NHK-FM「ベストオブクラシック」
特集:チェコのオーケストラ(5)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(2024年4月26日放送)
【曲目】
チャイコフスキー:
交響曲第5番ホ短調作品64 ほか
マンフレート・ホーネック 指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(2023年8月30日、アテネ音楽堂におけるライヴ)
録音はルーマニア放送協会。オケの弱音が素晴らしく、その有様が如実に聴きとれる放送。悪名高き「らじる★らじる」なのに、その弱点を補って余りある高音質。実に驚きである。
マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck)は昭和33年年9月17日、オーストリア生まれ。「ホーネック」に聞き覚えがあるなと思っていたら、ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・ホーネックのお兄さんであった。
自身もウィーン・フィルの弦楽器奏者(ヴィオラ)であったのを、キャリア半ばで指揮者に転向したのだという。(ウィキペディアによる)
ここでのチャイコフスキーの交響曲第5番は、テンポの変わり方がたいへん愉しく、飽きさせないものがある。ホーネックの「故郷」=ウィーン・フィルをワレリー・ゲルギエフが指揮した同曲のCDがあるが、あれを意識したようなテンポの揺らし方。偶然かもしれないが、影響を受けた可能性が無きにしも非ず。
一回だけコンサートで聴くなら、心臓バクバクの大興奮。
しかし、何度も聴く気には、まったくならないという演奏でもある。
これは、言葉の表裏のない、私めからの賞賛の言葉である。今日の放送はライヴ録音なんだから「一回性」のものを創造することこそが身上であったはずだ。