【講演会】東大合格勉強法④ 『「かけざん」の順序』問題 | 共明塾 × キッズアース播磨町校

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1970年から兵庫県加古郡・加古川地域て信頼と実績を積み重ねてきた共明塾。
2007年からは東大卒講師を迎え、2017年からはキッズアースと提携し、小学生向けの科学実験教室を始めました。
共明塾はこれからも学ぶ楽しさを発信していきます。

いろいろご縁があり、「浜の宮中学校区 青少年健全育成大会」にて

「僕が勉強を好きになった理由 東大合格勉強法 ~」と題して

講演会をさせて頂きました。

 

今回は講演会の後で質問頂いた『「かけざん」の順序』問題のお話です。

 

テレビやネットでも話題になったことがあるので、

ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

wikiにも「かけ算の順序問題」で載っています(こちら)。

 

掛け算は「1つぶんの数 × いくつ分 = ぜんぶの数」の順序であるとして、
 
例えば
1冊5円のノートを,6冊買ったら,いくら支払えばよいでしょう。」
「ノートを6冊買いました。どれも1冊5円でした。いくら支払えばよいでしょう」
(順番が違うだけで同じ問題です)
に対して、
 
5円×6冊=30(円) 〇
6冊×5円=30(円) ×
 
とするものです(1951年 文部省…wikiによる)
 
正直、私自身のスタンスで言えば、
本人が理屈を理解して式が立てられているなら、
どっちでも良いと思っています。
 
しかし「×を付けた先生」すなわち「採点する側」にとっては、どうでしょうか。
 
先生がこの問題を出した時、問題を通じて理解していて欲しいポイントは、
『掛け算は1つぶんの数 × いくつ分 = ぜんぶの数」である』
ということなのです。

 

計算結果が正解だから良いじゃん、という話ではないのです。

 

この議論が平行線である理由は

正解が出ているのに、なぜ×なのか

プロセスの理解を確認できないから×にせざるを得ない

という認識の差にあるのです。

 

これで×をされた場合、親としてどうすれば良いのか。

どちらの顔も立てようではありませんか。

 

答えはこれで合っているし、良く解けている。

中学生や高校生なら、順番なんて気にしなくても良いから、十分正解だ。

でも、先生は「1つぶんの数 × いくつ分」の順番になっているかな、

それが理解できてるかな、って聞きたくて、この問題を出しているんだ。

計算自体は、順番を変えても構わないんだけど、

先生に「僕は分かってますよ」って伝えるために、

こういう順番で書いた方が良いってことを知っておくと良いね。

 

先生によっては、計算式を端折ることを嫌がる方もいます。

正直、暗算でパッと答えが出ることの方がすごいと思うのですが、

 

答えはこれで合っているし、良く解けている。

でも、先生は、ちゃんと理解して式が立てられるかな、ということを知りたいんだ

先生に、ちゃんと分かっていることを伝えるために、途中の式を書くようにしようね。

 

特に中学受験を考えている方には、まどろっこしいかもしれません。

正直、よっぽどつまらない学校でしか、「かけざん」の順序は問われないでしょう。

(一方で「鶴亀算」などについて、方程式で解くことを禁じている私立は多いです。

これは「小学生の知識を組み合わせて解くこと」を、ちゃんと重視しているからです)

 

でも、ここまで出来ている小学生なら、

ちゃんと理由を説明すれば、

〇をもらって帰れるようになるはずです。

 

親が「先生おかしいよね」と煽ってしまえば、

子どもを「助長」することになりかねません。

 

「100年の難問」と言われたポアンカレ予想を解いたロシアのペレルマン博士は、

学生時代、数学の問題の証明をした際、

担当の教官から「ここの証明が足りていない」と言われて、

そんなこと自明ではありませんか」と答えたそうです。

 

かっこ良いですね。

 

 

 

しかし、たとえ本人にとって答えが「自明」であっても、

小学校の先生が採点するのは、テストの紙の上でしかないわけです。

 

先生のために、丁寧に式を書いてあげてね

先生のために、順番通りに書いてあげてね

 

と話をしてあげるのが、親としての落としどころかな、と思います。

 

 

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