いやあ、忙しいったらありゃしない。そんな中でも、今週はいろいろな「愉楽」があったなあ…。
国立オリンピック記念青少年総合センター
運動やスポーツに全く縁のないワタクシ。こんな立派な施設が日本、しかも東京に存在していることすら知らなかった。
そんな僕が、ここの利用予約から当日の準備、支払いまですべて任されることになってしまったのだから一大事だ。
無事に終わってよかった。もう二度と来ることはない…かもしれない。並木の銀杏がまだ残っていたので、帰りは渋谷まで歩いた。ドンキはもう外国人しかいないね。
センターも、銀杏並木も、沿道の高級外車も、犬の散歩をしている女性も、みんな美しかった。東京ってすごいな。…これが一つ目の愉楽。
31年ぶりに「オーディオ」でつながる
二つ目の愉楽は、オーディオ関係だ。31年前、僕にダイヤトーンのスピーカーを売ってくださった人に「再会」した。
といっても、これは偶然なんかじゃなくて、向こうはいまやオーディオ界のレジェンドなので、こちらから伺えばいつでもお会いできる状況ではあったのだが、タイミング的に「いま」になってしまったという感じだ。
↑上の記事に、ダイヤトーンを買った時の経緯を記してある。
今回は修理品をお願いした。完実電気に修理の取引がある大手販売店が近くになかったので、少し遠かったが、レジェンド氏が経営しているオーディオ店に初めて伺った。レコードプレーヤーの修理を、快く引き受けてくださった。
それ以上に、「再会」をとても喜んでくださったのが嬉しい。すっかり話し込み、コーヒーをご馳走になって帰ってきた。もちろん、ただでは帰れないので、店頭のSACDを購入してきた。
修理のあがりは年を越すかもしれないが、その前に何度か訪れるかもしれない。そのくらい居心地の良いお店だった。
福島にいたときは、地元のオーディオショップに入り浸っていたものだが、それと同じような雰囲気を感じた。
散財のやばい兆候でもあるのだが…。
ジョナサン・ノットの《運命》
お次は、会場に行こうと思っていた音楽会について書く。忙しくて、結局行けなかったのだが、この公演、「ニコ響」で無料配信があったのである。今日は、これを愉しんだ。三つ目の「愉楽」である。
弦楽は古楽的なアプローチ。テンポも「ちょっぱや」と思わせておいて、それは第1楽章だけの印象。フレーズの最後のdiminuendoとか、フェルマータの最後の膨らましとか、細部がとても面白い。全体としては、軽快ながらも激しさもちゃんと感じられるような素晴らしいノットさんの《運命》だった。やっぱり無理してでも会場に行けばよかったか…。
自宅オーディオからのサウンドなのに、演奏の最後の方は不覚にも「ウルウル」とキてしまった。80%は作曲者の偉業に対してだけれども、残りは、ノットさんと東響にも同様な感謝を捧げたいと思う。
思い出した ノットさんの講演
そういえば、2022年の10月にノットさんの講演会に出席したのを思い出した。オンラインではなく、わざわざ(このために)カルチャーセンターに入会して、対面でお話を聞いたのであった。
英国人の英語がわかりやすくて、「日本の英語教育はアメリカ英語から真剣にイギリス英語に転換すべきだ」と(英語が苦手な私でも)感じたものであるが、そんなことはともかく、ノットさんのお話自体がとても面白かった。記憶に残っているのは、次の二点。
⑴ 青少年の頃は合唱団で歌っていた。
⑵ 指揮者以外ならカー・レーサーになっていたかも。
この「カー・レーサー」って言葉に、今回の《運命》を重ね合わせてみる。たしかに、「速い」けれども、それだけじゃ「事故」っちゃう。そうじゃなく、ちゃんとコントロールして、「ゴール」を目指すんだと。
そして、その「ゴール」は安全であるばかりか、「感動的なゴール」でなければならない。今回の演奏がまさにそうであった。
有言実行の人。ジョナサン・ノットを、僕は尊敬する。