ユートピア
湊かなえ
2018/12/25
★ひとことまとめ★
湊さんにしてはパンチが少ないかも?
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
善意は、悪意より恐ろしい。
足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、母親たちが
ボランティア基金「クララの翼」を設立。
しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。
湊かなえが放つ、心理サスペンスの決定版。
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。
「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの
理想郷を探すが――。
【感想】
記念すべき100冊目はお客様がくれたこの本にしようと決めていて!
でも、お客様からは「うーん、なんだかイマイチだったわよ」
と言われていたので、どうだろうなと思いながら読みました。
一言言うと、たしかにいまいち。
交通事故で車椅子生活の娘・久美香を持つ菜々子、
久美香を助けたことで怪我をし消えない傷が残った彩也子を娘に
持つ光稀、陶芸家のすみれ。
港町の鼻崎町で、町おこしのための「花咲き祭り」を行うために、すみれたちはそれぞれ準備をしていくところから話は始まるんだけれど、その花咲き祭りで起こった事故によって
娘たちの久美香、彩也子を取り巻く環境や、菜々子たち親の
心境も変わっていく。
すみれが作った翼のモチーフを久美香、彩也子が互いが持つようになり、彩也子の久美香のことを書いた詩が新聞に載ったことから、すみれの翼のモチーフが注目される。
そして、すみれたちは「クララの翼」という、ボランティア目的のブランドを立ち上げる。
ってお話なんだけれど、それぞれの心情がわりと早いテンポで
変わる変わる来るから、誰の番?ってなる時があった。
あと、みんながみんないろいろ全然方向性の違う気持ちを持っているから、誰にも感情移入できないというか、
どれもインパクトがないと言うか…
登場人物も多くて誰だ?ってなるときがあったなあ。
芸術村の人たち。
結局、最後もう~ん?という終わり方。
マッチが使えるようになったのは見せたいことなのか…?
殺人犯がいるってくだりは、怒りを思い出したなあ~
なんかいろいろと盛り込みすぎていて、どこにフォーカスを当てて読んで良いのかがわからない作品だったかも。
湊さん特有の、所謂嫌ミスみたいな感じはまったくなかった。
読み進めやすかったけれど、盛り上がりがなくてずっと同じような調子(単調というわけでもないけれど)だったかな。
お客様がいまいちって言う気持ちもわかった。