(怪談)大きな顔 | らいとまんのブログだぜ

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最近とんと怪談を語っていない。
僕自身の、最近の出来事を書き残しておこう。

ある夜、ドンドンッ!という大きな音で目が覚めた。
目が覚めてから、再びドンドンッ!という音を確認した。
夢ではない。
明らかに自分の部屋の、玄関のドアを叩く音だという事はわかった。
近所中に響くような、異常に大きなノックだ。

思わず返事をしようとしたが、言葉を呑みこんだ。
(待てよ、今何時だ?・・・)
時計を見ると、2時半。もちろん深夜である。

こんな時間に誰が来るんだ?

僕は高校生の頃のトラウマで、一人で寝る時は部屋の電気を消せない。
いい年をして恥ずかしい話だけども、高校時代のある夜、金縛りに遭って、
物凄く怖い顔を見て以来だ。

玄関のドアには、擦りガラスの細長い窓がある。
玄関は暗いが、寝ている部屋は明るいから、動くと外から見えてしまう。
僕は頭だけを少し起こして、玄関の方を見た。

擦りガラスの向こうに、灰色の大きな顔が部屋の中を覗き込むようにしていた。

そんな事があったのはこの日だけだ。
その後は今日に至るまでは、何事もない。
いつもと大きく違う事といえば、この日は江の島に行ったという事だけだ。
何かを持ってきたのかもしれないのか・・・

音に関しては、いつも後からふと思う事がある。

近所中に響くようなほどのドアを叩く音・・・・・
あんな夜中だ。大家さんは僕の部屋の上に住んでいる。
近所の人も上の大家さんも、誰かが不審に感じて外に出てきたような様子は
感じなかった。
僕の部屋は一階で、すぐ外で人が話す声も結構聞こえるような部屋だ。

本当は、僕だけにしか聞こえてなかったんじゃないのか・・・。