アイネクライネナハトムジーク
伊坂幸太郎
2017/09/09読了
2019/08/18再読、追記
【感想】※2019/09/09
「くまちゃん」と同じように、登場人物がすべてのお話と
つながっているお話。
どんな話だろう?って思って読んだけれど、わくわくするというか、
心がほっとするというか…
読んでいてほっこりする話。
さらに、出て来る人の名前が自分の名前だったのもなんだか嬉しかった~!!
なんだかんだ、みんなハッピーエンドになっているから、読んでいて気持ちが良いよね~
------------------------------------
以下2019/08/19再読分
★ひとことまとめ★
ハッピーエンドが好きな方におすすめ!
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【内容紹介】
ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL……。
情けないけど、愛おしい。
そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ! !
伊坂作品ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテイメント小説!
【感想】
前に読んだ本なので冊数にはカウントしてません
私の大好きな三浦春馬主演で映画化するようなので、どんな話だったっけな~って久しぶりに自分の感想を見返したんですね。
そしたら!!!全く!!!内容について書いてないばかりか、心がほっとした割には全然薄い感想でww
全然どんな話だったか思い出せない、読後感がとても良かったのは覚えているが…ってことで、再読しました。
アイネクライネナハトムジークってのは有名なクラシックの曲。(絶対聞いたことあるから聞いてみて欲しい、youtubeにもある)
アイネクライネ = 小さな
ナハトムジーク= 夜の曲(Nacht(夜)+Musik(音楽)の合成語※Wikiより)
アイネクライネナハトムジーク=小さな夜の曲 となります。
前の感想にも書いてあるように、この作品は登場人物がどの話でも少しずつ関わってくるので、あれ?この人は誰と関わっていた人だ?と考えながら読んでいたので、わかりやすくちょろっと相関図書きました。
それぞれの話で誰が誰と関わりあるかをざっとまとめた図。ほかにも脇役などもちろん出てきますが、メインな登場人物たちだけまとめました。黄色い背景の2人はちょいちょい重要人物?かな。オチに直結する部分はぜひ自分で読んでいただきたいので書いてません。
それぞれの話のあらすじ
・アイネクライネ
マーケットリサーチを行っている会社にシステム管理として務める佐藤。同じ部署の藤田がサーバーのハードディスクを壊してしまい、佐藤もバックアップを取っているテープ媒体にコーヒーをかけてしまったことから、責任を取るという名目で街頭でのアンケート調査を命じられる。
アンケートに快く答えてくれ世間話をした女性をきっかけに、アンケートはそれなりの数集め終えることができた。
後日友人の織田夫妻の家を訪ねた際、女性との出会いがないと言う佐藤に対し、一真から「出会いとは何か」という質問をされる。
一真の言うこともわかるんだよね~。
「ハンカチ落として、拾ったら、出会っちまうわけだろ。で、その、ハンカチ落としたのが別の女でも、付き合ってるだろ。
(中略)そりゃそうだって。劇的な出会いにうっとりしてるんだからな。ってことはだ、その時の相手が誰なのか、ってのは運不運なんだよ、結局。」(P29)
これさ~婚活とかしてると思うんだけど、この人がいい!!じゃなくて、「2○歳、普通体型、見た目もそこそこな女性、まあ、この人でいいか」みたいに条件で選ばれてるのと似てるな~って。
別に私じゃなくてもいいわけで。あなたじゃなきゃだめなんだ、じゃなくて、条件クリアしてるしあなたでもいっかみたいな。
条件クリアしていれば別に私じゃなくても良いんだと思うんだよね~。
私自身もわかるところあって。誕生日サプライズしてくれてすごく素敵で付き合ったときとか、別にそれその彼じゃなくても、同じくサプライズしてくれた誰かでも付き合ってたんじゃないかなとか。
なんか言いたいことがわからなくなったけれど、出会い方とか、どんな条件かとかこだわらず、この人が良いな、この人じゃなきゃって言う恋愛がしたいよね~
・ライトヘビー
美容院で美容師として働く美奈子。常連客である板橋香澄との会話中、彼氏のいない美奈子に対して弟・学を紹介するという話になった。その時は断ったものの、香澄が学に美奈子の電話番号を教えたことから、学から電話がかかってきた。
そこから、電話だけでの美奈子と学の交流が始まる…。
このお話はネタバレになっちゃうからふわっとしか書かないけれど、このお話が一番好き!読んでてにやにやしちゃう
特にP97あたりからはこっちがドキドキしちゃうよ~
・ドクメンタ
社内のシステム管理の仕事を任されている藤間。自分の大雑把な性格に妻から愛想をつかされ、娘を連れて出ていかれてしまってから半年が経過した。そろそろ運転免許証の更新時期がやってくる…また彼女に遭遇できるだろうか?
