私は変態だ。
いや、正確に言おう。
私は...変態だ。
私は今日、生まれて初めての経験をした。
私は今日、生まれて初めて25歳を経験をしたのだ。
別の言い方をしよう。
1πを1年とする。
πは基本的に2つセットなので2πとなる。
分母が2。
分子が25となるので正数では割り切れないが12.5πとなる。
つまり私は12.5π分の人生を今日初めて体験した事になるのだ。
12.5πである。
囲まれたら正に壮大な景色であろうと想像する。
しかしお触りをしてはならない。
お触りをしたら途端に現実世界に引き戻されてしまうのだ。
ここにはそういうルールがある。
触りたいものは触れないもの。
すなわち触れないものは触りたいものでもある。
さきっちょだけでも。
いけない。
私は今日一日をこの世界で過ごすと決めたのだ。
12.5πの立ち並ぶ場所。
その中央で回転を続けるこの椅子の上を離れる事はそれすなわち今日という特別な日を普通の日として終える事になるのだ。
12.5π。
12.5πである。
私の人生において12.5πとは果たしてどれほどの意味を持つのだろう。
12.5π。
それは君が見た光。
僕が見た希ぼ...
危うく完全な状態で歌い切ってしまう所だった。
危なかった。
12.5π。
それは正に壮大なあれのよう。
12.5π。
それは正に繊細なあれのよう。
あれのようでもある。
12.5π。
12.5π。
12.5π...
どうやら触れてしまったようだ。
時計は0時5分を表示している。
どうやら私はやり遂げたようだ。
結果としてわかった事がある。
私にとって12.5πとは手の甲で触れてしまうものであったという事だ。
変態と現実とを結ぶ想像力。
プライスレス。
伝記 変態探訪より抜粋
僕ははにわだ。
土の中に埋まっている。
暗い土の中でもう何年を過ごしたのだろう。
数百年...数千年...多分そんなものだろう。
いつだったからか数えるのをやめてしまった。
土の中は明かりが入らない。
朝も夜もここにはないのだ。
そんな僕が一筋ばかりの輝きを抱いたのは多分数日前のこと。
遠く微かに人の声が聞こえた時の事だ。
現代人による発掘作業というやつだろう。
久々の光を手にできるかもしれない。
胸が焼けるように熱くなる。
一度焼かれてはいるのだが。
ちょっとしたジョークだ。
言っていなかったが今遠くにうっすらと光が差し込んでいる。
光は土がえぐられるような音と共に少しずつ大きく強く変化している。
まぶしい。
そう思った瞬間僕は教授と呼ばれる人間の手の中にいた。
3人の人間が僕の事を見ている。
彼らは不思議な程に感嘆の声を上げた。
これは珍しい。
彼らから聞こえた声の原因はどうやら僕の腕の形状にあるようだった。
僕の右腕は横向きに出ている。
そして関節から上に向かって折れている。
そして第二関節つまり手首の部分から外側に折れているのだ。
この手首から先が珍しいらしい。
左腕は右腕と同じ形状で上下が逆になっている。
世紀の大発見だと教授と呼ばれる人間が叫んでいる。
そんな事はどうだっていいのだ。
僕は何年振りかの太陽をしみじみと全身に感じていたいのだ。
太陽は暖かく眩しい。
この焼けるような胸の熱さは暗闇に眠り続けたからこその味わいであるのだろう。
一度焼かれてはいるのだが。
ちょっとしたジョークだ。
この胸の焼けるような熱さを考えたら暗闇で眠り続けるのも悪くない。
一度焼かれてはいるのだが。
ちょっとしたジョークだ。
教授と呼ばれる人間が研究員と呼ばれる人間へと僕を渡そうとしていた。
地面がどんどんと近づいている気がする。
教授と呼ばれる人間と研究員と呼ばれる人間が歪んだ表情を見せている。
手からこぼれ落ちた僕がこれ程考えを巡らせられているという事はこれが走馬灯と呼ばれるものなのだろう。
もう時間がないようだ。
最後に光が見れてよかった。
さよなら。
...
どうやら助かったようだ。
しかし僕は頭だけになってしまった。
胴体は粉々に砕け散ったらしい。
人間達は無かった事にするため僕をまた埋めようとしている。
また暗い土の中に戻る事になるらしい。
沢山のはにわが今でも土の中で光を求めて生き続けている。
全てのはにわが掘り起こされる日の事を僕は夢に見ている。
こういう綺麗な終わり方どうかな?
伝記 はにわの生き様100連発より抜粋
土の中に埋まっている。
暗い土の中でもう何年を過ごしたのだろう。
数百年...数千年...多分そんなものだろう。
いつだったからか数えるのをやめてしまった。
土の中は明かりが入らない。
朝も夜もここにはないのだ。
そんな僕が一筋ばかりの輝きを抱いたのは多分数日前のこと。
遠く微かに人の声が聞こえた時の事だ。
現代人による発掘作業というやつだろう。
久々の光を手にできるかもしれない。
胸が焼けるように熱くなる。
一度焼かれてはいるのだが。
ちょっとしたジョークだ。
言っていなかったが今遠くにうっすらと光が差し込んでいる。
光は土がえぐられるような音と共に少しずつ大きく強く変化している。
まぶしい。
そう思った瞬間僕は教授と呼ばれる人間の手の中にいた。
3人の人間が僕の事を見ている。
彼らは不思議な程に感嘆の声を上げた。
これは珍しい。
彼らから聞こえた声の原因はどうやら僕の腕の形状にあるようだった。
僕の右腕は横向きに出ている。
そして関節から上に向かって折れている。
そして第二関節つまり手首の部分から外側に折れているのだ。
この手首から先が珍しいらしい。
左腕は右腕と同じ形状で上下が逆になっている。
世紀の大発見だと教授と呼ばれる人間が叫んでいる。
そんな事はどうだっていいのだ。
僕は何年振りかの太陽をしみじみと全身に感じていたいのだ。
太陽は暖かく眩しい。
この焼けるような胸の熱さは暗闇に眠り続けたからこその味わいであるのだろう。
一度焼かれてはいるのだが。
ちょっとしたジョークだ。
この胸の焼けるような熱さを考えたら暗闇で眠り続けるのも悪くない。
一度焼かれてはいるのだが。
ちょっとしたジョークだ。
教授と呼ばれる人間が研究員と呼ばれる人間へと僕を渡そうとしていた。
地面がどんどんと近づいている気がする。
教授と呼ばれる人間と研究員と呼ばれる人間が歪んだ表情を見せている。
手からこぼれ落ちた僕がこれ程考えを巡らせられているという事はこれが走馬灯と呼ばれるものなのだろう。
もう時間がないようだ。
最後に光が見れてよかった。
さよなら。
...
