80冊目:掲載禁止 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

掲載禁止

長江俊和

2018/10/27

 
 

 

★ひとことまとめ★

終始騙されっぱなしです。

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】

とびきりの謎、五連発、最凶の「禁止フェスティバル」開宴! しかも、切れ味は本格派! 熱狂的なカルトを生んだ深夜番組「放送禁止」。読書界の度肝を抜いた『出版禁止』。「禁止」界日本代表、長江俊和が放つ待望の最新作、いよいよ刊行! 人間が「死ぬ瞬間」を目撃させるツアー、歪んだ愛が誘う天井裏の悪魔、完全犯罪の遂行者だけが知る真実――。期待を裏切らない恐怖と驚愕がみっしり詰まった作品集!

 

 

【感想】

こちらも王様のブランチの本で紹介されていた作品◎

 

どのお話を読むときも共通して思っていたことは、絶対に騙されるので語り手を信用しないということ。

 

・原罪SHOW

大金を払えば、人の死を見ることのできるツアーというものが存在する。報道番組の企画として取り上げるため、潜入取材を行うことになった私。ツアーでは、確かに男性が殺害される現場を目にすることができた。さらに、その殺害現場が事実だったことを裏付けるように、全く同じ内容のニュース速報も入った来た。

なぜ、ツアー主催者は男性が殺害される日時がわかったのか?それはあらかじめ、仕組まれたものではなかったのか?主催者が仕組んだものではなかったのか?私は、ダメ元で主催者にインタビューの申し出をした・・・

 

このお話はやはり語り手が誰なのかを考えて読まないと、最後にそう来たか!!!と騙されるね。気をつけて読んでいたつもりだったけれど、やっぱり騙された~。映像だと難しいけれど、文章だからこそ騙される書き方だよね。

 

 

・マンションサイコ

別れた彼を観察するために、彼の住むマンションの天井に潜み暮らしている祥子。彼が留守の間、祥子は彼の部屋で痕跡を残さないように気をつけながら生活をする。ただ、そんなあるとき、彼に新しい彼女ができ、彼はその彼女と結婚をしてしまう。

しかし、どうやら彼女は彼の保険金目当てで結婚をしただけであり、彼の殺害計画を盗み聞きしてしまう。

 

ちょっと、これ以上あらすじを書くと内容がわかってしまうから書かないけれど、祥子のパートと、妻のパートに分かれていて、それぞれの視点で話が進んでいくんだけれど、大切なのは、それぞれの視点というのは果たして同じ時間軸なのかということ。妻というのが、誰の妻なのかというのがポイントだよね~。もう人を騙すための書き方だから、絶対騙されるんだけれど、ああ、そういう騙し方をするのね~っていう感じ。

 

 

・杜の囚人

このお話は、孝雄と、その妹の美知瑠が別荘で2人で暮らすあいだのお話。その生活を美知瑠はビデオカメラで撮影し続ける。なぜ美知瑠は撮影を続けるのか?なぜ二人はこの別荘にくることになったのか…?

 

これは何ともあらすじが書きづらい…というか、騙し&騙し&騙しって感じで、実はこうで、でも本当はこうじゃなくて、でもでも本当はもっと違って、みたいな感じで、わけわからんってちょっと読みながらなってきてしまった。。

二人は実は兄妹なんかではなく、ある事件の関係者で、美知瑠はその事件の真相を追い続けていて、けれど実は…そしてさらに…みたいに盛沢山すぎてちょっとよんでて疲れた。結局なんだったんだこれは???ってオチ見てもしばらくわからなくて誰が誰なんですかね???ってなったよ。

 

 

・斯して、完全犯罪は遂行された

私は、学生時代希和子という女性と交際をしていた。しかし、私のかつての親友のワタルに希和子を奪われ、それ以来私は独身でいる。

当時ワタルは美大生で、自らを天才と評し、デッサンのモデルのためと称し女性を誘い、あらゆる手で女性を誘惑していた。私がワタルを批判したことで、ワタルは希和子に手を出したのだった。その後ワタルは希和子と結婚したが、結婚したあとも多くの女性をたぶらかしていた。

それから十五年がたったある日、希和子が自分のもとに帰ってきた。

 

ってのは本当のただの前半のあらすじって感じなんだけれど、私も騙されているし、希和子も騙されているし、そんな希和子をだましているワタルも騙されているという…。結局、ワタルをだましている人から、実際に犯行を行った「私」までが遠すぎて、警察もさすがに追えないよね?関係性だってわかるわけないよね?てことは完全犯罪になるよねということ。実際これだけ遠かったら捕まらないんですかね。

自分がいた証拠を残さなければいいんですかね。

 

 

・掲載禁止

「品格を守る会」突如街角に出現し、”世直し”と称して、公序良俗に反する行為に鉄槌を下す。注意から始まり、時には暴力、そして時には…そんな品格会の代表”タナカ”に密着取材をする…。という体で、やらせの動画を撮る。

だが、品格会の事務所にいくことになってから、事態は思わぬ方向へ進んでいく。事務所にはぐるぐるにロープで縛られた人間が…品格会とはやらせではなかったのか?品格会は実際に存在するのか?”タナカ”は偽のスタッフではなかったのか…?

 

これも読み終わった後カメラ撮ってたのが誰だったんでしたっけ????って感じで、冒頭から読み直した。。。というか、この作品はすべてにおいてどんどん人殺されていくんだけれど、よくばれないね???いや、ばれてるのもあるけどさ。

あと、ちょっと前までホームレスだったおじいさんが少し演技練習しただけで刀で人を切れるんですかね????刀ってそんなに簡単に扱える凶器なの???

でも品格会ってのはありそうだよね~。むしろあってほしい。特に今回の渋谷のハロウィン的なところで成敗してほしいよ~。

 

 

感想の始めでも言ったけれど、読み手が絶対騙されるように書かれているから、どんなに疑ってかかって読んでも騙されるからさ。だって急に全然関係なかった登場人物D、E的な人がつじつま合わせ的にでてくるからね。別に悪いとは言わないし、つまらないわけでもない。

でも、強引なつじつま合わせだなあと感じるお話はいくつかあったなってだけ。

放送禁止シリーズ楽しかったし、もう一冊の「出版禁止」も読んでみようと思っています!