私たちの家づくりの指針5つ | エムズアソシエイツ施主様ブログ

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岐阜の工務店エムズアソシエイツで建てる家づくり。
H様ブログです。

こんばんはプリンです。

 

今回は、

役に立つ情報かどうか分かりませんが、

私たちが家づくりの中で考えた

指針について書きたいと思います。

 

家づくりを進めるなかで、

「A社さんは○○が素敵だよねー」

「B社さんは△△が魅力的だよねー」

「C社さんは□□が安心だよねー」

などと、

いいなと思うハウスメーカーや工務店には

それぞれに良いと思えるところがあり、

「これって比較検討するのがむずかしくない?」

と感じた家づくり序盤戦。

 

比較検討するためには、

「まず自分たちの要望の優先順位を整理しなければ!」

ということに思い至り、

勉強した知識をもとに5つの指針を立てました。

それが次の5つです。

 

①   予算

②   耐久性

 →耐震性/耐風性/腐朽対策(気密含む)/漏水対策/防蟻対策/

  メンテナンス性/

③   性能

 →断熱/気密/パッシブ設計/換気・空調/省エネ/

④   暮らしやすさ

 →間取りなど

⑤   意匠

(※②③については長期優良住宅の認定)

 

そして優先順位としては、

まず、大前提となる「①予算」。

 

次に、

家の「性能」「暮らしやすさ」「意匠」は、

家が建ち続けてこそ!

なので、一番大切な「②耐久性」。

 

もともと、

「冬暖かい」

「夏涼しい」

という希望があったこともあり、

省エネで、

快適な温熱環境で、

健康的に暮らせる、

というところで「③性能」。

 

性能を生かして快適な温熱環境をつくるため、

暮らしやすい動線とするため、

リラックスして過ごすための「④暮らしやすさ」。

 

上記を満たした上で、

やっぱりこだわりたい「⑤意匠」。

 

実際には、

各社の詳細な見積は

プランニングを依頼して最後の最後にわかるものなので、

おおよその価格帯は踏まえた上で、

まずは「予算」以外のところで検討していき、

最後に見積を踏まえて考える、

という感じで私たちの家づくりは進んでいきました。

 

そして検討するにあたっては、

当然ですが、

大まかな指針だけでは何ともなりませんので、

具体的に「何を」「どのくらい」求めるのかという、

具体的な「基準」も考えました。

 

「基準」を考えるためのメモ書きを作成したら、

要領が悪いせいで膨大な文字数になってしまったので、

最終的には要約版(※)をつくって整理しました。

 

漠然とした希望を明文化していくプロセスでは、

アレも大事! コレも大事!

と思えてきたこともありました。

 

特に最初の頃は、

「○○さんが△△って言っていたから」

くらいのレベルで「基準」を書き出していたので、

その「基準」の持つ意味や重要性の理解も浅かったですし、

このままだと、

これはこれでたくさんある「基準」に振り回されそうな……

と思ったこともありました。

(実際、ぐるんぐるんと回っていたこともあったような?)

 

そんな経験も踏まえて、

依頼先を検討するときに大事だったなーと思うことは、

「全てがパーフェクトに叶う依頼先はまずない」

「仮にパーフェクトに叶う依頼先があるとすれば

 それは予算がすごいことになるだろう」

「だから、絶対譲れない優先度の高い項目を決めて考える」

(そのために、少しでも理解を深められるように努める)

ということです。

 

でも、最終的には優先度の高い項目を絞るとしても、

どんな家にしたいのかを考え、学び、

視野を広げるというプロセスは、

私たちの中ではとても意味がありました。

 

そしてもう一つ、

考える中で意識したことは、

「数値」にこだわるのではなくて、

「数値」はあくまで指標であり手段であるので、

「どうしたいのか」という目的をしっかりと持つこと、

でした。

 

例えば、

「UA値を低くするために、窓の面積を狭くする」

というのは手段が目的化している状態なので、

そうではなくて、

「日射取得による暖房負荷のメリットが期待できないから、

 暖房負荷を下げるために、

 窓の面積を狭くしてUA値を低くする」

「日射取得による暖房負荷のメリットが期待できるから、

 暖房負荷を下げるために、

 UA値が大きくなっても、窓の面積を広くする」

というような考え方をする必要がありますよね。

 

ちなみに、

エムズアソシエイツ(以下、エムズさん)は

私たちが譲れない優先度の高い項目を

高いレベルでクリアしていたことは言うまでもありません。

 

※写真は構造見学会で撮らせていただいたものです。

 その中から一部を載せさせていただきます。

 以下、知ったかぶってみたレポートになりますので、

 諸々ご容赦ください。

 

