そのお金のムダづかい、
やめられます
菅原道仁
2018/01/28読了
【Amazonの内容紹介】
「ホンマでっか!?TV」をはじめとする、メディアで大反響の 「脳科学の力で無駄づかいをなくし、お金を貯める、画期的な方法」!
もし次のうち、1つでも「思ったことのある人」は、脳に「無駄づかいグセ」がついている可能性があります。
「給料日前はやりくりが苦しい……給料日までガマンガマン……」 「お金は貯めたいけど、なかなか目標通りに貯金できない」
「あと○○円で送料が無料になるけど、必要なものはあったっけ?」
「ついお財布にポイントカードが溜まっていく」
「買った本は、おもしろくなくても、最後まで読むべき」
脳は放っておくと無駄づかいをするようにできていることを知っていますか?
収入が増えてもそれが幸福感に直結しないことはよく言われますが、 実は私たちの脳は、お金を使うのが大好きです。
手綱を緩めっぱなしにしておくと、支出は際限なく増えていきます。
でも一方で、何でもかんでも「ガマン! 」「倹約! 」では、ストレスが溜まってしまうでしょう。
そこで、本書の目的は大きく次の2つです。
1.“無駄づかいグセ"をはじめとする脳のクセを知り、上手に利用しよう
脳の特性を理解できれば、手綱の緩めどころや締めどころが自然とわかってきます。 すると、無理なくガマンなく「無駄づかい」を撲滅し、満足度の高いお金の使い方ができるでしょう。
2.私たちに無駄づかいをさせようとする販売テクニックを知り、脳に備えさせよう
「無駄づかい」がなくならないもう一つの原因は、「買わせよう、買わせよう」としてくる販売戦略です。
しかも、売り手は私たちの「脳のクセ」を研究し、それに乗っ取った「売り方」をしてくるので、 無防備でいればたちまちに「本当は欲しくないもの」「必要のないもの」を買わされてしまいます。
「本当は欲しくないもの」を買わない知恵を身につけましょう。
【感想】
・物を売る側は脳のクセを利用して『買わせよう』『お金をつかわせよう』としているのに、買う側は自分の脳のクセの存在にすら気づいていない(P7)
・”ときめき”の正体は、脳の中に「ドーパミン」という物質が分泌されることによってもたらされた、たった一時期の興奮にすぎません。(P42)
・報酬系によってもたらされた快楽は、生み出されたそばから消えていき、次のことを学習してはまた生み出される。(P44)
・「ネットオークション」や「ネットフリーマーケット」は、買い物の中でもとくに報酬系を刺激しやすいスタイルです。(中略)
フリマは、目的のものを、なるべく安くいい状態で手に入れるところが「宝探し」に似ています。「見つけた」という達成感と「安く買えた」というお得感で、ドーパミンがますます分泌されるのです。
ドーパミンの影響を最小限にするには、その対象から距離を置くことが基本です(P45-46)
・「自分だけは大丈夫、なんとかなるだろう」という心理の働きを「正常性バイアス」といいます。(中略)
家計簿に対しても同様に、脳はこの「正常性バイアス」を働かせてしまいます。せっかく収支を記録して、「このまま出費をしていると、今月は赤字だ」とわかっても、今、普通に生活ができていれば「その警告は無視していい」と判断してしまう。(P65ー66)
・1ヶ月間収入がなくても食べていけるお金が貯まっていない人は、とくに「正常性バイアス」の影響が強いという自覚を持つ。(P68)
・自己顕示欲の強い人は、「こういうふうに思われたい」「こんなイメージで見られたい」という欲望がはっきりしています。「こう見られたい自分」を優先するあまり、「本当は欲しくないもの」でも、「欲しい」と脳が勘違いをしてしまうのです。(P76)
・自己顕示欲が強くなるのは、自分に自信のない証拠です。
そのままの自分を肯定できていれば、アピールする必要はないでしょう。
どんなに他人がすごくても、自分の勝ちは変わりません。自然体のままで、ちゃんと評価を得られるものです。(中略)
自己顕示欲を満たすための散財には、再現がありません。どんなにお金をかけて「自分ってすごい」と思えても、次の瞬間にはその栄光は過去のものになってしまいます。
すると、次の栄光を手に入れるためには、より多くのお金や時間をかけるしかないのです。(P78)
・「そのモノや体験にお金をつかうときに”ストーリーを正しく描く”ことができましたか?」と自分に問いかけてみる(中略)
その買い物がムダだったかどうかに、「金額」はほとんど関係ありません。
安くてたいした金額でなくても、自分にとっていらないものならムダでしかないのです。(P174)
・正しいストーリーの描き方は、
主人公が「私・自分」になっている。
「これは自分の決断だろうか」と確認することが買い物を通して自信を成長させる秘訣(P178)
「いつ」「どこで」「誰と」使うのかが、具体的に描ける。ストーリーを具体化する時に無理のあるものは、タダでもらったとしてもムダです。(P179)
他人と自分を比較するようなストーリーではなく、他人を喜ばせるような調和的なストーリーを描けた場合は、そのお金の使い方は有用といえる。(P182)
・「お金を大切にできる人は、時間も大切にできる。お金をムダに使う人は、時間もムダに使う」(P220)
・今の家の広さ、収納スペース、家で過ごす時間が、あなたの生活の基本、持つべきものの量です。(P226)
・幸せになるには、手に入れるお金の量よりも、その使い方を考えることが重要だということ。
とくに、経験。体験に使うこと、他人に使うことで幸福感を得られる。(中略)
お金が増えても、それだけでは幸せにはなれません。反対に、お金が減っても不幸ではありません。
私たちは「お金が減ると貧乏になる」のではなく「欲望が増えると貧乏になり、不幸になる」のです。(P230)
・どんなに収入が増え、どんなにものが増えても、そのお金やものは私達を満足させてはくれない(P231)
今の年齢になって、お金についてリアルに考えることが増えてきて読んでみたけれど、特に自己顕示欲のところが当てはまる…。
自分に自信がないから、モノに頼ってしまう。けれど、モノは所詮モノで、付け焼き刃でしかない。
自分自身を高めていかないと、いつまでたっても自信は生まれない。
引き寄せとか自愛とかなんだかんだいろんな本を読んできたけれど、最近、ようやく、誰も(何も)自分のことを幸せにはしてくれないんだと気がついた。
彼氏も、仕事も、物も、服も、おまけでしかなく。
それに対して一喜一憂したり、ぐらついてしまうのは、自分の足でしっかり立てていないからだと気がついた。
彼氏がいれば、この服を着れば、なんだか違う自分になれるんじゃないかというか、自分の人生が変わるんじゃないか、みたいな。人からよく見られたい、とか。
でも、結局それって自分中心のストーリーじゃなくて、他人中心なんだよね。誰かに、何かに、どうにかしてほしいというような。だからこそ、何買っても満足しない。
それがね、ようやく今更だけどわかったの。
すごく、いままでいろんなことに流されてきたなあと。
人にも、ものにも。
自分を変えられるのは自分しかいないし、物も、人も、私を幸せにすることはできない。
人になにか裏切られて期待はずれなことがあっても、そりゃそうだ。人は私の事幸せにできないんだから。
更に言うと、それを裏切りとか期待外れって決めるのも自分であって。
本の感想から逸れるからこれくらいにするけれど、自分のお金の使い方にはそういう、自分を信じられていないところも影響していたんだなあと改めてわかった本だった。