ニュージーランドの離任式から学ぶ時間の重要性。 | やんしんブログ(数学教師@NZ)

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計算と英語が苦手だったのに、今は英語で数学を教える数学教師。
奥さんはNZ人。
波乱万丈な人生の記録始めました。
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ここ数日じめじめした天気が続いていた中で、今朝は雲一つない晴天!
本当にすがすがしい朝♪

そんな空を眺めていたら、ある先生の顔が目に浮かんだ。

先日は、20年以上うちの学校に勤めていた人の離任式とお疲れさん会がありました。

もちろん、離任式って、日本でも一緒なのですが、スピーチをしますよね。
うちの学校、生徒が3000人を超えるので、教員も200人以上います。
なので、長く勤めた人だけが全員の前でスピーチをする感じになっています。


で、スピーチを聞くたびに思うのですが、やっぱり英語のスピーチはいい。
退屈させないんですよね。
僕もやっとスピーチが聞き取れ、最後の難関とされるジョークもかなりわかってきたので、最近気づくようになったのですが、英語でのスピーチにはメリハリがある。
所々で落とすのが通例になっている。
なので、聞いているほうは、みんなワクワクして目をキラキラさせながら話を聞く。

この姿勢、すてきですよね。
授業がへたくそな人って、勉強一辺倒になって、生徒を笑わせないんですよね。
落ちがあるから、面白みがあるから、人って話を聞くんですよね。
面白くない人の話を聞きたがる人いないよね。
よくありふれた話を卒業式でする偉い人いるけど、あれ、拷問ですよ(笑)

気合を入れた面白いスピーチをする人がいる。
それをキラキラした目で楽しむ人がいる。
しっかりと役割分担されている、この共通理解がその場を特別なものにしているんですよね。

その後、教員だけのお食事会。
かなりきらびやかな食事が並び、そこでパーティ。
おいしいしきれいだし、言うことなし!

そんな料理を準備している人たちを見てふと思った。

例えば戦場で、AチームとBチームが戦っているとする。
チームにはそれぞれ賄担当と戦闘担当の人がいたとする。

そこで、Aチームは
戦闘で大変な思いをしている人を支えたい、少しでも疲れをいやしてあげたいという思いから、限られた材料の中でも最高においしく栄養価の高いものを準備しようとしてくれる料理人がいたとする。
そして、食事の心配などせずに、戦闘でくたくたになるまで戦って、ヘロヘロになった兵士が戻ってきて、おいしい料理に喜んでがっついて、また士気を高め、また必死に戦うとする。

Bチームは
兵士が「お前、料理ばっかしないで、お前も戦えよ」と料理人にプレッシャーをかけていたとする。
料理人は、びくびくイライラしながら、できるだけ文句を言われないようにふるまっているとする。

どっちのチームが強いのかな。
例えBのほうが強かったとしても、命を落とす危険性がある戦場だったら、どっちのチームに所属したいと思うかな。

時間は命。
その時間をどう過ごしたかで、人生って決まるので、時間って命なんですよね。
この兵士と賄人の例は極端にしても、同じ時間をどう使うか考えることって僕らには命の質を決める重要な作業なんですよね。

スピーチを聞く側、スピーチをする側、みんなそれぞれの役割がはっきりしていて、その役割に徹すること。
聞いてくれているんだから、面白いスピーチを書こう。
面白いスピーチをしてくれるんだから、じっと聞こう。

おいしい料理を作ってくれるんだから、俺らは頑張って戦おう。
一生懸命戦ってくれるんだから、おいしい料理を作ろう。

社会ってこうやって成り立っているんだなぁ。
こうやって充実した時間が送れるんだなぁ。
そして、各々の役割がうまく回るようにしているのは、実は「相手の存在への感謝気持ち」なんだなぁ・・・ってつくづく感じた、そんな会でした(^^)