心配しないでモンスター
平安寿子
★ひとことまとめ★
いろんな人の人生を垣間見た感じ!
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
丘の上の馬鹿(フール・オン・ザ・ヒル)みたいに超然と老いたいのに、じたばたするばかりの金森カナエ(59)。舟唄ばりの不倫にどっぷりな桑原カオル(32)。ピンク・レディーのコスプレにはまった落合光弘(26)……。さえない、うまくやれない自分だけど、背中を押すテーマソングがある。軽妙なシニカルさと温かい視線が描き出す、9人の物語。
【感想】
またまたまたまたまた平さん。
一個一個のお話のあらすじを書く気分ではないのでざっくりと。
出てくる9人はまったくの赤の他人ということではなくて、前のお話にもちょびっと登場している。くまちゃんみたいな感じだね。
どのお話も読みやすくておもしろいけど、その中でも気になったお話、というか考えてしまったお話は、「丘の上の馬鹿になりたい」かなあ。
女の子から、お姉さん、おばさん、おばあさんになること。いつからか自分のことをおばさん、おばあさんだと自覚するというのは、なんだか悲しいなあ。
今できていることも、しばらく経つとできなくなっていって、例えば目が見えなくなってきたり、何もないところで躓いたり、少し走るだけで疲れちゃったり…。そういう、自分の老いに向きあう、老いから目をそらしたくなる気持ちについてのお話で、読んでいて少し考えてしまったかなあ。
20代後半になって、もう少しで30代という年になって、自分でも老いを感じる。体の節々が痛いとか、傷が治りづらいとか、無理ができなくなってきたところとか、、、機械じゃないけれど、、経年劣化だなあと感じる。そりゃ、20数年もこの体なわけだから、不調もでるよね。
でも、これからどんどん不調が増えていって、おばさんと呼ばれる年になって、さらにおばあさんと自覚する日が来て…そう考えると、すごく老いに対して抗いたいというか…。若々しくいたいなあと思う。
でもなあ、同じような話でも、なんか「真夏の果実はかじりかけ」の陽介は気持ち悪いなあ。いい年して、若い女の子とデートしたい、イチャイチャしたいと目論むおじさんとか、やだなって思う。これは男女差別だろうか…。
平さんのお話はちょいちょい胸にぐさっとくるからなあ。それがいいんだけどね。