恋愛嫌い
平安寿子
★ひとことまとめ★
読んでいて思わず笑ったり、うんうん、って相槌をうってしまう本
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
恋が苦手なんて、女子失格ですか?「恋が苦手で感情が足りないと言われる」「一人になるとほっとする」「“前向き"に反感を覚える」「諦め上手」…そんな“アンチ恋愛"体質の女性たちを描く、本音満載ガールズ小説。(解説/瀧井朝世)
【感想】
恋愛にうんざりしていたところに、このタイトルが目に入ってきて、思わず読んだ。
ランチでいつもご一緒したことで仲良くなった、喜世美(29)と翔子(26)と鈴枝(35)。勤め先も見た目も違う。だからこそ気兼ねなく、いろんなことを話せる。そんな3人の恋愛模様のお話。
平さんの書き方なんだと思うんだけれど、おもしろい!ひとことひとことがリアル。そうそう、そうなの、ほんとにそうなの!って思えるような書き方。
それぞれの年齢で、思うことも悩むこともバラバラで、きっと彼女たちと同じように私も悩んだりすることがあるんだろうなって思う。そのくらい、妙齢の女のリアルな感じ。
鈴枝のパートとか、一人ツッコミというのかな、やさぐれたかんじとかひねくれた感じ、とってもよくわかる。そうやって自分のプライドを保つ感じ。
この本全体的に全部うんうん!って同意して読んでいて、中でも特にそうなの!って思ったのが、
「ものを買ってもらうのが、どうもすっきりしないっていうの、わかるな。実は、わたしもそう。なんだろうね。多分、自分の人生は完全に自分でコントロールしたのよね。欲しいものがあれば、自分のお金で買う。それでこそ、プライドが保てる。」(P179)
ものをプレゼントされても、自分的に全然響かなくて。学生の頃とかは純粋に喜んでいたけれど。いまは、感謝の気持ちよりも、もんもんとしちゃう。欲しくなかった、自分はこれを身に着けたくないとか、自分は自分の選んだものを自分で買って使いたいのとか。そう思ってしまう。ひどい女ですね!
最後は、そうまとまる!?って急なまとまりだったけれど、恋愛嫌いってタイトルにふさわしいような終わり方。でも、それぞれにいいことがありそうでいい終わり方。
恋愛にあきらめを感じて、やさぐれていたからこそすごく楽しめて読めた。