページが砂っぽい色味&ザラザラした質感で砂のようで、お話にマッチしていてよかったです!
よく考えて作られてるな〜
ずうのめ人形早く読みたいな~