婚活小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の婚カツ(コンカツ)物語』 -31ページ目

『7』 シュークリームと、△(第3回『△のきもち』)

第3回『『△のきもち


この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード のサイト上で、連載しているブログ小説『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語(大阪・京都・神戸;関西)』 のアメブロ版として、連載しています。


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■最初から読む    → 『1』姉に付き添われて

■前回のお話はこちら → 『6』東京で働いて気づいたこと

■今回のお話はこちら ↓ 『7』シュークリームと、△



幸平は、沙紀とのお見合いの答えを電話ではなく自分でもってきた。


美味しそうなシュークリームを携えて。


「こんにちは、優子さん」

「そう。本当は私と会いたいのね」

「ばれましたか」  


幸平は優子にならそんな冗談を返せた。  


ブースに座ると、手土産のシュークリームとコーヒーが運ばれてきた。


「それで。幸平さんのお気持ちは」  


優子に真面目に問われると、幸平は口ごもった。


「なんかほっとする女性だと思いました」

「あら、よかったわ。じゃ... 」  


その時、幸平は顔をあげて、優子の目を申し訳なさそうに見た。


「他の人とも、会っちゃダメですかね」

「沙紀さんのことはどうするの」

「今は△じゃダメですか」

「... 」  


優子はしかめっ面をした。


普通ならそんなことはさせない。  


いろんな人に会えば会うほど、比べて悩み、結局どっちつかずになってしまった例が過去にあったからだ。


でも、確かに幸平にとってはこれが初めてのお見合いだったのだった。 


それにあまり恋愛経験も豊富ではなさそうだ。


初めて出会った相手といきなり決めてしまうには、不安もあるのかもしれない。


優子は幸平の心の底にある誠実さを信じることにした。


「あまりこんなことはしないんだけれど、他の方にも一度お会いになりますか」

「はいっ」  


幸平は勢いよく返事をすると、自分でもってきたシュークリームを「いただきます」と手にした。  


「そうですか。△ですか」  


幸平の返事を聞いた沙紀の声は静かで淡々としていた。


しかし優子はその声の向こうにある落胆を痛いほど感じた。


「でも、会いたくないというわけではないですから。

何度か会ってみて、気持ちを固めていくという場合もあります。

ぜひお二人で会ってみてください」

「わかりました。ありがとうございます」  


電話を切ろうとする沙紀に、優子は急いで付け加えた。


「おおらかにね、沙紀さん。彼のこと、見守ってあげてほしいんです」

「... 」  


少し、沈黙があった。それは沙紀がこれからのことを決意するための数秒だった。


「山本さん。私は、もう決めてますから」  


優子はその言葉に深く頷いた。  


幸平の返事は△でも、沙紀の思いが深ければ、この二人の縁は成就する。


それはまだ確信ではなく、優子のひそかな願いだった。



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↓第3回『△のきもち』のバックナンバーはこちら



『1』 姉に付き添われて

『2』 ひとりぼっちの理由

『3』 いろんな人に出会いたい

『4』 気品の人

『5』 一番美味しいもの

『6』 東京で働いて気づいたこと



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