私がお世話になってきた研修会社はたくさんありますが、多くの場合研修実施において営業担当者が立ち会います。

 

お客様である教育担当者が同席されることも理由の一つです。

 

お客様との橋渡しをしてくれる営業担当者は、講師にとって心強い存在です。

 

昔は終日受講者の後ろに座っていることもありましたが、最近では研修の開始時だけ立ち会うことが普通になってきました。

 

何千回と研修をやってきましたので、たくさんの営業担当者に出会いました。

 

いすれも貴重な財産です。

 

その中でも特に印象に残っている人が日本マンパワーの坂室さんです。

 

もう10年以上も前のこと。

 

ある会社でいつものように、研修開始前に資料や機材の確認をしていた時です。

 

坂室さんがおもむろにホワイトボードに向かって、さらさらと置いてあるマーカーを試し書きしていました。

 

その中の1本が薄かったのに気づいた彼は、自分のカバンからおもむろに新しいマーカーを取り出したのです。

 

『え?』

 

私にとっては衝撃的なシーンでした。

 

聞くと、良くあることなのでマーカーを準備しているのだそうです。

 

そんな人に私は出会ったことがありません。

 

普通なら会場側に都合してもらえば良いと思う所ですが、マーカーが常に予備があるとは限らず、教育担当者がそこにいない場合も実際にあります。

 

『ああ、これがプロの営業だよなぁ』

 

と鮮烈に記憶に刻まれた出来事でした。

 

とても小さなことのようですが、他の誰とも違う行動が他者に好印象を残すのだと思います。

 

少し前に、MRを対象にプロジェクトマネジメント研修を実施したことを書きました。

 

不安を抱えた研修 | 中西真人の「仕事に役立つスキル」 (ameblo.jp)

 

その時、MRの行動をWBSにしても、みんな同じなのではないかと懸念を持っていました。

 

ところが、同じプロジェクトを実行していながら、優秀なMRの行動は他のMRとは少し違うことが分ったのです。

 

WBS(行動分析)を全員が作成してみる事で、それぞれの行動を比較することが可能になりました。

 

その結果、大きな違いはないものの、小さな行動の違いが成果に影響していることが可視化されたのです。

 

坂室さんのケースも、全く同じだと思います。

 

マーカーの話はひとつの例であって、他にも彼なりに工夫した行動がいくつもあるのだと思います。

 

言うまでもなく、そんな彼は顧客の信頼も厚く、営業成績も抜群でした。