今日の一曲!フジファブリック「Surfer King」 | A Flood of Music

今日の一曲!フジファブリック「Surfer King」

 【追記:2021.1.4】 本記事は「今日の一曲!」Ver. 2.0の第三弾です。【追記ここまで】

 本日の出目は【4, 7, 8, 7】だったので【1stの794番】の楽曲、フジファブリックの「Surfer King」を紹介します。

Surfer King/EMIミュージック・ジャパン

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 「Surfer King」(2007)はフジファブリックの8thシングル曲で、オリジナルアルバムとしては3rd『TEENAGER』(2008)に収録されています。

 タイトル通りのサマーチューンで、どことなくGS風味になっているのがまた一層の夏っぽさを演出しているという、フジファブリックの中でも随一の盛り上がりを見せるナンバーではないでしょうか。ホーンセクションに東京スカパラダイスオーケストラが参加していることでも有名だと思います。




 シングル曲なのでMVがあります、埋め込み。当ブログ内を検索したら以前にもこの記事の中でこのMVについてふれていました。「スミス監督のハイセンスさ」と曖昧なことしか書いていなかったのですが、具体的には「デコトラをバックにステレオタイプの観がある日本人像が次々と提示されるあたりが、"アメリカ"にかぶれた歌詞とあわさって皮肉的に映る」ということが言いたかったんだ…と思います。

 別にその姿勢がどうこうと批判したいわけではなく、画的に面白いなということです。角が立つかもと思って婉曲表現にしたのが「ハイセンス」という言葉だったのでしょうね。今観直してもこの感想は覆りませんが、それよりも「このMVって格ゲーの画面っぽいな」と思えたことが発見でした。笑 実際ラストはバトってますし、妙に印象に残るチカチカする背景もらしくありません?



 先に映像についてふれてしまいましたが、肝心の曲自体を見ていきましょう。なんと言ってもまずこのダサカッコイイイントロに痺れますよね。笑 そこから放たれる歌詞が"ギラギラ パツキンが風になびくぜ"なもんだから、志村さんの表現の幅に驚かされます。日本語的にも本人のキャラ的にも。

 "王様気取りのメメメメメリケン!!"とか"どうでもヨークシャテリア"とか、どれだけ非凡なセンスを持っていたらこれを歌詞に落とし込もうという発想になるのか不思議でなりません。そしてそれが曲調とメロディにこの上なくマッチしているのだから、ふざけているように見えて実は計算高いという強かさを感じます。流石です。

 この曲はどこからをサビと判断するか迷うのですが、個人的には"フフフフフ…"のところだけがサビだと捉えています。つまりサビの歌詞には具体的な意味がのっていない(無意味というわけではなく)と言いたいのですが、これは僕が度々書いている「バンドの実力を測るバロメーター」のひとつです。自信と技量が無いとマーケティングな意味で通らないと思うので、これにゴーが出ている時点でフジファブリックというバンドがいかに信頼されているかがわかります。


 個人的にいちばんツボなのは2番Aメロバックのキーボードです。"このコメディアン"と"どうでもヨークシャテリア"の後ろのやつを指して言っていますが、このギラギラ感のある音とスピーディなフレーズこそ「夏だ!」って感じがして堪らないのです。ギターとホーンセクションの音もそうですが、ひとつひとつの音に夏らしさが宿っているのが表現力高いなと思います。

 Cメロで急にハワイアンっぽくなるのにも、「夏っぽい要素は全部ぶっこむぞ!」という気概が感じられるので好きです。笑