お泊まり恋愛詩 -32ページ目

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


ミニチュア


雪に包まれると 街はミニチュアに見える
視界は澄み渡っているのに
音を遮る何かに満ちている


駅から駅へ
乗り換えは立川駅


がらんとした青梅線の中で君は座らない
君はずっと自分の服装を気にしている
スニーカーと靴下と暖かそうなえんじ色のコート
ベージュの革手袋とふわふわの白いマフラー
たわいのない話をしても
すれ違いの繰り返し


  ばれてない?


  きにしすぎてると ばれちゃうよ?


駅から出ても
僕は君の肩を抱いて話し続ける
君のほうは 気が散ってばかり
気持ちは分かる だからそのまま


歩く
話す
歩く
ひとりで笑う
 でも 君も笑顔を見せる
歩く
話す
歩く
景色をほめる
 君も同じ意味のことを言う
そして登る
話が途切れる
またも登る


起伏を歩くときの
コートのすそを気にするしぐさが可愛い
普段はスカートがめくれてもあんまり気にしない君が
こんなに可愛くなるなんて 期待以上だよ


梅園の奥の人気のない山道
敷地内なのに整備されておらず
獣道と人の道の中間ぐらい


  そろそろ良いんじゃないかな


手袋を君がはずして
マフラーを 僕がほどく
ボタンを君がはずして
コートを 僕が背中からぬきとる
それでもう 脱がすものは何もない
君の肌が光る
枯れ枝の中でひときわすべすべと


コートとマフラーを僕の鞄におさめて
1キロ四方でいちばんやわらかな丘を
こねる
そして
1キロ四方でいちばんやわらかな谷を
いらう
火照るのはあっという間だ
あたたかくふくらむような感触が伝わってくる


たてないのにしゃがめない君をささえて
いつもより熱っぽいくちびるを味わう


君の呼気に包まれると 世界がミニチュアに思える


祝日はカスタムブラ


印は 君に着けてもらって写し取った

カップの中央の重要な点だ


マッキーで印を付けた場所の中心に

「*」のかたちの切れ目を入れる

表と裏地を同じように切るのが頑張りどころ


  やめようよ

  これ やっぱ 頭わるすぎ


という意味の言葉を何度か聞いたけど

僕の手は止まらない

楽しそうな僕を見て

君はいろいろあきらめたらしい


「*」の切れ目を囲むように

直径2センチ弱のプラスチックの環を乗せる

もちろん載せるのは内側から

そして 切れ目を広げてプラスチックの環を包むようにかぶせる

ここでまち針


後は機械的な作業だ

プラスチックの環をしっかり支えるように

丁寧に縫えばいい


丸い窓付きのカスタムブラのできあがりだ


君は あきれ顔をしながら

内心 恥ずかしい想像をしている

表情から読み取れるよ


  じゃあ

  次はこれに合うタンクトップを作ろう


ばかでもいい 僕はノリノリだ


サービスタイムのラブホテル


換気扇の音が聞こえる
遠く自動車の音が混じる
冷蔵庫の音
蛍光灯の音
すぐそばで呼吸が聞こえる


力の動きを抱きしめている
息を詰める気配を
熱を持った頬を


たたんだ制服と下着
開封した紙おむつのパッケージ
君の鞄と僕の鞄
カードキーとケータイ2つ
それが気配のないものたち


注入してから10分
追加してからもう5分経つ


さっきまでは
舌先でつつきあったり
唇同士を押しつけて乱れ合わせたり


そのあとは
髪を撫でたり梳いたり
背中から腰までをさすったり


そして今は
腕に力をこめるだけ


いつのまにか
細い両脚が僕の右脚を挟んでいる
紙の触れる感触


外ではきっと 午後の熱が冷め始めている
部屋の中では むき出しの熱を抱いている
たぶん
触れながら感じ取っているこの力の動きが
熱源に違いない


さっきから限界の予兆が続いている
力の動きも 息も 熱も
僕の腕の中にある からだ まるごと


限界の瞬間を感じ取ったら
もう1度唇を合わせよう


そしてそれは もうすぐ