『9』 高島家のガーデン・パーティ(第3回『△のきもち』)
第3回『『△のきもち』
この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード
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それから三ヵ月後。
沙紀は幸平を自宅のガーデン・パーティに招待した。
梅雨明けの猛暑の前に必ずやる会で、
父親の腹心の部下たちや近所のゴルフ仲間、
母親の友達など、気のおけない人たちが集まる。
今年の初めに芦屋に戻ってきた沙紀は、疎遠になっていた学生時代の友達数人も呼んだ。
6種類のカレーとサラダや温野菜、
生ハムやチーズを並べる気軽な会で、
ビールと白ワインがあっという間に空いていく。
幸平はこの日、土曜日でも夕方まで仕事をしていた。
「少し遅くなるけれど必ず行きます」という返事をもらって、沙紀は腕によりをかけて料理に臨んだ。
「サラダのお皿、もう少し大きいといいんだけどなあ。
お母さん、木をくりぬいた、ほら、ニュージーランドで買ってきたボール、出してきてもいいかしら」
「はいはい」
母親はくすくす笑って、どこかから大きなボールを出してきた。
「なんか張り切ってるわね、沙紀」
「普通よ、普通」
気持ちを見透かされたようで、沙紀は頬を赤らめた。
5時になると、最初の客が現れた。
6時にはもう、大きな庭が埋め尽くされるほどの人が集まってきた。
料理の手伝いに来てくれている二人の女性がオーブンから焼きたてのナンを出してくると、
あっという間にあちこちから手が伸びてなくなっていった。
「沙紀ちゃん、おかえりなさい。お父様、あなたがいると今日は顔が違うわ」
近所に住む母親の友達がワイングラスを片手に沙紀に話しかけた。
「そうですか?... 寂しがってましたか」
「そりゃもう。年頃の女の子が家にいるだけで、ぽっとお花が咲いたようよ。一人娘なんだもの、なおさらだわ」
沙紀は相槌を打って微笑みながら、頭のなかでは幸平のことばかり考えていた。
まだ仕事をしてるんだろうか。
それとも、ここに来ることにためらいがあるのだろうか。
7時を回っても、幸平は現れなかった。
8時になると、そろそろ帰る客が現れ始めた。
沙紀の友人たちも帰ってしまった。
沙紀はカレーやサラダの残骸をふと見つめた。
心の中に「△」が浮かんでいた。
幸平が自分に対して出した最初の答え。
自分への第一印象だ。
私は「○」じゃないんだ、やっぱり。
あの人は私のことをそんなに気にかけてはいないんだ。...
今ここにまだ幸平が現れないという事実が、それを表しているような気がした。
涙が出そうになった。
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