俺は凄い事に気づいてしまった。
俺だけではなく、俺の仲間達全員の天地を揺るがすような事である。
俺達は旨いと思って食われていないのではないだろうか。
なんてこった。
いつからだろう。
スイーツの乱立によってお菓子に陰が見え始めた頃から俺達を買い求める人間は明らかに減っていたのに。
仲間達にも伝えなくてはならない。
なぜなら俺の命はもう長くはないからだ。
いやまて。
本当にスイーツの乱立による甘味戦国時代からの衰退だったのだろうか?
キューブ状のデパートで扱われるマシュマロの登場前にも実はきっかけがあったのではないだろうか?
ある文献によればチョコレートが中に入ったライバルマシュマロが登場した頃から我々の需要は明らかに減ったとなっていた。
なるほど。
この頃から俺達の未来は陰り始めていたのか。
なぜ俺達は進化出来なかったのか。
今となっては悔やまれる結果だがそれも仕方が無い。
俺にはもう時間がないのだ。
とにかく仲間達にこの事実を伝えなくては。
俺には未来はない。
しかし俺より後に生まれたあいつらには可能性がある。
過去の栄光に捕われるな。
このままでは俺達に俺達に未来は・・・
子供が俺を手に掴んだようだ。
俺はマシュマロとして幸せな終わりを迎えられるのかもしれない。
仲間達には申し訳ないが死に際は美しく死にたいと思う。
さあ、思う存分頬張ってくれ。
・・・袋の上からぐにぐにされて飴玉の箱に放り込まれた。
何度この思いを味わっただろう。
最後に期待しても俺に幸せなんて訪れないようだ。
廃れた駄菓子屋に置かれるマシュマロの運命か。
仲間達に話しかける事も出来そうにない。
まぁ元々ビニール袋に包まれて声なんて届かないのだが。
何時間が経っただろう。
もう店も閉店して何百度目の真っ暗な世界だ...。
だんだん意識も遠のいてきた...。
日付...が...そろ...そろ...変わる...の...だろ...う...。
さよ...な...ら...。
2018年12月5日 マシュマロ 過労死(期限切れ)