【算数と数学】誕生日のパラドックス⑤ プログラミング思考 | 共明塾 × キッズアース播磨町校

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1970年から兵庫県加古郡・加古川地域て信頼と実績を積み重ねてきた共明塾。
2007年からは東大卒講師を迎え、2017年からはキッズアースと提携し、小学生向けの科学実験教室を始めました。
共明塾はこれからも学ぶ楽しさを発信していきます。

誕生日のパラドックス」最終回では、「プログラミング思考」について考えます。

 

第2回、第3回で、40人のクラスの中に、「同じ誕生日の人がいる確率」と「私と同じ誕生日の人がいる確率」を計算しました。

第4回では、「私と同じ誕生日の人が2人以上いる確率」を出しました。

 

結果だけなら、カシオさんのサイトで、自分のクラスの人数を入れると、答えを得ることが出来ます。

 → カシオ計算サイト「誕生日が一致する確率

 → カシオ計算サイト「自分の誕生日と一致する確率

 


今回は、「結果」ではなく、「計算のプロセス」もっと言えば「考え方のプロセス」を書いてきました。

算数」「数学」というのは、数字の計算をする学問ではなく、純粋な論理学です。

だからこそ、「考え方」というのがとても大切になってくるのです。

 


今回、「40人のクラス」「365日」という大きな数字を扱うに際して、

「人数は4人にして「・冬」の4つの季節で考える」

という手法を取りました。

 

数字を小さくしたケースで「パターン」を見つけ、それをもとに「」を立てることが出来れば、

あとは数字をもとに戻すことで求める答えを得られる、ということなのです。

 


プログラミング思考」という言い方が最近よくされていますが、

パターン認識と、パターンへの分解、パターンの組み合わせ、

という意味では、中難度の数学の問題は、まさに「プログラミング思考」で解けるのです。

 

算数」から「数学」になって感じる「難しさ」は、抽象性が高くなることから生じます。

いままで数字で表されていたものが、「x」「y」という記号で表現されることで、難度が高くなったように感じられます。

しかし、この「x」「y」によって抽象性が高くなることで、どんな時でも使えるという汎用性が高くなるのです。

 

苦手な人は、「x」「y」に小さな数字、分かりやすい数字を入れて考える練習をしてみましょう。

文章題も同じです。具体的な例を小さな数字で考えるようにすると、間違いを減らすことが出来ます。

 


例えば「植木算」の問題を考えてみましょう。

450mの道に、5mおきに木を植える。端から端まで植えるとすると、木は何本必要か。

450/5 = 90 という計算まではすぐに出来るでしょう。

次に端の1本を足せば良いのか、それとも2本足すのか、「90」のままで良いのか、を考えなければいけません。

逆に言えば、端の木をどう処理するかだけの話なので、例えば10mで考えてしまえば良いのです。

10/5 = 2 ですが、植えている木の本数は1本多くなっていますね。

つまり、1本足せば良い、ということが分かります。

 

「植木算なんて覚えてない」ではなく、実際に小さい具体的な例で考えてみれば良いのです。

 


 

簡単な例から、パターンを見抜き、式を立てて、汎用化する。

 

ひらめきや発想の飛躍が必要な超難問は別として、

数学の基本的な問題は、この方法で考えると、答えへの道筋が見えてくることが多いです。

 

 

 

思考機械の事件簿』に登場する、ヴァン・ドゥーゼン教授の決め台詞は

2+2=4である。ときどきそうなるのではなくて、いつも必ず同じ結果をもたらす」です。

どの国でも、どの時代でも、この原則は変わりません。

 

そして教授は(小説の中の主人公ではありますが)

論理的思考さえ出来れば、チェスを初めてやる人間であっても世界チャンピオンに勝てる

と言って、本当に勝ってしまいます。

 

算数」や「数学」の難問に頭を悩ましたら、「論理的思考」に立ち戻って、

簡単な例からパターンを見抜いて解くようにしてみてください。

それを意識するだけで、解けなかった問題が解けるようになりますよ。