11冊目:ガール | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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ガール

奥田英朗

2017/02/01読了

 

 

1)ヒロくん

女性の管理職の難しさがわかる話だった。

特に、今井みたいな自分より早く入社した人が部下になった場合。自分ならどうやってチームをまとめるかな、と考えながら読んだ。自分より給料の低い夫ってどんな感じなんだろう。

でも、恋はいばら道のサイトでもあったけど「家に男は2人もいらない」この話の場合、バリキャリの聖子と、のんびりしている博樹はそういう意味ではバランスがとれているのかなと感じた。

 

2)マンション

マンションを買うこと、返済のためになんとか会社を辞めないようにしなきゃって思って、自分を押し殺すこと…

主人公のゆかりはそれでも自分を偽らないことを優先して言いたいことははっきりきっぱり言っているけど、自分ならどうだろう。

ある程度仕事もできて、発言力もあるゆかり。だからこそ、岩崎常務にも認められたんだろうなあ。

”会社は大きくても、やってるのはおじさんと女の子”

”おじさんと女の子で会社は回っている”

これはその通り。

 

3)ガール

この話が一番ガツンときた。いつまでもガールでいたい。でもいつまでもガールじゃいられない。

潮時を感じる。それはきっと、女性なら必ず通る道なんだろう。

お光もきっと考えたことが在ると思う。

でも、それでも、”生涯ガール”でいようと決めた結果なんだと思う。

”そんなの、人の勝手だ。誰にも迷惑はかけていない”

人からの目線って気になるけれど、自分が行きたい道を行く。それが一番だよなあと思った。それにしてもお光は強い。

仕事もできる女性だから、裏でなんか言われてるのだって気づいていると思う。強いなあ。私は”若作り”っていわれてたら凹むもんなあ。

 

4)ワーキングマザー

シングルマザーの大変さが少しわかった。子供がいるいないで甘くみられたくない、他の女性と対等でいたい、でも対等じゃいられないときもある。

”錦の御旗”を降ってしまったことに後悔できるぶん、孝子は偉いよなあ。最後、孝子と里佳子が”ルール違反だったね”と和解できたのはスッキリした。

”立場はちがっても、女同士は合わせ鏡”

”自分が彼女だったかもしれないし、彼女が自分だったかもしれない。そう思えば、やさしくなれる” じーんときた。

 

5)ひと回り

容子の気持ちがわかるようになったってことは、私も順調に年をとってるんだなあ。ひと回り違うと、そもそも対象にも入ってこないんだよね。

現実逃避、モラトリアム。その年齢にはその年齢の良さがきっとあるんだよね。心が追いつかないだけで。

 

【感想】

どうして奥田さんは男性なのにここまで女心がわかるのか。本当に不思議。読んでいて、うんうん、そうそうってどの話を読んでいても思えてしまう。