どうやら助かったようだ。
しかし僕は頭だけになってしまった。
胴体は粉々に砕け散ったらしい。
人間達は無かった事にするため僕をまた埋めようとしている。
また暗い土の中に戻る事になるらしい。
沢山のはにわが今でも土の中で光を求めて生き続けている。
全てのはにわが掘り起こされる日の事を僕は夢に見ている。
こういう綺麗な終わり方どうかな?
伝記 はにわの生き様100連発より抜粋
俺は凄い事に気づいてしまった。
俺だけではなく、俺の仲間達全員の天地を揺るがすような事である。
俺達は旨いと思って食われていないのではないだろうか。
なんてこった。
いつからだろう。
スイーツの乱立によってお菓子に陰が見え始めた頃から俺達を買い求める人間は明らかに減っていたのに。
仲間達にも伝えなくてはならない。
なぜなら俺の命はもう長くはないからだ。
いやまて。
本当にスイーツの乱立による甘味戦国時代からの衰退だったのだろうか?
キューブ状のデパートで扱われるマシュマロの登場前にも実はきっかけがあったのではないだろうか?
ある文献によればチョコレートが中に入ったライバルマシュマロが登場した頃から我々の需要は明らかに減ったとなっていた。
なるほど。
この頃から俺達の未来は陰り始めていたのか。
なぜ俺達は進化出来なかったのか。
今となっては悔やまれる結果だがそれも仕方が無い。
俺にはもう時間がないのだ。
とにかく仲間達にこの事実を伝えなくては。
俺には未来はない。
しかし俺より後に生まれたあいつらには可能性がある。
過去の栄光に捕われるな。
このままでは俺達に俺達に未来は・・・
子供が俺を手に掴んだようだ。
俺はマシュマロとして幸せな終わりを迎えられるのかもしれない。
仲間達には申し訳ないが死に際は美しく死にたいと思う。
さあ、思う存分頬張ってくれ。
・・・袋の上からぐにぐにされて飴玉の箱に放り込まれた。
何度この思いを味わっただろう。
最後に期待しても俺に幸せなんて訪れないようだ。
廃れた駄菓子屋に置かれるマシュマロの運命か。
仲間達に話しかける事も出来そうにない。
まぁ元々ビニール袋に包まれて声なんて届かないのだが。
何時間が経っただろう。
もう店も閉店して何百度目の真っ暗な世界だ...。
だんだん意識も遠のいてきた...。
日付...が...そろ...そろ...変わる...の...だろ...う...。
さよ...な...ら...。
2018年12月5日 マシュマロ 過労死(期限切れ)
俺だけではなく、俺の仲間達全員の天地を揺るがすような事である。
俺達は旨いと思って食われていないのではないだろうか。
なんてこった。
いつからだろう。
スイーツの乱立によってお菓子に陰が見え始めた頃から俺達を買い求める人間は明らかに減っていたのに。
仲間達にも伝えなくてはならない。
なぜなら俺の命はもう長くはないからだ。
いやまて。
本当にスイーツの乱立による甘味戦国時代からの衰退だったのだろうか?
キューブ状のデパートで扱われるマシュマロの登場前にも実はきっかけがあったのではないだろうか?
ある文献によればチョコレートが中に入ったライバルマシュマロが登場した頃から我々の需要は明らかに減ったとなっていた。
なるほど。
この頃から俺達の未来は陰り始めていたのか。
なぜ俺達は進化出来なかったのか。
今となっては悔やまれる結果だがそれも仕方が無い。
俺にはもう時間がないのだ。
とにかく仲間達にこの事実を伝えなくては。
俺には未来はない。
しかし俺より後に生まれたあいつらには可能性がある。
過去の栄光に捕われるな。
このままでは俺達に俺達に未来は・・・
子供が俺を手に掴んだようだ。
俺はマシュマロとして幸せな終わりを迎えられるのかもしれない。
仲間達には申し訳ないが死に際は美しく死にたいと思う。
さあ、思う存分頬張ってくれ。
・・・袋の上からぐにぐにされて飴玉の箱に放り込まれた。
何度この思いを味わっただろう。
最後に期待しても俺に幸せなんて訪れないようだ。
廃れた駄菓子屋に置かれるマシュマロの運命か。
仲間達に話しかける事も出来そうにない。
まぁ元々ビニール袋に包まれて声なんて届かないのだが。
何時間が経っただろう。
もう店も閉店して何百度目の真っ暗な世界だ...。
だんだん意識も遠のいてきた...。
日付...が...そろ...そろ...変わる...の...だろ...う...。
さよ...な...ら...。
2018年12月5日 マシュマロ 過労死(期限切れ)