婚活小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の婚カツ(コンカツ)物語』 -29ページ目

『9』 高島家のガーデン・パーティ(第3回『△のきもち』)

第3回『『△のきもち


この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード のサイト上で、連載しているブログ小説『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語(大阪・京都・神戸;関西)』 のアメブロ版として、連載しています。


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■最初から読む     →『1』姉に付き添われて
■前回のお話はこちら →『8』若くてキレイな2番目の相手
■今回のお話はこちら ↓『9』高島家のガーデン・パーティ


それから三ヵ月後。  


沙紀は幸平を自宅のガーデン・パーティに招待した。  


梅雨明けの猛暑の前に必ずやる会で、

父親の腹心の部下たちや近所のゴルフ仲間、

母親の友達など、気のおけない人たちが集まる。


今年の初めに芦屋に戻ってきた沙紀は、疎遠になっていた学生時代の友達数人も呼んだ。  


6種類のカレーとサラダや温野菜、

生ハムやチーズを並べる気軽な会で、

ビールと白ワインがあっという間に空いていく。  


幸平はこの日、土曜日でも夕方まで仕事をしていた。


「少し遅くなるけれど必ず行きます」という返事をもらって、沙紀は腕によりをかけて料理に臨んだ。


「サラダのお皿、もう少し大きいといいんだけどなあ。

お母さん、木をくりぬいた、ほら、ニュージーランドで買ってきたボール、出してきてもいいかしら」

「はいはい」  


母親はくすくす笑って、どこかから大きなボールを出してきた。


「なんか張り切ってるわね、沙紀」

「普通よ、普通」  


気持ちを見透かされたようで、沙紀は頬を赤らめた。  


5時になると、最初の客が現れた。


6時にはもう、大きな庭が埋め尽くされるほどの人が集まってきた。  


料理の手伝いに来てくれている二人の女性がオーブンから焼きたてのナンを出してくると、

あっという間にあちこちから手が伸びてなくなっていった。


「沙紀ちゃん、おかえりなさい。お父様、あなたがいると今日は顔が違うわ」  


近所に住む母親の友達がワイングラスを片手に沙紀に話しかけた。


「そうですか?... 寂しがってましたか」

「そりゃもう。年頃の女の子が家にいるだけで、ぽっとお花が咲いたようよ。一人娘なんだもの、なおさらだわ」  


沙紀は相槌を打って微笑みながら、頭のなかでは幸平のことばかり考えていた。  


まだ仕事をしてるんだろうか。


それとも、ここに来ることにためらいがあるのだろうか。  


7時を回っても、幸平は現れなかった。  


8時になると、そろそろ帰る客が現れ始めた。


沙紀の友人たちも帰ってしまった。  


沙紀はカレーやサラダの残骸をふと見つめた。


心の中に「△」が浮かんでいた。


幸平が自分に対して出した最初の答え。


自分への第一印象だ。  


私は「○」じゃないんだ、やっぱり。  


あの人は私のことをそんなに気にかけてはいないんだ。... 


今ここにまだ幸平が現れないという事実が、それを表しているような気がした。  


涙が出そうになった。

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↓第3回『△のきもち』のバックナンバーはこちら



『1』 姉に付き添われて

『2』 ひとりぼっちの理由

『3』 いろんな人に出会いたい

『4』 気品の人

『5』 一番美味しいもの

『6』 東京で働いて気づいたこと

『7』 シュークリームと、△

『8 』若くてキレイな2番目の相手



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