道
地図にない道を歩こうとしているわけじゃない。
たくさんの道しるべや地図に恵まれて歩いているのに、
どうして迷っているんだろう。
あんなに良くできた地図を見ていたのに
見覚えがあるのは、地名だけ。
道しるべに至っては、
通り過ぎたずっと後でその意味がわかる始末だ。
上を見れば
沈黙を誘う薄曇りで、
下を見れば
必死に走ったようなとびとびの古い足跡。
いま僕は、途方もない散歩の途中だ。
同じように途方もない散歩を続ける人々と、
挨拶だけを積み重ねている。
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