お泊まり恋愛詩 -18ページ目

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


深呼吸


広い景色は引力を発揮する

山頂で空に吸われるのと同じ原理だけれど

マンションの上層階は少し危険だ

空が広い日にはなおのこと

空が広い夜はさらに


危険な衝動を風に逃がす

そしてかわりに吸い込むのは

季節の香り


子供だった僕たちが可愛い


花火大会の帰り道

彼女はべそっかきで

僕はやけっぱちで

喧嘩をしたまま手をつないで

歩いて彼女の家まで


花火大会の直後

浴衣の隙間という隙間から

色々と手を入れて黒ヒゲ危機一髪

着付けのできない彼女が

浴衣をおかしくしないでと頼んできて

僕はやわらかい肌に脳をやられていて


そんなにひといことはしていないのに

乱れた浴衣は寂しく被虐的で

彼女はべそっかきで

僕はやけっぱちで

喧嘩をしたまま指を絡めていて


そして

あの出来事の跡地がここだ

ほどよく寂れた市民プールの前庭

近くには菖蒲園


思い出せば思い出すほど

子供だった僕たちが可愛い


ひとりごはん 普通のパスタ


今日はひとりごはん

沸騰したお湯にうまい塩をひとつまみ

キッチンタイマーを5分にセット


  大学生の時 友達と友達の彼女に作ってあげた

  時間を間違えて硬すぎたパスタを思い出す

  あそこで失敗したおかげで当時の彼女には

  ちょっと自慢できるゆで加減のパスタを作ってあげられた

  ソースを作るのははじめから得意だったから


今日はひとりごはん

パスタをひねって鍋にざわっと広げる

98度を維持するための火力の調整


  高校生の時 お気に入りだった屋台式のパスタ屋

  僕はラブホテルのことばかり考えていて

  彼女もラブホテルのことばかり考えていた

  僕は彼女のスポーツ少女っぽい私服に惚れきっていて

  後で聞いた話 彼女のほうは お店で注文をする僕のことを

  おとなっぽいなんて思っていたらしい 危なっかしい話だよね


今日はひとりごはん

ゆであげたパスタをざるにあけて

オリーブオイルを回しかけて揺する


  中学生 ローションの存在を知らなかった頃

  自宅のキッチンから時々オリーブオイルをくすねていた

  普通の僕を普通の彼女に差し込みながら

  お尻を指でかき混ぜるだけで特別な行為だった

  彼女の友達が僕にじゃれついてきたとき

    過激すぎてあんたなんか彼とつきあえないってば

  なんて彼女は優越発言していた


時間軸を縦につなぐ回想の鍵

パスタは普通の出来でも

甘酸っぱい情景が美味しい