「さちさん今日は早番でしょ、仕事が終わったらお茶でもしましょうよ」
と岩井さんから誘われたのは佐々木さんが私に忠告してくれてからまもなくの頃でした。
普段よくしてもらってる岩井さんからの誘いに
「早上がりで子供を迎えにいくまでの間の短い時間ですけど、よろしいですか?」
と快く応じました。
この誘いがこの後のとんでもないことの全てのきっかけになるとは思いもよりませんでした。
しかし、その時の私にはこの誘いに断る理由がなかったのです。
今となってはあの佐々木さんの何気ない忠告がのちの重要なブレーキだったんだなと気付くのはそれから大分後になってのことだったのです。
「着替えたら近くのファミレスに行ってて」
と言われたとおり私は近くのファミレスに行き岩井さんが来るのを待ちました。
その後すぐに岩井さんはやってきました。
「ごめんなさいね、急に誘っちゃって、最近どう?子供さんとか大変じゃない?」
「ここのパート代だけじゃ大変じゃないかなって余計なお世話かもしれないけど心配になっちゃってさ」
「ええ、大変なのは大変ですけど何とかやってます。色々心配してくださってありがとうございます。」
「そう、それならいいんだけどね、何か困ったことがあったら何でも言ってね。」
この時の私は心の底から岩井さんってホントにやさしい面倒見のいい人だなって思っていました。
「岩井さん、今日は何のお話なんですか、わざわざその話のためだけ言っていただいたわけじゃないですよね」
「うんっ、いいのいいの。最近どうかなって思っただけだから。もし何か困ってるんだったら少しでも何か手助けできないかなってね、余計なお世話よね」
「いいえ、そんなことありませんよ、いつもそうやって心配して声をかけていただいてるだけでも心強いんですから、ありがとうございます。」
「あらそう、そう思ってくれてるならいいんだけど。まあついでだからお話するんだけどね、あなただけだから他の人には言わないでね」
「あっ、はい」
「実はね、ここのパートをやりながら他にお金が稼げる話しがあるんだけど興味ない?」
「えっ、今のお仕事しながらお金が稼げるんですか?」![]()
(続く)