『7』 シュークリームと、△(第3回『△のきもち』)
第3回『『△のきもち』
この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード
のサイト上で、連載しているブログ小説『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語(大阪・京都・神戸;関西)』
のアメブロ版として、連載しています。
人気ブログ小説ランキングに参加しています。 小説の内容にご満足いただけましたら、応援クリックが投票となりますので、是非、クリックよろしくお願いいたします。
■最初から読む → 『1』姉に付き添われて
■前回のお話はこちら → 『6』東京で働いて気づいたこと
■今回のお話はこちら ↓ 『7』シュークリームと、△
幸平は、沙紀とのお見合いの答えを電話ではなく自分でもってきた。
美味しそうなシュークリームを携えて。
「こんにちは、優子さん」
「そう。本当は私と会いたいのね」
「ばれましたか」
幸平は優子にならそんな冗談を返せた。
ブースに座ると、手土産のシュークリームとコーヒーが運ばれてきた。
「それで。幸平さんのお気持ちは」
優子に真面目に問われると、幸平は口ごもった。
「なんかほっとする女性だと思いました」
「あら、よかったわ。じゃ... 」
その時、幸平は顔をあげて、優子の目を申し訳なさそうに見た。
「他の人とも、会っちゃダメですかね」
「沙紀さんのことはどうするの」
「今は△じゃダメですか」
「... 」
優子はしかめっ面をした。
普通ならそんなことはさせない。
いろんな人に会えば会うほど、比べて悩み、結局どっちつかずになってしまった例が過去にあったからだ。
でも、確かに幸平にとってはこれが初めてのお見合いだったのだった。
それにあまり恋愛経験も豊富ではなさそうだ。
初めて出会った相手といきなり決めてしまうには、不安もあるのかもしれない。
優子は幸平の心の底にある誠実さを信じることにした。
「あまりこんなことはしないんだけれど、他の方にも一度お会いになりますか」
「はいっ」
幸平は勢いよく返事をすると、自分でもってきたシュークリームを「いただきます」と手にした。
「そうですか。△ですか」
幸平の返事を聞いた沙紀の声は静かで淡々としていた。
しかし優子はその声の向こうにある落胆を痛いほど感じた。
「でも、会いたくないというわけではないですから。
何度か会ってみて、気持ちを固めていくという場合もあります。
ぜひお二人で会ってみてください」
「わかりました。ありがとうございます」
電話を切ろうとする沙紀に、優子は急いで付け加えた。
「おおらかにね、沙紀さん。彼のこと、見守ってあげてほしいんです」
「... 」
少し、沈黙があった。それは沙紀がこれからのことを決意するための数秒だった。
「山本さん。私は、もう決めてますから」
優子はその言葉に深く頷いた。
幸平の返事は△でも、沙紀の思いが深ければ、この二人の縁は成就する。
それはまだ確信ではなく、優子のひそかな願いだった。
![]()
※この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード のサイト上で、連載しているブログ小説『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語(大阪・京都・神戸;関西)』 のアメブロ版として、連載しています。
始めたばかりですが、アメブロでもどうぞよろしくお願いいたします。
↓第3回『△のきもち』のバックナンバーはこちら ↓
いつもご愛読頂きましてありがとうございます。