たいのおかしら
さくらももこ
2018/01/04読了
【感想】
本棚整理。
中学生くらいに読んで以来。
おそらく、人生ではじめて読んだエッセイかも。
ちびまる子ちゃんは漫画もアニメも見ているから、おもしろさもわかっているんだけど、エッセイもとてもおもしろい。
心の中の言葉をすべて書いてくれている感じで、思わず声をだして笑ってしまう
「英会話の学習」の、ジョンとアンの青春模様に笑ってしまうし、懲りずにじまた教材テープを買ってしまうことにも笑う。
「グッピーの惨劇」で、水槽の中でグッピーの死体がぐるぐると
まわるところは想像するだけで地獄絵図…。
グッピーのこと思い出した後の血の気が引く感じも、怒られたらどうしよう!という気持ちも分かる。
「小杉のばばあ」では、近所で恐れられる小杉のばばあのお話だけど、これは巻末のその後の話を読むとうるっときてしまう。
「死ぬということはいなくなる。そういうことなのだ。
花も小屋も木も、全部おいたままいなくなってしまった。
私もいつかいなくなる。あと50年後かもしれないし、もっと早いかもしれない。死ぬ可能性は次の瞬間にもある。
今生きていることは当たり前ではなく、可能性の高い偶然にすぎない。(P240)」
死んでしまえばいなくなる。それは当たり前なんだけど、80年位生きた人の歴史が一つ終わると考えると、生きている間にその人のいままでの歴史をもっと聞いておけばよかったなあと思う。
だから、その時がきて後悔しないように、大切に生きていかないとなあと思う。
どのお話も笑えるし、ジーンとくるお話もあるし、
読んでいて楽しい気分になれる本。
ただ、驚いたのはこの本を書いた当時のさくらももこが
28歳だったということ。
今年自分も同じ年になるけれど、自分は胸を張って頑張ったといえるようなことや、やり遂げたことってあるのかなあと考えてしまった。