完熟バナナの果てに | 地層デジタル777ch プルルポッスンカ テレビ放送

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只今このチャンネルは シュール をお伝えしています。

僕はバナナだ。
いや、正確に言おう。
僕はバナナさん達が全てもがれた後に残るあの部分だ。
名前は呼ばれた事が無いからわからない。
僕自身ではバナナさん達を支える縁の下の力持ち的な意味合いを込めてモア・ストロンガーと読んでいる。
別に仮面ライダーが好きな訳ではない。
ただ響きと見た目とスマートなフォルムと荒木茂が大好きなだけだ。
話を戻そう。
さっきも説明したが僕はバナナのあの部分だ。
それ故に本体バナナさん達には格下としてみられている。
掃除、洗濯、養分の買い出しに行かされる事もしばしばだ。
さっきクイックルワイパー買ってこいと言われた時には流石に頭にきた。
表面が汚れたらしい。
そんな事はやってられないと言った。
僕の人生において初めてのおつかいならぬ初めての歯向かいである。
僕の決死の歯向かいもあってか彼らも理解してくれたらしい。
土下座で許して貰えた。
今日は良い日だ。
この間なんて「お前切り離してゴミにしてやろうか」と言われた。
全く冗談の上手い方々だ。
僕はまだ木にくっついている時に考えた新型土下座を披露してなんとか切り離されずに済んだ。
彼らとの別れは辛いから。
そんな彼らとも別れの時が迫っている。
すでに彼らの体は素敵な黒い斑点を帯びている。
彼らが食べられる日も近いだろう。
今日はもう寝ようかと思う。
彼らと繋がっていられる今を噛み締めながら。
...
翌朝僕達は冷たいアスファルトの上にいた。
すでにバナナさん達は鳥に突つかれて息をしていないらしい。
僕も食べられる運命なのだろう。
くちばしが僕の元に伸びてきた。
みんな、さよなら。
...
その日僕は鳥に咥えられ海を渡ったのだった。

モア・ストロンガー