95冊目:ヴァニティ① | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

ヴァニティ

唯川恵

2018/12/18

 

 

★ひとことまとめ★

女性なら誰でも共感できるはず!

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

「こんなはずじゃなかった」--悩みながら、泣きながら戦っているすべての“彼女”たちのために。(><)女性読者かカバーも帯もない文芸誌のような造本の「唯川恵ひとり雑誌」。バッグに放り込んで良し、丸めて手に持ち歩いて良し、女子必携の1冊。圧倒的な支持を受ける唯川恵が、アンソロジー等に執筆した中短編をまとめた傑作集。恋愛。結婚。仕事。浮気。不倫。出会いと別れ。女同士の友情。嫉妬--。女の数だけ、ドラマがある。幸せになる女がいれば、不幸になる女もいる。

 

 

【感想】

前に書店で見かけた時に読もうと思ってからずっと読んでいなかったので。

「はじめに」を含め、お話はすべて良かったんだけど、それだけじゃなくて、本の終わりに唯川さんの書いた「おわりに」があるんだけれど、その部分もとてもよかった!

 

「カバーも帯も使わず、軽装で、バッグの中に簡単に放り込め、

くるっと丸めて手に持つこともできる、ある意味、雑誌に近い、

そんな本にしたかった。

大切に本棚に並べてもらえるのも有り難いが、時には端っこが

折れたり、紙がくしゃくしゃになっても構わない、朝ベッドで

目覚めたら自分の身体の下で潰れていた、そんな本があっても

いいのではないかと考えたのだ。」

 

手に取ってみればわかるんだけれど、洋書のような感じ。

柔らかくて、紙もつるつるした感じじゃなくて、ざらついた

感じの。

ハードカバーの本も好きなんだけれど、この本は軽くって

読みやすいんだよね。まさに電車とか、夜なんとなく読書するときのお供みたいな感じ。

 

どのお話もとってもよかったけれど、特によかったもの以外は手短にしようと思います!

 

・ごめん

「男にとっての二十七歳と、女にとってのそれは、ぜんぜん重みが違う。」(P9)

ほんとそれ!男性はまだまだこれからだよね~。仕事だって、

ようやく慣れてきて、後輩ができて、まだまだいろいろ楽しみたいと思うのもわかる。でも、女性はそうもいかないのも身に染みてわかる。

 

ずっと付き合ってきて、このまま結婚するんだと思った彼との破局。それも、相手には新しい恋人がいる上に、その恋人と結婚。

子供までいて、方や自分は一人。

なにか仕返ししたくなる気持ちもよくわかる。でも、結局それもむなしいんだよね。仕返ししたのに、それでも相手が幸せそうだったりすると、なおさら。

自分は何やってたんだろうってなるよね~。。。

 

 

・anniversary

結婚っていいなって思うけれど、今幸せならわざわざ”結婚”

しなくてもいいんじゃないのって気持ちもわかる。

結婚となるといろいろあるわけだし、両家の付き合いとか、

仕事はどうするとか、いろいろ。

男性側も責任が…とかで二の足踏んだりするし。

 

それでも、やっぱり人の結婚式に出席させてもらうと、

「ああ、結婚っていいなあ」って思うんだよね~。

ただ付き合っているだけと、法律上でも夫婦と認められた二人は

似ているようだけど全然違うんだなと個人的には思う。

 

この人を守りたいと思う気持ちかあ。

一度だけあったなあ。またそんな風に思える人と出会えたらいいなあ!

 

 

・プラチナリング

やっぱり不倫はだめだなと思うお話…。

不倫する側は恋愛ドラマみたいな最中なんだろうけれど、

された側は夫を奪われ、子供の父親を奪われたわけだからね。

しかも男側から迫ったわけじゃなく、既婚と知った上で女から

ほぼほぼ強引にだし…。(それでも男も断るべきだと思うが)

 

それ相応の覚悟をした上で不倫してるんだろうから、

両親にその事実をチクられようが、

会社にも垂れ込まれようが、文句は言えないよね?