 1枚目の写真はパラマウント硝子工業の高性能グラスウール

 「太陽SUN」が充填断熱として入っているところ。

 断熱材についてはまた後日書くかもしれませんが、

 個人的にはグラスウールを丁寧に施工できて

 高断熱を実現できる工務店が好ましいと思っていたので、

 グラスウールにこだわっているエムズさんの施工は

 とてもよいな〜と思いました。

 

 2枚目の写真はエアホール付き胴縁です。

 通気は結露対策において重要ですが、

 通気は下から上へ抜ける形になるので、

 通気胴縁は縦方向が理想的。

 でも、外壁にガルバリウムを縦張りすると、

 胴縁は横方向にならざるを得ません。

 そんなとき、通気を確保できるのがエアホール付き胴縁です。

 このあたり、施主がいちいち気にしなくても、

 当たり前にやっていただけるのは安心です。

 ガルバリウムをKスパンにすると、通気的にはより安心?

 ※20231223追記

 私たちは外壁をガルバリウムのKスパンにするので

 外壁のガルバリウムの溝でも通気できることから

 エアホール付き胴縁でよいかと考えましたが、

 横胴縁となる場合には

 コストアップになるとは思いますが、

 縦胴縁を取り付けた上で

 その上に横胴縁を取り付ける施工方法がありますので、

 通気としてより安全を期すのであれば

 そうした施工を検討することもありかと思います。

 

 3枚目の写真は、サッシまわりの気密処理・防水処理です。

 漏水リスクの比較的高いサッシまわりは

 特に施工が大事なところだと思いますが、

 気密処理→防水処理の順でキッチリ施工されており、

 入隅用テープもしっかり貼られていて、

 こちらも安心の施工です。

 

 4枚目の写真はテープの止め方です。

 水がテープの下に入らないように、

 テープは下から順番に貼っていくのが基本中の基本

 なのだと思いますが、

 基本が当たり前に行われているのもとっても安心です。

 

【注】

※  私たちの家づくりの「基準」(要約版)

①  予算

・お察しください。

②  耐久性

■耐震性

・許容応力度計算による耐震等級3。

 ※実際にのせる太陽光発電の実荷重で計算。

・偏心率は0.15以下。

・なるべく四角い建物形状とする(凸凹させない)。

・屋根と外壁はガルバリウム(軽くて耐震に有利)。

・基礎の設計強度が21N /㎟以上(可能であれば27N/㎟以上)。

■耐風性

・耐風等級2。

■腐朽対策

・外壁と屋根の通気(もしくは小屋裏の換気)がしっかり確保されている。

・屋根は切妻屋根(棟換気をする場合、最もよい屋根形状)。

・気密性が高い(希望のC値は後述)。

・耐久性の高いルーフィング・防水透湿シート・気密シート(可変透湿シート)を使用している。

・「冬型結露」「夏型結露」の対策がなされている。

・結露対策として、壁内構造が適切である。

・可能であれば結露計算で結露リスクを確認できる。

■漏水対策

・軒をしっかり出す。

・下葺き材(ルーフィング)の釘穴などからの漏水対策。

・屋根は切妻屋根(取り合いが少なく漏水リスクが低い)。陸屋根にはしない。

・屋根面に窓をつけない(トップライトなし)。

・唐草は、屋根面からの浸水、毛細管作用による下からの吸い上げによって野地板が腐らないような対策。

・屋根以外も取り合いが多くなるデザインではない(凸凹させない。理想は四角形)。

・サッシまわりの気密処理、防水処理の施工が丁寧でしっかりしている。

■防蟻対策

・基礎はベタ基礎(できれば1回打設)。

・できれば排水管などの貫通部を外周部の基礎立ち上がりの高い位置から抜く。

・シロアリの侵入経路となりやすい玄関ポーチについては、玄関ポーチを基礎立ち上がりと縁切りする、もしくは侵入を発見できるようにウッドデッキにするなど対策する。

・シロアリの侵入経路となりやすい勝手口は作らない。

・構造材はヒノキ+ホウ酸処理、もしくは緑の柱。

・排水管や水抜き穴などの貫通部について防蟻処理(ホウ酸入りパテや防蟻コーキング)。

・基礎断熱の場合、原則として基礎内断熱。

■メンテナンス性

・屋根と外壁はガルバリウム(海なし県の岐阜では経済性・耐久性にすぐれている)。

・換気については、本体のメンテナンスがしやすいこと、給気口のメンテナンスがしやすいこと。

・できれば基礎内断熱(キレイな床下にもぐりたい)。

③  性能

■断熱

・UA値は0.46以下(できれば0.36以下、さらに叶えば0.33以下)。

→0.46:断熱等級6(HEAT20のG2)

→0.36:いわゆる断熱等級6.5(HEAT20のいわゆるG2.5)

