【家づくり回想録⑩】相性も大事 | 岐阜のはずれに家を建てる

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岐阜の工務店エムズアソシエイツで建てる家づくり。

回想録⑨からの続きです。


B社との家づくりに失敗して振り出しに戻った我が家でしたが、その間にも職場環境の変化などがあって、残された時間はますます少なくなっていました。

一から新しい建築業者を探すような時間も気力もなく、かと言って、それ以上は問題を先送りにするわけにもいかなかったので、とりあえず、それまで接触しながら候補から外していた業者をもう一度見直して、そのうえで絞り直すことにしました。


そして再浮上したのが、エムズさんとC社でした。

C社は、設計等を兼ねている社長さんと以前にも少しだけ話をさせてもらったことがあり、サイトに掲載されている施工事例は、社長さんのセンス溢れる素晴らしい家ばかりでしたが、年間数棟というごく小規模でやっておられるため、完成見学会の都合が合わずに候補から外していた会社でした。

恥を忍んで久しぶりにC社の社長さんにコンタクトを取り、自分の家づくりに対する思いを伝えたところ、ちょうど近日中に予約制の見学会を開催する予定とのことだったので、参加させていただくことにしました。

見学会で伺った家は、思ったとおり細部にまで社長さんのこだわりが感じられる、素晴らしいお宅でした。


しかし、見学会を最後にC社はお断りすることになりました。

C社の社長さんとは考え方の近い部分もありましたし、僕の不躾な質問にも丁寧に答えてくださるなど、大変良くしていただいたのですが、見学会で説明を受けているうちに、社長さんがこだわって大切にしている部分と、僕たち夫婦の住宅に対する価値観に、おそらく相容れない程度の違いがあることに気付いてしまったことが、大きな理由です。

営業、設計、現場監理、たまに施工など、社長さんがほぼ全てのことを自らやっておられるため、その近すぎる距離感が頼もしくもあり、逆にそのこだわりに対しては近寄りがたいというのが、僕が社長さんに対して最初から抱いていた印象でした。

こればかりは相性と言うしかなく、家の出来不出来以前に、その途中でまた躓いてしまうか、あるいは社長さんに遠慮しながら家づくりを進めなければならなくなるような、そんな心配が見学会で浮き彫りになってしまったのでした。

B社の後だったので、もう絶対に失敗することはできないという心理的な影響も、少なからずあったと思います。


ご縁がなかったとはいえ、C社の完成見学会に参加させていただいたおかげで、理想の家づくりに凝り固まっていた自分に気付き、少しおおらかな気持ちで取り組むようになれたことなど、良かったことは本当にたくさんあり、今でも社長さんには大変感謝しています。


⑪に続きます。



岐阜市立中央図書館などの複合施設「ぎふメディアコスモス」が、ちょっとした話題になっています。

屋根を支える鋼材の調査をした結果、調査地点の全てにさびが見付かったそうで、行政と設計もしくは施工業者のいずれに責任があるのかは、現時点ではわかっていません。

個人の家づくりの場合、こういう公共施設にも増して、犯人探しよりそもそも問題が起きないことの方が大切です。

そのためには、施主と業者がお互いに信頼し合い、そして信頼されるための努力をすることが必要だと思います。