っていう奥さん…強い…

 

でもそのくらいしないと気が済まないよね。

だって夫を奪われて、きっと二人は幸せそうにそのまま結婚する、そんなのみすみす許すわけがないよね。

社会的制裁くらい食らわせたっていいだろと思うわ。

堂々と不倫してる~☆とか宣ってる世の中の人々も相手から

これくらいのことされる覚悟をした方がいいよね。

まあお花畑でわからんのだろうな。

結局、既婚者って旦那さん・奥さんの後ろ盾があるからこそ輝いて見える場合もあるからね。帰る場所があるという余裕。

それがなくなって、輝きがなくなったときに、それでも

その人に魅力を感じるのかどうかだよね。

このお話の場合は感じているようだけれど、それでも現実は

かなりきついだろうなあ。本当に、すべて捨てるつもりじゃないとだめだよね。

 

 

・午前10時に空を見る

方や子持ちの専業主婦。方やバリキャリウーマン。

 

「自分で決めた道なのに、別の道を選んだ人を見ると、

不安になってしまう。私、本当にこれでよかったのかなって。」(P60)

いまの自分に特別不満があるわけでもないし、いまだってそこそこ充実している。でも、自分とは全然違う道を選んだ人を見ると

もし私もああだったら…って思ってしまうし、

自分が手にしていないものの方が良く見えるというか。

相手の選んだ道にだって、苦労や困難はたくさんあるけれど、

どうしてもそこには目がいかなくて、良い部分ばかり目についちゃうよね~。

 

女性なら大体が共感するんじゃないかな。もし、結婚していたら。もし、結婚していなかったら。もし、子供がいたら。

もし子供がいなかったら。もし、仕事を続けていたら。

もし、仕事を辞めていたら。いろんなもし、があるよな~。

 

 

・彼女の躓き

いや~これはブラックジョーク的な黒さのお話だった。

友達に対するいままでの鬱憤を晴らすために、自分のDV彼氏を

略奪させる計画。昔自分の彼氏を略奪した女なんだから、今回もきっとそうすると踏んで、そしてその通りに事が運び二人は結婚する。

自分は当時友達が付き合っていた彼氏とうまくいき、そのまま結婚をする。

すべてがうまくいったはずなのに、はずなのに…ってお話。

 

女同士の友情のもろさ(といっても一方がほぼ悪いが)とか

妬み嫉みとか、ダークな部分が全面的に出ていて、

女って怖いよな~って男に言われるのはこういう部分だよなと感じた。

 

結局お互いがお互いのこと友達なんて思ってなかったわけだよね。結婚までしちゃったんだから大変だよね…

 

 

・フォー・シーズン

不倫したけど不倫からは足洗ったって感じのお話かな?

不倫中の人ってこんな感じなんだろうね!運命的な、抗えない…

みたいな。いや、抗えよ。不貞行為ですよ…。

 

 

・婚前

これ面白かった~!謎の1本のビデオをめぐってのお互いの焦り。あるよね。もしや自分のあのときの動画…?って思うよね。

お互いもやもや考えまくった結果全然違ったからよかったねと思った。

地味に怖いよね。絶対相手に見られちゃいけないって思うよね。

でもお互いがそう思ってるからなかなか言葉にも行動にもできないしねww

 

 

・PM8:00オフィスにて

「初対面の相手と顔を合わせ『こんにちは』から始まって

『趣味は?』とか『出身は?』とか『休みは何してる?』とか

『最近観た映画は?』なんて話をひととおり終えると、

あとは何を話していいのかわからなくなる。

周りはそれなりに楽しく盛り上がっているというのに、

どこか場違いなところにいるような気がしてきて、

一人でいるときよりも孤独な気持ちになってしまう。

恋人は欲しい。欲しいけれど、恋ってどんな風に始まるもの

だったのだろう。そんなことさえ思い出せない。」(P116)

 

もう、それな。しか出てこない。

学生の頃の恋愛とかとは全く違うわけじゃん?

そもそもスタートの仕方さえわからなくなってきている…。

そういう意味だと社内は学校に近いのかな。

毎日顔を合わせて、仕事を通してその人の内面とかが見えてくるわけだからね。

下手に合コンいくよりは、良い人がいるなら社内恋愛でもいいんじゃないかとは思うけれど、うまくいかなかった場合が面倒そうだよなあ。

 

 

長いので②に分けます。