29冊目:恋愛検定 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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恋愛検定

桂望実
2018/05/4読了
 
 
 

★ひとことまとめ★

こんな検定あったらいいのに!

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

 

【Amazon内容紹介】

あなたの恋愛力はどのくらい?  恋愛において要求されるコミュニケーション力、セルフプレゼンテーション力、洞察力、人間性といったスキルを総合した恋愛力を測るのが「恋愛検定」。この世界では「恋愛検定」に合格することが、結果的に社会的ステータスへと通じるのです。  大勢から無作為に抽出された「あなた」の前に、突然「恋愛の神様」が現われ、「あなた」の受検級数が伝えられます。そこから半年間のあいだ、神様は「あなた」の恋愛模様を細かくチェックしていきます。ターゲットは的確か、会話の内容は適切か、客観的に自分のイメージを把握できているか――。 さて、「あなた」の恋愛力は――? 「恋愛検定」に挑む6人の恋愛模様。「あなた」はこの中に、「あなた」自身の姿を見るかもしれません。 OL・辻恵理子のもとに、突如「恋愛の神様」が現われ、「恋愛検定」受検を命じられる。恵理子はこと恋愛のかけひきにおいては自信満々、しかし最低ランクの「四級」受検と言われたことに衝撃を受ける。  恵理子はさっそく取引先の広告代理店に勤める小倉に声をかける。見た目はいいし、ファッションのセンスも給料も悪くない。楽勝だと思っていた恵理子に、またも神様が降臨。「恋愛検定は、あくまで恋愛力をはかるもので、カップルになるかならないかは査定外。エッチをしたか、しなかったかも、査定外」。 そもそも、恋愛力って?「恋する気持ち、愛する気持ちを、どう表現し、コントロールするかってことよ。そのレベルがどの基準まで達しているかを、神様が判断しましょうって、ことだから」 恵理子はぐいぐいと小倉に迫っていく。こんなチャンスはないのよ、はやく口説いてよ――と思った瞬間、神様は「あなたの場合は、ほかの人がどう思っているかってことに無頓着過ぎるんだよね」  はたして、恵理子の恋の行方は、そして検定の結果は?

 

 

【感想】

amazonの内容紹介のほうが私の感想よりも長いのではないか…?

恋愛力を測る、恋愛検定。合格すれば、それは履歴書にものせられるし、社会的に通用する検定。受験者は神様から無作為に選ばれ、その期間中は誰にも受験していることは口外できない。(=相談できない)自分の力だけで、ターゲットとの恋愛力を合格ラインまで持っていかないといけない。

 

四級受験の恵理子の場合は、ツッコミどころが満載だった。特に、取引先の司に、色仕掛けと言うか、私に口説かれて喜ばない男はいないって感じで、笑ってしまった。いまの時代、男性側からでもセクハラの訴えはできるし、これはセクハラになっちゃうんじゃないかなあと感じた。

 

三級受験の慎吾に関しては、まあこういう人よくいるよね。省エネで生きてます的な。頑張ってるやつのわけがわからないみたいな人。高みの見物なのか低みなのかわからないけれど。ただ、そういう人こそ恋愛になったりすると、自分の客観的な立ち位置とか、相手からどう思われてるかとか全くわからないんだよね。自信とかプライドが高いのかな。

 

二級受験の紗代はよかったなあ。どうなったのかな、二人はうまく行ったのかなって考えちゃった。その場とか、相手が求めているキャラを演じてしまうのはわかる。そんな紗代だから、うまくいって欲しいと思ったし、勇気を出して彼にきちんと言えたところは、頑張った頑張った!!ってまるで友達の恋愛話を聞いているような気分になった。

 

準一級の尚は、冷静に判断できているのか、できていないのか…って印象だった。合理的って、仕事とか研究では良いかもしれないけれど、恋愛においてはそうではないよね。例えば行列のお店で二人で列ぶとかだって、時間のムダ!非合理的だ!になるかもしれないけれど、そうじゃないじゃん。列んでる間の会話だったり、ワクワクしたり、そういう時間を共有できるってことが大事だと思うんだよね。私も前に、理系の彼からくどくど無駄とか、合理的ではないとか言われたことあるんだけれど、そうじゃないだろうって思ったもん。

 

一級受験の瑠衣については、同情も感情移入もしなかったかなあ。マメじゃない人とか、めんどくさがりな人は、恋愛向かないというか、相手がかわいそうだよね。同じようなめんどくさがりな人同士で付き合えば別だけれど。母親のせいとか、相手のせいとか、だれかのせいにして 、自分は悪くないもん、じゃ、そりゃ検定には合格できないよね。

 

マイスター受験のゆかりは、いろいろな事情がある中で、駆け引きとか、自分の気持ちの折り合いとか、読んでてさすがマイスター受験者だと感じた。でも、相手がバツイチ子持ちって、本人からではなく人伝いで聞くって、ショックだよなあ。いくら相手が本気だったとしても、言いづらくて言えなかったにしろ、騙されたって思っちゃう。私なら無理ですってなるかも。でも、冷静に自分の気持ちに向き合って、距離を一旦おいたり、冷静に判断できるところがさすがマイスター。

 

この本のさらに良いところは、巻末に精神科医の方の、解説がのっているところ。自分に似ているなあ~と思った紗代の話の解説は、確かに、とためになった。他の登場人物の話でも、あの部分はこうするほうが良かったという解説があるので、実際恋愛する上でもためになることがたくさん書いてあった。

 

 

恋愛検定が実際にあればなあ~。私も受験してみたい。あなたは四級受験ね、って言われたらちょっとショックかもw

それぞれの主人公の、続きの話も読んでみたいけれど、良いところで終わっているのが逆にいいんだろうね。自分でいくらでも想像できるし。

桂さんの作品は読みやすかったから、また近々読む予定。