十年前の免許証の更新時、目の前のブースの女性から、視力が落ちてしまい視力検査に引っかかってしまったが眼鏡を持っていないため、藤間のかけている眼鏡をかしてほしいと言われ、眼鏡を貸すことになる。自分と同じくらい大雑把で無頓着な女性と出会い、話を咲かせる藤間。
そして五年前の免許証の更新時にも偶然彼女と再会したが、彼女の大雑把な性格や、通帳の記帳なども無頓着なところに夫が愛想をつかしてしまい、出ていってしまったという。
そして今年。今度は自分が妻に出ていかれてしまった。また彼女には会えるのだろうか?そして、彼女は結局どうなったのか…。
通帳のくだり、私の前の職場でも同じような話したことあるな~!入金者名は名前じゃなくても自由に任意の文字入力できるから、複数回入金すれば文章になるよねって話した
私前に元カレと別れるってなったときに「一緒にいった旅行代を今日中に下記口座に入金しろ」(彼が行きたいって言って、私はもう好きじゃなかったから乗り気じゃなかったけど強行された上に、相手遅刻して謝らない等々で別れの決定打になった旅行)って言ってきて、相手の通帳に自分の名前残すのも嫌だったからなんか変なの入力した気がする。笑
・ルックスライク
2つのパートに分かれているお話。これもネタバレ避けるためにちょろっとだけ!
■高校生
クラスのマドンナ、織田美緒から一緒に地下駐輪場について来てくれないかとお願いをされた久留米和人。どうやら駐輪場で無銭駐輪している者がおり、先日美緒の駐輪代金領収シールが盗まれたという。犯人を探すために張り込みを一緒にして欲しいとのことで、放課後美緒とともに駐輪場で張り込みをすることになる…。
■若い男女
ファミレスでアルバイトをしている笹塚朱美。ある日、注文ミスをしてしまった男性客に激昂され、一人で謝罪を続けることになってしまった。謝罪をすればするほど男性は激昂するが、言い返すことができないためひたすら謝り続ける朱美。
そんなときに、別の男性客である邦彦が機転をきかせたコメントを男性にしてくれたおかげで、その場を収めることができた。
そのことがきっかけで邦彦と朱美は交際を始める。
この2つの話もいいんだよね~。。若い男女パートは出会い~別れの話で、なんでこの話が必要なんだ?って思うんだけれど、高校生パートの終盤でなるほど!ってわかるようになってます
まあ実際そんなことあるか?!って感じだけど、なんかほんわかする気持ちになる…。懐かしい気持ちになるだろうね、きっと。。
・メイクアップ
化粧品会社で働く窪田結衣は、新商品のプロモーションの広告代理店を決めるためのプレゼンで、広告代理店の営業担当者が高校時代自分をいじめていた いじめっ子の小久保亜季であることに気がつく。どうやら相手は自分のことに気づいていないらしい。
そのことを同僚の佳織に打ち明けると、あちらは長らく取引停止状態だったため、今回は取引復活のために必死に契約を取りに来ているはず。今度はこちらが選ぶ側、あちらは選ばれる側。復讐をするいいチャンスだと言われる。
果たして結衣はどうするのか…
亜季すごい嫌な女だな~wでもこういう人よくいるよね~。というかいじめた側はあんまり覚えてないと思うんだよね~。
された側はすごく傷が残るし、ずっと引きずるというか忘れられないと思うんだけれど、いじめた側って「え?そんなことあった?」ってくらい記憶ないと思う。
若干スカっと要素あってよかったな~。人の不幸願うのって良くないと思うけれど、痛い目見て欲しいとは思うよね。
ナハトムジークは最後のまとめのお話なので、書いてしまうと読んで欲しいお話のネタバレにもなるので書きませんが、いい感じにお話がまとまっていてよかった…。
みんなそれぞれ、うまく行ったり、悩んでいたことに決着が着いたり…。それぞれハッピーエンドな感じで、読後感がすごくよかった。は~よかった、よかった…、みんな幸せになってください…って思う終わり方
この作品はもともとミュージシャンの斎藤和義さんが、伊坂さんに曲の歌詞を書いて欲しいと頼んだことから始まったんだよね。(あとがきに書いてあります。)歌詞は書けないけれど、小説なら…って。ライトヘビーには斎藤さんって人がでてくるんだけれど、その人は今の気持ちや近況などをつたえると、それにぴったり合う斎藤和義さんの過去曲のフレーズを流してくれる人で。
だからこのお話には斎藤和義さんの過去曲のフレーズがいっぱい出てきます。斎藤和義さんのファンの人はより楽しんで読めるかもしれない。
こういう、ミュージシャンの方と作家さんのコラボみたいなのって、どっちのファンも楽しめて良いね
個人的に過去の感想(最初の読了)でも書きましたが、この作品のなかには自分と同じ漢字で自分の名前が出てくるので愛着があるんですよね~。この本買ったときって、なんとなくおもしろそうかな?って思って手にとって、パラパラってめくったら自分と同じ名前が出てきて嬉しくて購入した記憶がある。
映画化もするのでぜひ読んで欲しい~