いろいろご縁があり、「浜の宮中学校区 青少年健全育成大会」にて
「僕が勉強を好きになった理由~東大合格勉強法 ~」と題して
講演会をさせて頂きました。
今回は講演会の後で質問頂いた『「かけざん」の順序』問題のお話です。
テレビやネットでも話題になったことがあるので、
ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
wikiにも「かけ算の順序問題」で載っています(こちら)。
「1冊5円のノートを,6冊買ったら,いくら支払えばよいでしょう。」
「ノートを6冊買いました。どれも1冊5円でした。いくら支払えばよいでしょう」
計算結果が正解だから良いじゃん、という話ではないのです。
この議論が平行線である理由は
「正解が出ているのに、なぜ×なのか」
「プロセスの理解を確認できないから×にせざるを得ない」
という認識の差にあるのです。
これで×をされた場合、親としてどうすれば良いのか。
どちらの顔も立てようではありませんか。
「答えはこれで合っているし、良く解けている。
中学生や高校生なら、順番なんて気にしなくても良いから、十分正解だ。
でも、先生は「1つぶんの数 × いくつ分」の順番になっているかな、
それが理解できてるかな、って聞きたくて、この問題を出しているんだ。
計算自体は、順番を変えても構わないんだけど、
先生に「僕は分かってますよ」って伝えるために、
こういう順番で書いた方が良いってことを知っておくと良いね。」
先生によっては、計算式を端折ることを嫌がる方もいます。
正直、暗算でパッと答えが出ることの方がすごいと思うのですが、
「答えはこれで合っているし、良く解けている。
でも、先生は、ちゃんと理解して式が立てられるかな、ということを知りたいんだ
先生に、ちゃんと分かっていることを伝えるために、途中の式を書くようにしようね。」
特に中学受験を考えている方には、まどろっこしいかもしれません。
正直、よっぽどつまらない学校でしか、『「かけざん」の順序』は問われないでしょう。
(一方で「鶴亀算」などについて、方程式で解くことを禁じている私立は多いです。
これは「小学生の知識を組み合わせて解くこと」を、ちゃんと重視しているからです)
でも、ここまで出来ている小学生なら、
ちゃんと理由を説明すれば、
〇をもらって帰れるようになるはずです。
親が「先生おかしいよね」と煽ってしまえば、
子どもを「助長」することになりかねません。
「100年の難問」と言われたポアンカレ予想を解いたロシアのペレルマン博士は、
学生時代、数学の問題の証明をした際、
担当の教官から「ここの証明が足りていない」と言われて、
「そんなこと自明ではありませんか」と答えたそうです。
かっこ良いですね。
しかし、たとえ本人にとって答えが「自明」であっても、
小学校の先生が採点するのは、テストの紙の上でしかないわけです。
「先生のために、丁寧に式を書いてあげてね」
「先生のために、順番通りに書いてあげてね」
と話をしてあげるのが、親としての落としどころかな、と思います。
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