87冊目:母性 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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母性

湊かなえ

2017/12/17
 
 
【感想】
最後の解説に似たようなものになってしまうけれど…
母の手記、娘の回想、母性についての3つで構成されていて、母の手記では「私」が神父様に延々と懺悔をする。
お母さんが大好きな「私」。
全部全部お母さんのため。結婚も、子育てもすべて。
でもある日の出来事で、そんな大切なお母さんが亡くなってしまう。
その日の出来事から娘との関わり方も変わってしまう。
 
愛されたくて苦しむ娘、愛そうと思ってもうまくできない母、それっぽいことは言ってるけれど全然役に立たない父。
 
でも、なんとなく分かる気がする。
「一人しか助けられない状況で、自分を産んでくれた者を助けるのか、自分が産んだ者を助けるのか。」(P92)
「お母さん、と呼べば返事をしてくれる人がいる。頭をなでてくれる人がいる。どうしてこの子にはいて、私にはいないのだろう。」(P122)
 
自分はそんなマザコンでもないけれど、自分の祖母や祖父が亡くなった時、「あなたにはおじいちゃんもおばあちゃんも、もういなくなっちゃったね」と親に言われたけれど、それは同時に親の母親父親がいなくなってしまったということで。
 
自分の親はもう誰かに対して
「お母さん」「お父さん」と言うことができないんだと思って。自分はそういう時が来た時に耐えられるのかな~と。
 
だからこの本を読んでも、
子供を産んでも母親になれなかった、母性を持てなかった「ルミ子」に対して嫌悪感は持てなかったな。
そんな母親の元に生まれた「清佳」はかわいそうだけど。
 
もう何回も湊さんの作品読んでいるのに、最初はやっぱりミスリードしちゃうんだよね~。
りっちゃんなんて、そうか、あのりっちゃんか、ってわかっても良いものを…
途中までわからなかった笑い泣き