→0.33:(HEAT20の地域補正「岐阜市」において、「暖房期最低室温」「暖房室温15℃未満の面積」が概ねG3適合(H28基準からの負荷削減率はG3否適合))

・基礎断熱で2022年3月以前の計算式(2022年4月以降も当面の間使用できる計算式)の場合は、UA値を+0.07して上記の数値をクリアできる。

・UA値は、数値だけでなく、HEAT20の基準指標である「最低室温などの環境の質」「H28基準からの負荷削減率」という本質的な部分が達せられること(目的はあくまで数値ではなく「省エネで快適な生活をすること」)。

 ※具体的な数値はHEAT20の資料参照。

・最終的な断熱の仕様の判断は、UA値ではなく冷暖房負荷で考える。

・断熱材はその性能を発揮するために、断熱欠損が生じないよう施工が適切になされている。

・外皮面積を少なくするため、なるべく四角い建物形状とする(凸凹させない)。

■気密

・C値は実測した上で0.5以下(可能であれば0.3以下)。

■パッシブ設計

・パッシブ設計として日射取得/日射遮蔽をしっかり行える(冷暖房負荷は、UA値・日射・人体発熱・生活熱・換気による熱損失・夏期は除湿によって決まり、日射の影響は少なくないため)。

→おおよその目標は、ηAC値1.5以下、ηAH値2.0以上(高い目標としては、ηAC値1.0以下、ηAH値2.5以上)。

→ηA値だと実際にどのくらいの冷暖房負荷なのかが実感としてわかりづらいので、最終的には日射による取得熱量をkWhに換算し、冷暖房負荷(さらにいえば電気代)として検討したい。

・日射遮蔽については軒や庇にプラスアルファの対策を。

・日射取得は大事だが、中間領域の居心地の良さも考えて軒は出す。

・日射取得ができる場合、南面の窓は、南に面する部屋の床面積の20%程度を目指す(軒を深くする場合は20%以上を目指す)。

・日射については、特定の月日でシミュレーションを行える。

・岐阜の土地に合った通風の提案。

■換気・空調

・換気はまず、確実に換気量を確保できること。

・風量を実測し、換気量を確認できること。

・「過換気」や「不要な換気」による熱損失を防げるように、換気量を調整できる(第3種ダクト式、日本住環境のルフロ400を検討中:換気量を多段階で調整可能、省エネ)。

→過換気については、二酸化炭素濃度を測定して換気量を調整。

→外出時(人がいないとき)は、換気量を絞る。

・第3種換気の場合、室内の負圧対策が行える。

→同時給排のレンジフード。

 ※給気ダクトは結露対策として要断熱。

→レンジフード近くに差圧レジスターや窓の設置。

・冷房負荷/暖房負荷の計算に基づいたエアコン容量の選定ができる。

 ※基礎断熱で2022年3月以前の計算式の場合は、

  安全をみるため、UA値+0.07程度で検討するのがよいか?

・エアコンは室内設置であれば、少ない台数(1台、もしくは1台+補助1台)で全館を空調できる。

・可能であれば、一般の壁掛けエアコンを使った床下エアコンや小屋裏エアコンで全館を空調できる。

 ※注意点としては、快適だけど省エネではない。

 ※成功させるための要件をクリアできるかは要注意。

・エアコンの容量は冷暖房負荷に対して必要最小限の容量で、通常は高効率の平常運転(定格量の半分程度?)で対応でき、かつ、猛暑日や極寒日に不足しない。

・高断熱住宅の課題である、夏期の湿度対策ができる。

・温熱環境をつくりやすい間取りとエアコンの設置位置の提案がある。

・換気計画と空調計画を一体的に考え、換気の空気の流れを踏まえた空調計画が設計できる。

■省エネ性

・太陽光発電をのせる(全般)。

・オール電化でエコキュート(給湯)。

・断熱性/気密性を高める+適切な換気・空調計画(暖房/冷房)。

・換気は熱損失と換気自体の消費エネルギーを考慮して検討(換気)。

 ※主な消費エネルギーの内訳は

 「暖房」「冷房」「換気」「給湯」「照明」「家電」を想定。

■その他性能

・ホームズ君、PHPP、QPEXなどのソフトを使用して、冷暖房負荷、室温、日射などのシミュレーションを行なえる。

④  暮らしやすさ

・長くなるので省略。機会があれば後日どこかで。

⑤  意匠

・長くなるので省略。機会があれば後日どこかで。

 

※以上の「基準」は素人である私たちの独断と偏見によるものであって、一般的に正しいとされていること、推奨されていることとは異なる部分もあるかもしれませんが、その点ご留意いただいた上でご笑覧ください。

※当然ですが、以上の「基準」は希望を書き出したものであって、この中で優先順位をつけて、実現したもの/実現しなかったものがあります。