残り全部バケーション
伊坂幸太郎
2018/01/16読了
【感想】
先日読んだ、Rebornの中のお話の、元の本。
・第一章 残り全部バケーション
父親が浮気したことから、家族が解散することになった、沙希。
ひょんなことからチンピラ?のような岡田とともに、家族はドライブをする。始めのこのお話が、Rebornに載っていたもの。以降が続きのお話。
・第二章 タキオン作戦
チンピラ?の溝口と岡田は、父親から暴力を受けている雄大という少年と知り合う。
父親の暴力を、どうにかしてやめさせられないものかと岡田は作戦を考える。雄大の父親が騙されやすい男でよかったが、なかなかおもしろい作戦を考えるなあと思った。
岡田に脅される側だった権藤が作戦にノリノリだったのも面白い。
・第三章 検問
ボスの毒島により岡田が消されたため、新しくペアになった太田と溝口たちの話。
依頼人からさらってくるように言われ、無理やり乗せた女とともに盗んだ車に乗っている時に、検問に引っかかった溝口たち。
特に何も言われず通されたが、降りて確認してみるとトランクには札束が…。
検問の原因と、女にはつながりがあったけれど、腑に落ちないのは警察の対応と、なぜ女も金を山分けしたのか?溝口たちは馬鹿だけれど、なぜさらった女とも山分けしたの?
あと、警察はトランクを見ただろうけど、不審に思わなかったのか?本当にあとから追ってくるつもりだったのか?色々なんで?どうして?と思ってしまう話だった。
・第四章 小さな兵隊
岡田の小学校時代の話を、友達の視点から書いているお話。
小学生のスパイごっこ、探偵ごっこみたいで面白く読めた。お父さんがスパイで、かっこいい仕事!って思っていたのに、実は全然違った…っていうのは、子供にはショックだろう…。
子供の頃から岡田はちょっとちがうというか、度胸があったのだなあと感じた。あと、前章の人物も登場して、話がつながっている。
・第五章 飛べても8分
溝口と、新しくペアになった高田の話。
溝口は馬鹿だなあ~といままで思っていたけれど、色々と考えていて、さらに岡田のこともずっと気がかりになっていて、大きな作戦を決行する…。これまでの全章のまとめのようなお話。
最後の最後のメールが、どうか岡田からでありますように!と思ったのと、毒島さん、お願いだから溝口のこと殺さないで!と思った。
溝口の言った、「俺の人生、残りは夏休みだ。宿題なしでな。」っていうのが、私もそういう人生にしたいな~と感じた。そりゃ仕事もするし、いろんなことあるかもしれないけれど、
あの夏休みとかのバケーションみたいな気分で、毎日過ごせたらハッピーだよなあ。しかも宿題もなくてさ!
読みやすい本だった◎